2.1 腎機能障害、肝機能障害、血液障害、心不全、潰瘍性大腸炎のある患者及び放射線療法後間もない患者[症状の悪化及び重篤な副作用があらわれることがある。][8.2、9.2.1、9.2.2、9.3.1、9.3.2、11.1.3、11.1.4参照]
2.2 金製剤による重篤な副作用の既往のある患者[再投与により重篤な副作用を起こすおそれがある。]
2.3 キレート剤(D-ペニシラミン)を投与中の患者[10.1参照]
2.4 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦[9.5、9.6参照]
関節リウマチ
下記の方法により、本剤を金チオリンゴ酸ナトリウムとして10mgから増量、毎週もしくは隔週に1回筋肉内注射するが、この間に効果発現をみた場合には適当な最低維持量の投与を維持する。
1)徐々に増量する方式
第1〜4週1回10mg
第5〜8週1回25mg
第9〜12週1回50mg
第13週以降1回50mg 場合によっては100mg
2)比較的急速に増量する方式
初期量1回10mg
2週間目1回25mg
3週間目以降1回50mg 場合によっては100mg
ただし、上記の用法・用量は大体の基準を示すものであり、年齢、体重、体質および症状に応じて適宜増減する。
8.1 投与開始に先立ち主な副作用について患者に説明するとともに、皮膚症状(そう痒感、皮疹)、口腔粘膜症状(金属臭・味、口内炎、舌炎)、出血傾向(皮下出血、その他)、呼吸器症状(乾性咳嗽、労作時の息切れ)、視力障害、消化器症状等異常が認められた場合には、速やかに主治医に連絡するよう指示することが望ましい。
8.2 本剤投与中は、定期的に血液検査(赤血球数、白血球数、白血球分画及び血小板数等)、肝機能検査〔AST・ALT、Al-P等〕、腎機能検査及び尿検査(尿蛋白、尿沈渣等)を行うことが望ましい。[2.1、9.2.1、9.2.2、9.3.1、9.3.2、11.1.3、11.1.4参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 金製剤による副作用の既往のある患者(重篤な副作用の既往のある患者を除く)
9.1.2 蕁麻疹、乾癬等慢性皮疹のある患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.3 薬物過敏症の既往のある患者
重篤な過敏症を起こすおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎機能障害のある患者
投与しないこと。症状の悪化及び重篤な副作用があらわれることがある。[2.1、8.2、11.1.4参照]
9.2.2 腎疾患の既往歴のある患者
腎症状を悪化させるおそれがある。[2.1、8.2、11.1.4参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝機能障害のある患者
投与しないこと。症状の悪化及び重篤な副作用があらわれることがある。[2.1、8.2参照]
9.3.2 肝疾患の既往歴のある患者
肝症状を悪化させるおそれがある。[2.1、8.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。本剤は胎盤を通過することが報告されている
9.6 授乳婦
本剤投与中は授乳を避けさせること。母乳中へ移行し乳児の機能障害を引き起こす可能性がある。[2.4、16.3.3参照]
9.7 小児等
9.7.1 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 低出生体重児、新生児
外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99〜234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。
9.8 高齢者
用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい。
金製剤による中毒症状があらわれた場合には、次の処置を考慮すること。
・直ちに投薬を中止する。
・軽〜中等度の皮膚粘膜症状にはステロイド外用剤の使用
・重症の場合ステロイド剤の全身投与(プレドニゾロン1日10〜40mgを分割投与)
・肺合併症やその他の合併症には、ステロイド剤の大量投与(プレドニゾロン1日40〜100mgを分割投与)を行うが、効果不十分の場合にはBAL等の投与も考える。
14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 筋肉内注射にあたっては組織、神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
・神経走行部位を避けるよう注意すること。
・注射針を刺入したとき激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
14.1.2 本剤の投与後少なくとも10分間は安静に保ち、観察を十分に行うこと。
15.2 非臨床試験に基づく情報
類似化合物(金チオグルコース)をマウスに400mg/kg 1回腹腔内に投与したところ、対照群に比較して肥満及び肥満に引き続く乳腺腫瘍発生増加が認められたとの報告がある。
20.1 光によって変化し着色することがあるので注意すること。
20.2 開封後は、なるべく短時間で使用するか、又は再度遮光紙で覆い、個装箱に入れた状態で保存すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| D-ペニシラミンメタルカプターゼ[2.3参照] | 併用により、重篤な血液障害を起こすおそれがある。 | 機序は不明両者に血液障害の作用がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 免疫抑制剤 | 併用により、血液障害発生の可能性が高まる。 | 機序は不明両者に血液障害の作用がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
そう痒、発汗、血管浮腫、呼吸困難等があらわれることがある。
11.1.2 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)、剥脱性皮膚炎(0.1〜5%未満)
皮膚粘膜眼症候群、剥脱性皮膚炎(初期症状:そう痒感、皮疹等)があらわれることがある。
11.1.3 再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少(0.1〜5%未満)、無顆粒球症(0.1%未満)、赤芽球癆(頻度不明)[2.1、8.2参照]
11.1.4 ネフローゼ症候群(膜性腎症等)(頻度不明)[2.1、8.2、9.2.1、9.2.2参照]
11.1.5 間質性肺炎、肺線維症(0.1%未満)、好酸球性肺炎(頻度不明)
本剤投与中に重篤な間質性肺炎があらわれることがあるので、乾性咳嗽、呼吸困難等の症状がみられた場合は、速やかに胸部X線検査を実施し、間質性肺炎が疑われる場合には、直ちに本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモンを投与するなど適切な処置を行うこと
11.1.6 気管支炎、気管支喘息発作の増悪(0.1%未満)
11.1.7 大腸炎(ときに劇症)(頻度不明)
11.1.8 角膜潰瘍、網膜出血(0.1%未満)
11.1.9 脳症、末梢性神経障害(頻度不明)、ミオキミア(0.1%未満)
脳症(錯乱、傾眠、痙攣等)、末梢性神経障害(多発性神経炎)、ミオキミアがあらわれることがある。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上又は頻度不明 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
| 皮膚・粘膜 | そう痒感、皮疹、皮膚炎、脱毛、口内炎、舌炎 | 色素沈着、結節性紅斑 | |
| 血液 | 好酸球増多 | ||
| 腎臓 | 蛋白尿、血尿等の腎障害、腎炎 | ||
| 肝臓 | 黄疸、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇 | ||
| 消化器 | 食欲不振、悪心・嘔吐、上腹部痛、消化管出血、下痢 | ||
| 眼 | 結膜炎、角膜金沈着症 | ||
| 亜硝酸塩様反応 | 注射直後の顔面潮紅、めまい、たちくらみ、霧視、発汗、悪心・嘔吐、衰弱感 | ||
| その他 | 浮腫、しびれ感、関節炎の増悪、発熱 |
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