人工透析患者(腹膜透析を含む)[横紋筋融解症があらわれやすい。]
腎不全などの重篤な腎疾患のある患者[横紋筋融解症があらわれやすい。]
血清クレアチニン値が2.0mg/dL以上の患者[横紋筋融解症があらわれやすい。]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
高脂血症(家族性を含む)
通常、成人にはベザフィブラートとして1日400mgを2回に分けて朝夕食後に経口投与する。
なお、腎機能障害を有する患者及び高齢者に対しては適宜減量すること。
本剤投与中、急激な腎機能の悪化を伴う横紋筋融解症(「副作用(1)重大な副作用」の項参照)があらわれることがある。この症状は透析患者、腎不全などの重篤な腎機能障害を有する患者であらわれやすいため、これらの患者には投与しないこと。
適用の前に十分な検査を実施し、高脂血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
あらかじめ高脂血症の基本である食事療法を行い、更に運動療法や、高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分に考慮すること。
投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。
腎疾患のある患者[症状の増悪及び横紋筋融解症があらわれることがある(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)。]
血清クレアチニン値が1.5mg/dLを超える患者[横紋筋融解症があらわれることがある(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)。]
肝障害又はその既往歴のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。]
胆石又はその既往歴のある患者[胆石の形成がみられることがある。]
抗凝血薬を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム等)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
スルホニル尿素系血糖降下薬(グリベンクラミド、グリクラジド、グリメピリド等)、ナテグリニド及びインスリンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
服用時
本剤は徐放錠であるので、割ったり、砕いたりしないでそのまま服用させること。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
外国では普通錠の1日600mg(分3)投与において、消化器症状等の副作用の発現頻度が比較的高いことが報告されている。
ラットの24ヵ月間投与試験で、雄の高投与量群(123及び256mg/kg、臨床用量の20〜40倍)において、精巣の間質細胞腫が認められた。ラットの雌及びマウスでは発癌性は認められていない。
腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者では原則として併用しないこととするが、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ慎重に併用すること。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
HMG-CoA還元酵素阻害薬プラバスタチンナトリウムシンバスタチンフルバスタチンナトリウム 等 | 急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、本剤を少量から投与を開始するとともに、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)の上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。 | 本剤は主として腎臓を経て排泄されるため、腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者では本剤の血中濃度が上昇しやすい。このような患者に本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用すると横紋筋融解症が発現しやすいので原則として併用しないこと。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗凝血薬ワルファリンカリウム | プロトロンビン時間を測定して抗凝血薬の量を調節すること。出血又はその傾向が認められた場合には、抗凝血薬あるいは全ての該当薬剤を減量又は中止すること。 | 本剤による抗凝血薬の作用部位の親和性の増加による抗凝血薬の作用増強が考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
HMG-CoA還元酵素阻害薬プラバスタチンナトリウムシンバスタチンフルバスタチンナトリウム 等 | 横紋筋融解症があらわれることがある(「副作用(1)重大な副作用」の項参照)。 | 機序不明。いずれも単独投与により横紋筋融解症が報告されている。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
フルバスタチンナトリウム | フルバスタチンナトリウムの血中濃度が上昇することがある。 | フルバスタチンナトリウムの肝代謝が阻害され、初回通過効果が低下したものと考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
スルホニル尿素系血糖降下薬グリベンクラミドグリクラジドグリメピリド 等 | 冷汗、強い空腹感、動悸等の低血糖症状の発現が報告されているので、このような症状があらわれた場合には血糖降下薬の量を調節すること。 | 本剤とこれらの薬剤との血清アルブミン結合部位における競合により、これらの薬剤の血中遊離型濃度が上昇し血糖降下作用が増強されると考えられる。<危険因子>高齢者 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ナテグリニド | 冷汗、強い空腹感、動悸等の低血糖症状の発現が報告されているので、このような症状があらわれた場合には血糖降下薬の量を調節すること。 | 本剤とこれらの薬剤との血清アルブミン結合部位における競合により、これらの薬剤の血中遊離型濃度が上昇し血糖降下作用が増強されると考えられる。<危険因子>高齢者 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
インスリン | 低血糖症状があらわれることがある。併用する場合には血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | インスリン感受性増強等の作用により、血糖降下作用を増強すると考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
シクロスポリン | 腎障害が報告されているので、腎機能検査値(クレアチニン、BUN等)の変動に十分注意すること。 | 腎障害の副作用が相互に増強されると考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
陰イオン交換樹脂剤コレスチラミン | 本剤の吸収が遅延又は減少する可能性があるため、併用する場合には、少なくとも2時間以上の間隔をあけて投与すること。 | 陰イオン交換樹脂剤の吸着作用によると考えられる。 |
承認時迄の調査及び使用成績調査9,894例において、副作用は387例(3.9%)に認められた。主な副作用は、CK(CPK)上昇101件(1.0%)、AST(GOT)上昇53件(0.5%)、ALT(GPT)上昇37件(0.4%)、クレアチニン上昇35件(0.4%)、BUN上昇34件(0.3%)等であった。(再審査終了時)
(以下の副作用はすべて頻度不明)
横紋筋融解症
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと(「重要な基本的注意」の項参照)。
ショック、
(顔面浮腫、口唇の腫脹等)があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投薬を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
頻度不明 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
精神神経系 | 傾眠、不眠、しびれ感 | 頭痛、めまい | |
筋肉 注1) | 筋痙攣 | CK(CPK)上昇 | 筋肉痛 |
消化器 | 胃潰瘍、胸やけ、口渇 | 腹痛、嘔気 | 食欲不振、嘔吐、腹部膨満感、下痢、口内炎、便秘 |
皮膚 | 光線過敏症 | 発疹 |
|
肝臓 | AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇 | ||
腎臓 注2) | BUN上昇、クレアチニン上昇 | ||
血液 | 血小板減少 | 貧血 | 白血球減少、血小板増加 |
その他 | 胆石、勃起不全、味覚異常、発熱、浮腫、頻尿 | 尿酸の上昇 | 低血糖、全身倦怠感、脱毛 |
注1)このような場合には減量又は休薬すること。
注2)既に腎機能障害のある患者においては症状が増悪することがあるので、このような場合には直ちに投薬を中止し、適切な処置を行うこと。
ベザリップ錠100mg 22.3円/錠
ベザリップ錠200mg 37.9円/錠
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