肥大型心筋症治療剤
| 一般名 |
マバカムテン
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|---|---|
| 製造/販売 | ブリストル・マイヤーズスクイブ |
| 剤形/規格 |
|
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
2.3 イトラコナゾール、クラリスロマイシン含有製剤、ボリコナゾール、ポサコナゾール、リトナビル含有製剤、コビシスタット含有製剤、セリチニブ、エンシトレルビル フマル酸、ロナファルニブ、ジョサマイシン、ミフェプリストン・ミソプロストールを投与中の患者[10.1参照]
2.4 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者[9.3.1参照]
閉塞性肥大型心筋症
通常、成人にはマバカムテンとして2.5mgを1日1回経口投与から開始し、患者の状態に応じて適宜増減する。ただし、最大投与量は1回15mgとする。
8.1 本剤は、肥大型心筋症の診断及び治療に十分な知識及び経験を持つ医師のもとで使用すること。
8.2 本剤はLVEFを低下させ、収縮機能障害により心不全を引き起こすおそれがある。本剤投与中は、定期的に心エコー検査を行い、患者の状態(バルサルバLVOT圧較差及びLVEF)をモニタリングすること。[7.1、7.3、7.4、9.1.1、10.2、11.1.1参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 収縮機能障害による心不全のリスクが高まるおそれがある患者
(1)不整脈(心房細動又はその他のコントロール不良の頻脈性不整脈を含む)等の重篤な合併症のある患者[8.2、11.1.1参照]
(2)心臓手術(例:冠動脈バイパス術、弁膜症手術、心筋切除術、心臓移植)を受ける患者[8.2、11.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者
投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。[2.4参照]
9.3.2 肝機能障害のある患者(重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者を除く)
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。[16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。動物実験(ラット及びウサギ)において、臨床最大曝露量と同程度の曝露量で胚致死作用及び催奇形性が認められている
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤は乳汁中に移行する可能性がある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 本剤は噛まずに水とともに服用させること。
14.1.2 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤は、主にCYP2C19及びCYP3A4によって代謝される。[16.4参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| イトラコナゾール(イトリゾール)クラリスロマイシン含有製剤(クラリス、クラリシッド、ボノサップ、ラベキュア)ボリコナゾール(ブイフェンド)ポサコナゾール(ノクサフィル)リトナビル含有製剤(カレトラ、ノービア、パキロビッド)コビシスタット含有製剤(シムツーザ、ゲンボイヤ、プレジコビックス)セリチニブ(ジカディア)エンシトレルビル フマル酸(ゾコーバ)ロナファルニブ(ゾキンヴィ)ジョサマイシン(ジョサマイ)ミフェプリストン・ミソプロストール(メフィーゴ)[2.3参照] | 本剤の副作用が増強され、収縮機能障害による心不全のリスクが高まるおそれがある。 | これらの薬剤がCYP3A4を強力に阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強い又は中程度のCYP2C19阻害剤フルコナゾールフルボキサミンチクロピジン等[7.6、8.2参照] | 本剤の副作用が増強され、収縮機能障害による心不全のリスクが高まるおそれがある。 | これらの薬剤がCYP2C19を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 弱いCYP2C19阻害剤オメプラゾール等[8.2、16.7.1参照] | 本剤の副作用が増強され、収縮機能障害による心不全のリスクが高まるおそれがある。本剤投与中にこれらの薬剤の投与を開始又は増量する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。 | これらの薬剤がCYP2C19を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 中程度又は弱いCYP3A4阻害剤ベラパミルジルチアゼムエリスロマイシングレープフルーツジュース等[7.6、8.2、16.7.1参照] | 本剤の副作用が増強され、収縮機能障害による心不全のリスクが高まるおそれがある。 | これらの薬剤がCYP3A4を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強い又は中程度のCYP2C19誘導剤アパルタミド等[7.7、8.2参照] | 本剤の有効性が減弱するおそれがある。本剤と併用中にこれらの薬剤の投与を中止又は減量すると収縮機能障害による心不全のリスクが高まるおそれがある。 | これらの薬剤がCYP2C19を誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強い、中程度又は弱いCYP3A4誘導剤リファンピシンカルバマゼピンフェニトインダブラフェニブエンザルタミドミトタンセイヨウオトギリソウ(St.John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等[7.7、8.2参照] | 本剤の有効性が減弱するおそれがある。本剤と併用中にこれらの薬剤の投与を中止又は減量すると収縮機能障害による心不全のリスクが高まるおそれがある。 | これらの薬剤がCYP3A4を誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| β遮断薬ビソプロロールメトプロロール等非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬ベラパミルジルチアゼム | これらの薬剤と併用する場合、患者の状態を慎重に観察しながら投与すること。特に本剤とβ遮断薬及び非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬との併用の場合には注意すること。本剤投与中にこれらの薬剤の投与を開始又は増量する場合は、薬剤の投与量及び患者の状態が安定するまで心エコー検査によるLVEFのモニタリング等を定期的に実施し、患者の状態を慎重に観察しながら投与すること。 | 相加的に陰性変力作用を増強させ、左室収縮力を過度に低下させる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クラスIA抗不整脈薬ジソピラミドシベンゾリン等 | これらの薬剤と併用する場合、患者の状態を慎重に観察しながら投与すること。本剤投与中にこれらの薬剤の投与を開始又は増量する場合は、薬剤の投与量及び患者の状態が安定するまで心エコー検査によるLVEFのモニタリング等を定期的に実施し、患者の状態を慎重に観察しながら投与すること。 | 相加的に陰性変力作用を増強させ、左室収縮力を過度に低下させる可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 心不全(頻度不明)
収縮機能障害により心不全を起こすことがある。ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)の上昇が見られた場合、又は呼吸困難、胸痛、疲労、動悸、下肢浮腫等が発現又は増悪した場合は、速やかに心機能の評価を行い、休薬又は中止等適切な処置を行うこと。[8.2、9.1.1参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 1〜3%未満 | |
| 神経系障害 | 浮動性めまい、頭痛 |
| 一般・全身障害および投与部位の状態 | 疲労、末梢性浮腫 |
| 心臓障害 | 心房細動、動悸 |
| 呼吸器、胸郭および縦隔障害 | 労作性呼吸困難、呼吸困難 |
| 筋骨格系および結合組織障害 | 筋力低下 |
| 臨床検査 | 駆出率減少 |
カムザイオスカプセル1mg 7204円/カプセル
カムザイオスカプセル2.5mg 7264.8円/カプセル
カムザイオスカプセル5mg 7410.5円/カプセル
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