本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
急性狭隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
重症筋無力症の患者[重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがある。]
全身麻酔の導入
局所麻酔時の鎮静
本剤は用時注射用水にて2倍以上に希釈調製し、できるだけ緩徐に(フルニトラゼパムとして1mgを1分以上かけて)静脈内に注射する。
用量は通常成人に対し全身麻酔の導入としてはフルニトラゼパムとして体重1kgあたり0.02〜0.03mg、局所麻酔時の鎮静としてはフルニトラゼパムとして体重1kgあたり0.01〜0.03mgとし、必要に応じて初回量の半量ないし同量を追加投与する。
なお、患者の年齢、感受性、全身状態、手術術式、麻酔方法等に応じて適宜増減する。
麻酔を行う際には原則としてあらかじめ絶食をさせておくこと。
麻酔を行う際には原則として麻酔前投薬を行うこと。
麻酔・鎮静の深度は、手術、検査に必要な最低の深さにとどめること。
本剤投与前に、酸素吸入器、吸引器具、挿管器具等の人工呼吸のできる器具及び昇圧剤等の救急蘇生剤を手もとに準備しておくこと。また、必要に応じてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を手もとに準備しておくこと(「過量投与」の項参照)。
本剤投与中は、気道に注意して呼吸・循環に対する観察を怠らないこと。観察を行う際には、パルスオキシメーターや血圧計等を用いて、継続的に患者の呼吸及び循環動態を観察すること。
術後引き続き鎮静及び前向性健忘が認められることがあるので注射後24時間は観察下におくこと。
心障害のある患者[呼吸抑制があらわれやすい。]
肝障害又は腎障害のある患者
脳に器質的障害のある患者[作用が強くあらわれやすい。]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
小児等(「小児等への投与」の項参照)
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
衰弱患者
高度重症患者、呼吸予備力の制限されている患者
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読むこと。
症状
昏睡等の中枢神経抑制作用に基づく症状
処置
フルマゼニルの投与
急速に静脈内に注射した場合、あるいは細い静脈内に注射した場合には血栓性静脈炎を起こすおそれがあるので、なるべく太い静脈を選んで投与すること。
動脈内に注射した場合には、末梢の壊死を起こすおそれがあるので動脈内には絶対に注射しないこと。
筋肉内に注射した場合には、局所障害を起こすおそれがあるので、筋肉内には注射しないこと。
静脈内注射時に血管痛がみられることがある。
本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
希釈調製後は速やかに使用すること。
他の注射剤と配合した場合は、経時的に変化することがあるので注意すること。
本剤は鎮痛作用を有しないので、必要ならば鎮痛剤を併用すること。
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗けいれん作用が変化、遅延するおそれがある。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アルコール(飲酒) | 中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。アルコールとの併用は避けることが望ましい。 | ともに中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用を増強するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 中枢神経抑制剤フェノチアジン誘導体バルビツール酸誘導体鎮痛薬麻酔薬 等 | 中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。アルコールとの併用は避けることが望ましい。 | ともに中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用を増強するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| モノアミン酸化酵素阻害剤 | クロルジアゼポキシドで舞踏病が発現したとの報告がある。 | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シメチジン | 本剤の中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。 | シメチジンが肝チトクロームP450を阻害し、本剤の排泄を遅延させるおそれがある。 |
承認時迄の調査及び使用成績調査3,668例において、副作用は221例(6.0%)に認められた。主な副作用は、血圧低下67件(1.8%)、舌根沈下25件(0.7%)、呼吸抑制20件(0.6%)、覚醒困難17件(0.5%)等であった。(再審査終了時)
無呼吸、呼吸抑制、舌根沈下(0.1〜5%未満)
無呼吸、呼吸抑制、舌根沈下があらわれ、重篤な転帰をたどることがあるので観察を十分に行うこと。このような場合には、気道を確保し、換気をはかるなど適切な処置を行うこと。
錯乱(0.1%未満)
錯乱があらわれることがある。
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
| 0.1〜2%未満 | 0.1%未満 | |
| 精神神経系 | 覚醒困難、興奮、多弁 | 麻酔後睡眠 |
| 肝臓 | AST(GOT)上昇 | ALT(GPT)上昇 |
| 呼吸器 | しゃっくり | 咳 |
| 循環器 | 血圧低下、徐脈 | 頻脈 |
| 消化器 | 嘔吐 | |
| 過敏症 注3) | 発疹 | |
| その他 | 体動 | 尿閉、乏尿 |
注3)投与を中止すること。
ロヒプノール静注用2mg 141円/管
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