眼科用VEGF※)阻害剤 ※)VEGF:vascular endothelial growth factor(血管内皮増殖因子)
| 一般名 |
アフリベルセプト(遺伝子組換え)
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| 製造/販売 | バイエル薬品 |
| 剤形/規格 |
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2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 眼又は眼周囲に感染のある患者、あるいは感染の疑いのある患者[眼内炎等の重篤な副作用が発現するおそれがある。]
2.3 眼内に重度の炎症のある患者[炎症が悪化するおそれがある。]
2.4 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
○中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性
○糖尿病黄斑浮腫
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として8mg(0.07mL)を4週ごとに1回、通常、連続3回(導入期)硝子体内投与するが、症状により投与回数を適宜減じる。その後の維持期においては、通常、16週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8週以上あけること。
8.1 網膜疾患に関する専門知識を有し、硝子体内注射の投与手技に関する十分な知識・経験のある眼科医のみが本剤を投与すること。
8.2 硝子体内注射に際し使用される薬剤(消毒薬、麻酔薬、抗菌点眼薬及び散瞳薬等)への過敏症の既往歴について事前に十分な問診を行うこと。
8.3 本剤の硝子体内注射の際には、下記の点に注意しながら行うとともに、投与手技に起因する有害事象として結膜出血、眼痛、硝子体浮遊物等の有害事象が多く報告されているので注意すること。[11.1.1、11.2参照]
・硝子体内注射は、無菌条件下で行うこと。(手術用手指消毒を行い、滅菌手袋、ヨウ素系洗眼殺菌剤、滅菌ドレープ及び滅菌開瞼器等を使用すること。)
・本剤投与前に、十分な麻酔と広域抗菌点眼剤の投与を行うこと。
・説明書に従って投与量を0.07mLに設定すること。
・患者に対し、眼内炎を示唆する症状(眼痛、充血、羞明、霧視等)があらわれた場合には直ちに連絡するように指導すること。
8.4 硝子体内注射により眼圧を一過性に上昇させるおそれがあるので、本剤投与後、視神経乳頭血流の確認と眼圧上昇の管理を適切に行うこと。[9.1.1、11.1.1参照]
8.5 本剤の硝子体内注射後、一時的に霧視等があらわれることがあるため、その症状が回復するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意すること。
8.6 定期的に視力等に基づき有効性を評価し、有効性が認められない場合には漫然と投与しないこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 緑内障、高眼圧症の患者[8.4、11.1.1参照]
9.1.2 脳卒中又は一過性脳虚血発作の既往歴等の脳卒中の危険因子のある患者[11.1.2、15.1.1参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性には、本剤投与中(最終投与後4ヵ月以上)、適切な避妊法を用いるよう指導すること。なお、ウサギの胚・胎児毒性試験で、胎児奇形がみられた最低用量における最高血漿中濃度は259ng/mLであり、安全域は明確になっていないため、本剤投与中止後の適切な避妊期間は明らかでない。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ウサギの胚・胎児毒性試験(3〜60mg/kgを器官形成期に静脈内投与)において、母動物の体重減少、流産、着床後胚死亡及び胎児奇形(外表、内臓及び骨格奇形)の増加が報告されている。別のウサギ胚・胎児毒性試験(0.1〜1mg/kgを妊娠1日〜器官形成期に皮下投与)において、胎児奇形(外表、内臓及び骨格奇形)の増加が報告されている。妊娠ウサギにおいて、本剤の胎盤通過性が認められた。[2.4、9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行は不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
13.1 症状
臨床試験において、一過性の眼圧上昇が報告されている。投与容量の増加に伴い眼圧が上昇することがある。
13.2 処置
眼圧を測定し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
14.1 薬剤投与前の注意
14.1.1 本剤は、注射前に室温に戻すこと。室温に放置した時間が24時間を超えないように使用すること。
14.1.2 目視による確認を行い、注射液に微粒子、混濁又は変色が認められる場合、容器に破損が認められる場合等、異常が認められる場合には使用しないこと。
14.1.3 包装又は製品に破損や開封された跡がある場合、又は期限切れの場合には使用しないこと。
14.1.4 正しい濃度の製剤であることをシリンジのラベルで確認すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 本剤は硝子体内にのみ投与すること。
14.2.2 30ゲージの眼科用針を使用すること。
14.2.3 1シリンジは1回(片眼)のみの使用とすること。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 本剤投与により、全身のVEGF阻害に起因する動脈血栓塞栓に関連する有害事象(心筋梗塞、脳卒中、血管死等)が発現する可能性がある。滲出型加齢黄斑変性患者を対象に実施された国際共同第III相試験における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は、本剤8mg投与群で1.8%(673例中12例)であった。糖尿病黄斑浮腫患者を対象に実施された国際共同第II/III相試験における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は、本剤8mg投与群で6.7%(491例中33例)であった。[9.1.2、11.1.2参照]
15.1.2 本剤投与により、抗アフリベルセプト抗体が発現することがある。
15.1.3 本剤単独とベルテポルフィンによる光線力学的療法の併用を比較した試験は実施されておらず、本剤とベルテポルフィンを併用した場合の有効性及び安全性が本剤単独時に比べて優れているとの結果は得られていない。
15.2 非臨床試験に基づく情報
サルに4週間間隔で8ヵ月間硝子体内反復投与後の病理組織学的検査において、2及び4mg/眼投与群の鼻粘膜(鼻甲介呼吸上皮)に軽度なびらん又は潰瘍を示す動物が観察されたが、休薬により回復する可逆性変化であった。0.5mg/眼投与群に当該所見は認められず、当該用量(無毒性量)における血漿中遊離型アフリベルセプトの曝露量は、臨床で片眼に本剤8mgを3回硝子体内反復投与したときのCmax及びAUC推定値のそれぞれ5.2倍及び3.3倍、両眼に本剤8mgを3回硝子体内反復投与したときのCmax及びAUC推定値のそれぞれ2.3倍及び1.4倍に相当した。
遮光を保つため、本剤は外箱に入れた状態で保存すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 眼障害
眼内炎(0.2%)、眼圧上昇(3.6%)、硝子体はく離(1.0%)、外傷性白内障(0.6%)、網膜出血(0.5%)、網膜色素上皮裂孔(0.4%)、硝子体出血(0.4%)、網膜はく離(0.04%)、網膜裂孔(0.06%)、網膜色素上皮はく離(0.02%)があらわれることがある。[8.3、8.4、9.1.1参照]
11.1.2 脳卒中(0.2%)[9.1.2、15.1.1参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 1〜5%未満 | 1%未満 | |
| 眼注) | 結膜出血(16.2%) | 眼充血 | 白内障、角膜擦過傷、角膜浮腫、角膜びらん、角膜上皮欠損、角膜障害、角膜炎、前房内細胞、前房のフレア、結膜充血、結膜刺激、結膜浮腫、結膜炎、アレルギー性結膜炎、後のう部混濁、虹彩毛様体炎、ブドウ膜炎、前房蓄膿、虹彩炎、前房出血、点状角膜炎 |
| 眼注) | 硝子体浮遊物 | 硝子体細胞、硝子体混濁、黄斑線維症、黄斑浮腫、黄斑円孔、黄斑部瘢痕、網膜変性、網膜浮腫、網膜下線維症、網膜色素脱失、網膜色素上皮症、網膜分離症、硝子体炎 | |
| 眼注) | 注射部位疼痛 | 注射部位刺激感、注射部位紅斑、注射部位不快感、注射部位乾燥、注射部位炎症、注射部位浮腫、注射部位腫脹、注射部位血腫、注射部位出血 | |
| 眼注) | 眼痛 | 眼の異物感、眼刺激、流涙増加 | 眼脂、眼乾燥、眼そう痒症、眼の異常感、眼瞼浮腫、眼瞼縁痂皮、眼瞼痛、眼瞼炎、眼窩周囲血腫、眼部腫脹、高眼圧症、羞明、視力障害、変視症、光視症、処置による疼痛、視力低下、霧視、眼部不快感 |
| 皮膚 | そう痒症、紅斑 | ||
| 循環器 | 高血圧、収縮期血圧上昇 | ||
| 精神神経系 | 会話障害、頭痛 | ||
| 消化器 | 悪心 | ||
| 泌尿器 | タンパク尿、尿中タンパク/クレアチニン比増加 | ||
| その他 | 不快感、鼻出血、薬物過敏症、針恐怖 |
注)[8.3参照]
アイリーア8mg硝子体内注射用キット114.3mg/mL 146286円/筒
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