腹膜透析用剤
| 一般名 |
腹膜透析用剤(8)
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| 製造/販売 | ヴァンティブ |
| 剤形/規格 |
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2.1 横隔膜欠損のある患者[胸腔へ移行し、呼吸困難が誘発されるおそれがある。]
2.2 腹部に挫滅傷又は熱傷のある患者[挫滅傷又は熱傷の治癒を妨げるおそれがある。]
2.3 高度の腹膜癒着のある患者[腹膜の透過効率が低下しているため、期待する透析効果が得られないおそれがある。]
2.4 尿毒症に起因する以外の出血性素因のある患者[出血により蛋白喪失が亢進し、全身状態が悪化するおそれがある。]
2.5 乳酸代謝障害の疑いのある患者[乳酸アシドーシスが誘発されるおそれがある。]
慢性腎不全患者における腹膜透析(高マグネシウム血症の改善が不十分な場合で、かつカルシウム製剤や活性型ビタミンD製剤の投与により高カルシウム血症をきたすおそれのある場合に用いる)。
腹腔内に注入し、透析治療を目的とした液として使用する。通常、成人では1回1.5〜2Lを腹腔内に注入し、4〜8時間滞液し、効果期待後に排液除去する。以上の操作を1回とし、体液の過剰が1kg/日以下の場合、通常1日あたりレギュニールLCa1.5腹膜透析液のみ3〜4回の連続操作を継続して行う。体液の過剰が1kg/日以上認められる場合、通常レギュニールLCa2.5腹膜透析液を1〜4回、またはレギュニールLCa4.25腹膜透析液を1〜2回処方し、レギュニールLCa1.5腹膜透析液と組み合せて1日あたり3〜5回の連続操作を継続して行う。なお、注入量、滞液時間、操作回数は症状、血液生化学値及び体液の平衡異常、年齢、体重などにより適宜増減する。注入及び排液速度は、通常300mL/分以下とする。
8.1 単回使用すること。バッグ内の残存液は廃棄すること。
8.2 注入液、排液の出納に注意すること。
8.3 本剤の投与開始は、医療機関において医師により、又は医師の直接の監督により実施すること。通院、自己投与は、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を施した後、医師自らの管理指導の下に実施すること。
8.4 腹膜炎を合併することがある
8.4.1 腹膜カテーテルの管理及び腹膜カテーテル出口部分の状態には十分注意すること。
8.4.2 腹膜炎が発生すると排液が濁るので、その早期発見のために、毎排液後、液の混濁状態を確認すること(腹膜炎発生時の液の混濁状態は正常排液2,000mLに対して牛乳1mLを添加した液の混濁状態を参考とすることができる)。混濁が認められた場合は、直ちに医師又は医療従事者に連絡し指示を受けること。
8.5 長期の腹膜透析実施において被嚢性腹膜硬化症(EPS)を合併することがある
臨床症状
低栄養・るいそう・下痢・便秘・微熱・血性排液・局所性もしくはびまん性の腹水貯留・腸管ぜん動音低下・腹部における塊状物触知・除水能の低下・腹膜透過性の亢進
血液検査所見
末梢白血球数の増加・CRP陽性・低アルブミン血症・エリスロポエチン抵抗性貧血・高エンドトキシン血症
画像診断
X線検査・超音波検査・CT検査
8.6 血漿中重炭酸濃度が30mEq/Lを超える場合は、代謝性アルカローシスの進展、増悪に十分注意すること。
8.7 定期的に血液生化学検査及び血液学的検査等を実施すること。
8.8 透析性のある薬剤を使用する場合は、血中濃度に十分注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 腹膜炎、腹膜損傷、腹膜癒着及び腹腔内臓器疾患の疑いのある患者
腹膜炎、腹膜損傷、腹膜癒着及び腹腔内臓器疾患が悪化する又は誘発されるおそれがある。
9.1.2 乳酸アシドーシスのリスクが高まると考えられる患者
急性腎不全、先天性乳酸代謝障害及び核酸系逆転写酵素阻害剤を使用している患者は乳酸アシドーシスが誘発されるおそれがある。
9.1.3 腹部手術直後の患者
手術部位の治癒を妨げるおそれがある。
9.1.4 大動脈部位における人工血管使用患者
細菌感染を起こすおそれがある。
9.1.5 重篤な肺疾患のある患者
腹圧上昇により肺機能の低下が起こるおそれがある。
9.1.6 糖代謝障害の疑いのある患者
糖代謝異常が悪化する又は誘発されるおそれがある。
9.1.7 食事摂取が不良の患者
栄養状態が悪化するおそれがある。
9.1.8 腹部ヘルニアのある患者
腹部ヘルニアが悪化するおそれがある。
9.1.9 腰椎障害のある患者
腰椎障害が悪化するおそれがある。
9.1.10 憩室炎のある患者
憩室炎が腹膜炎合併の原因となるおそれがある。
9.1.11 人工肛門使用患者
細菌感染を起こすおそれがある。
9.1.12 高度の換気障害のある患者
腹腔内透析液貯留により胸腔が圧迫され、換気障害が悪化するおそれがある。
9.1.13 高度の脂質代謝異常のある患者
高コレステロール血症、高トリグリセライド血症が悪化するおそれがある。
9.1.14 高度の肥満がみられる患者
肥満を増長させるおそれがある。
9.1.15 高度の低蛋白血症のある患者
低蛋白血症が悪化するおそれがある。
9.1.16 ステロイド服用患者及び免疫不全患者
易感染性であるため、細菌性腹膜炎等を誘発するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 注液準備手順及びツインバッグ操作方法の概略(詳細については必ず対象医療機器の取扱説明書及び操作手順マニュアルを参照のこと)
(1)交換準備がすべて整ってから、外袋を破って開封し、本剤を取り出す。
(2)液が無色〜微黄色の澄明で異常が認められないこと、及び各部の接合が完全であることを確認すること。そうでない場合は無菌性が損なわれているおそれがあるので使用しないこと。
(3)使用前に注液隔壁及び混合隔壁が開通していないことを確認すること。開通が認められる場合は使用しないこと。
(4)本品のクランプを2個共閉めること。
(5)使用直前に上室側を強くつかみ、混合隔壁を開通させること。
(6)再度上室側からバッグを強くつかみ、注液隔壁を開通すること。
(7)上室液と下室液の2液をよく混合すること。
(8)その際、バッグを強く押して漏れの有無を調べること。万一漏れがみられる場合には無菌性が損なわれているおそれがあるので使用しないこと。
(9)混合後は速やかに使用すること。
(10)万一誤って下室液のみを注入した場合は、速やかに排液し、新しい透析液バッグに取り替え、上室液と下室液の2液をよく混合し再注入した後、病院に連絡すること。
(11)容器下部の注入口から保護キャップを取り除き、患者側チューブ又は対象医療機器の注・排液セットと接続する。
(12)バッグ上部の穴を用いて、容器をつり下げ注液する。
(13)ツインバッグの注・排液方法は次のとおり行う。
患者側の接続チューブ先端のキャップを外す。本品の接続チューブコネクターを患者側の接続チューブ先端と接続する。本品の排液側チューブと接続チューブのクランプを開け、腹腔内貯留液を本品の排液側チューブ経由で排液バッグに排出する。排出後、患者側の接続チューブと本品の排液側チューブをクランプし、本品の注液側チューブと排液側チューブのクランプを開け、新しい透析液で回路内を洗浄し、排液側チューブ経由で排液バッグに流す。その際、チューブの亀裂や漏れがみられる場合には、使用を中止し、医師又はその他医療従事者に連絡する。次に、本品の排液側チューブと注液側チューブをクランプし、本品の注液側チューブのクランプと患者側の接続チューブのクランプを開け、新しい透析液を腹腔内に注入する。注入後患者側の接続チューブと本品の注液側チューブのクランプを閉めた上で、本品の接続チューブコネクターとの接続を外す。患者側の接続チューブ先端にキャップを取り付けて交換操作を完了する。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 静脈内に投与しないこと。
14.2.2 下痢、腹痛、悪寒等の予防のため、本剤をあらかじめ体温程度に温めてから注入すること。
14.2.3 カリウムを含まないため、血清カリウム値が正常あるいは低値の場合、またジギタリス治療中の患者では症状に応じて本剤中のカリウム濃度が1〜4mEq/Lになるよう補正して使用すること。[10.2参照]
14.3 薬剤交付時の注意
14.3.1 在宅医療にて本品を使用する場合は以下の注意事項を参考にすること。
(1)バッグの交換操作はマニュアルに従って行わせること。
(2)トラブル発生時の対処法は、次の表を参考にすること。
| トラブル | 対処法 |
| フランジブルシール開放後の透析液バッグ及びチューブの亀裂又は液漏れ | 直ちにクランプを閉め、新しいキャップをして、医師又はその他医療従事者に連絡し、指示を受けてください。 |
| 接続部及びチューブの亀裂又は液漏れ | 直ちに亀裂又は液漏れの発生部分より、患者側に近い接続チューブを2又は3ヵ所しばり、医師又はその他医療従事者に連絡し、指示を受けてください。 |
20.1 誤用を避けるため、他の外箱カートンへ入れ替えないこと。
20.2 幼児の手の届かないところへ保管すること。
20.3 外袋は水蒸気の過度の透過を防ぐためのものであるため、万一破れている場合は使用しないこと。
20.4 バッグは軟らかいプラスチック製のため、液漏れの原因となることから鋭利なもの等で傷つけないように取扱いに注意すること。冬期等の低温下ではバッグが破損しやすくなるので注意すること。また、高所から落とすと破損する場合があるので、取扱いに注意すること。
20.5 外袋内に水滴が観察されるが、蒸気滅菌のためであり、液漏れによるものではない。
20.6 混合隔壁及び注液隔壁が不慮に開通しないよう取扱いに注意すること。また、使用前に隔壁が開通している場合は使用しないこと。
20.7 ポートやチューブをバッグからはがす時に、バッグを破り、液漏れを起こすおそれがあるので丁寧にはがすこと。
20.8 低温で注液をすると腹痛を起こすおそれがあるため、製品は専用の医療用加温器を用いて、体温程度に用時加温すること。
20.9 本剤を過量投与した場合は、腹部不快感、腹痛及び息切れを起こすおそれがあるため、直ちに排液し、医師又は医療従事者に連絡すること。
20.10 直射日光を避ける。また、バッグを破るおそれがあるので凍結を起こさない場所で保存する。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ジギタリス製剤ジゴキシン等[14.2.3参照] | ジギタリス中毒が誘発されるおそれがある。 | 本剤はカリウムを含まないため、血清カリウム値が低下する可能性があり、ジギタリス中毒を起こすおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 利尿剤フロセミド等 | 水及び電解質異常が誘発されるおそれがある。 | 本剤には除水効果があるため、併用により、脱水症状や電解質異常を起こすおそれがある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 心・血管障害(頻度不明)
急激な脱水による循環血液量の減少、低血圧、ショック等があらわれた場合には、投与を中止し、輸血、生理食塩液、昇圧剤の投与等適切な処置を行うこと。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 1〜5%未満 | |
| 一般・全身障害および投与部位の状態 | 末梢性浮腫 | 顔面浮腫、倦怠感 |
| 傷害、中毒および処置合併症 | − | 処置合併症 |
| 臨床検査 | 体重増加 | アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、血中ブドウ糖増加、血中乳酸脱水素酵素増加、血圧上昇、血中トリグリセリド減少、血中トリグリセリド増加、血中尿酸増加、C-反応性蛋白増加、心胸郭比増加、線維素溶解減少、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、血小板数減少 |
| 代謝および栄養障害 | 体液貯留 | 低血糖 |
| 皮膚および皮下組織障害 | − | そう痒症 |
| 血管障害 | − | 高血圧 |
レギュニールLCa1.5腹膜透析液 1151円/袋
レギュニールLCa1.5腹膜透析液 1351円/袋
レギュニールLCa1.5腹膜透析液 1522円/袋
レギュニールLCa1.5腹膜透析液 1670円/袋
レギュニールLCa1.5腹膜透析液 2188円/袋
レギュニールLCa2.5腹膜透析液 1220円/袋
レギュニールLCa2.5腹膜透析液 1347円/袋
レギュニールLCa2.5腹膜透析液 1479円/袋
レギュニールLCa2.5腹膜透析液 1761円/袋
レギュニールLCa2.5腹膜透析液 2196円/袋
レギュニールLCa4.25腹膜透析液 1105円/袋
レギュニールLCa4.25腹膜透析液 1989円/袋
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