2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者[10.1参照]
活動期潰瘍性大腸炎(重症を除く)
通常、成人にはブデソニドとして9mgを1日1回朝経口投与する。
8.1 本剤は副腎皮質ステロイドであり、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、クッシング症候群、骨密度の減少、消化性潰瘍、糖尿病、白内障、緑内障、精神障害等の重篤な副作用があらわれる可能性がある。本剤の投与にあたっては、次の注意が必要である。
8.1.1 本剤を長期間投与した場合に、全身性の副作用があらわれる可能性があるため、漫然と投与しないこと。[7.参照]
8.1.2 投与中は、副作用の発現に対し、常に十分な配慮と観察を行い、また、患者をストレスから避けるようにし、事故、手術等の場合には当該患者の副腎皮質機能の低下に留意し、全身性ステロイド剤の投与など適切な処置を行うこと。
8.1.3 特に、免疫抑制状態の患者が、水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である。
a)本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。
b)水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずること。
c)水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。
8.1.4 免疫抑制状態の患者では、生ワクチンの接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、本剤投与中の患者に生ワクチンを接種する場合、免疫機能を検査の上、十分な注意を払うこと。
8.2 本剤中止時又は全身作用の強いステロイド剤から本剤に変更する場合、血中のステロイド濃度の変化に伴い筋肉痛、関節痛等の症状があらわれることがある。まれに、疲労、頭痛、悪心、嘔吐等の症状があらわれることがあり、このような症状があらわれた場合には、副腎皮質機能抑制を疑い、必要に応じて一時的に全身作用の強いステロイド剤の投与を行うこと。
8.3 全身作用の強いステロイド剤から本剤に変更する場合に、鼻炎、湿疹等のアレルギー症状が顕在化することがあるので、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症の患者
症状が増悪するおそれがある。
9.1.2 B型肝炎ウイルスキャリアの患者
本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、他の副腎皮質ステロイド剤投与後にB型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度以上の肝機能障害のある患者
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。肝機能障害患者を対象とした本剤の臨床試験は実施していない。[16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で催奇形性及び胚・胎児への影響が認められている
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤は乳汁中へ移行するとの報告がある
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤調製時の注意
本剤を分割したり、乳鉢による粉砕は行わないこと。
14.2 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.3 薬剤投与時の注意
本剤は放出制御製剤であることより、かまずに服用すること。
14.4 薬剤投与後の注意
便中に錠剤が認められることがある。
本剤は、主として代謝酵素CYP3A4で代謝される。[16.4参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)(男性における夜間多尿による夜間頻尿)[2.2参照] | 低ナトリウム血症が発現するおそれがある。 | 機序不明。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、エリスロマイシン、シクロスポリン、コビシスタット等)[16.7参照] | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。 | CYP3A4による本剤の代謝が阻害されることにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| グレープフルーツ、グレープフルーツジュース[16.7参照] | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。 | 発現機序の詳細は不明であるが、グレープフルーツに含まれる成分が、CYP3A4を抑制するためと考えられる。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 2〜5%未満 | 2%未満 | 頻度不明 | |
| 感染症及び寄生虫症 | 乳房膿瘍、感染性腸炎、乳腺炎、口腔ヘルペス | インフルエンザ | |
| 血液及びリンパ系障害 | 白血球増加症 | ||
| 免疫性障害 | アナフィラキシー反応 | ||
| 内分泌障害 | クッシング様症状、小児の成長遅延 | ||
| 代謝及び栄養障害 | 低カリウム血症 | ||
| 精神障害 | 不眠症、睡眠障害 | 気分変化、神経過敏、気分動揺、うつ病、精神運動亢進、不安、攻撃性 | |
| 神経系障害 | 頭痛、浮動性めまい、振戦 | ||
| 眼障害 | 白内障、緑内障、霧視 | ||
| 心臓障害 | 動悸 | ||
| 胃腸障害 | 潰瘍性大腸炎増悪 | 腹部膨満、口唇炎 | 悪心、上腹部痛、腹痛、口内乾燥、消化不良、鼓腸 |
| 皮膚及び皮下組織障害 | ざ瘡、湿疹 | 蕁麻疹、発疹、斑状出血 | |
| 筋骨格系及び結合組織障害 | 筋肉痛、背部痛、筋痙縮 | ||
| 腎及び尿路障害 | 蛋白尿 | ||
| 生殖系及び乳房障害 | 月経障害 | ||
| 一般・全身障害及び投与部位の状態 | 末梢性浮腫 | 疲労 | |
| 臨床検査 | 白血球数増加、尿中白血球陽性 | 血中コルチゾール減少 |
コレチメント錠9mg 604.6円/錠
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投稿日: 2024/07/01 参考率: 100%(2人/2人)
内科/30代/処方経験なし