本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
心筋梗塞の既往歴のある患者、虚血性心疾患又はその症状・兆候のある患者、異型狭心症(冠動脈攣縮)のある患者[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれることがある]
脳血管障害や一過性脳虚血性発作の既往のある患者[脳血管障害や一過性脳虚血性発作があらわれることがある]
末梢血管障害を有する患者[症状を悪化させる可能性が考えられる]
コントロールされていない高血圧症の患者[一過性の血圧上昇を引き起こすことがある]
重篤な肝機能障害を有する患者[9.3.1参照]
エルゴタミン、エルゴタミン誘導体含有製剤、あるいは他の5-HT
1B/1D受容体作動薬を投与中の患者[10.1参照]
モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)を投与中、あるいは投与中止2週間以内の患者[10.1、16.7.1参照]
○片頭痛
○群発頭痛
片頭痛及び群発頭痛発作の頭痛発現時に、通常、成人にはスマトリプタンとして1回3mgを皮下投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
ただし、1回3mg、1日6mgを超えないこと。
<片頭痛>
1回の頭痛発作において、初回投与で頭痛が軽減した場合には、24時間以内に起こった次の発作に対して追加投与することができるが、2回の投与の間には少なくとも1時間の間隔をおくこと。
<群発頭痛>
1日2回の発作に投与することができるが、2回の投与の間には少なくとも1時間の間隔をおくこと。
心血管系の疾患が認められない患者においても、重篤な心疾患が極めてまれに発生することがある。[9.1.1、11.1.2参照]
片頭痛あるいは本剤投与により眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事させないよう十分注意すること。
本剤を含むトリプタン系薬剤により、頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善を認めない場合には、「薬剤の使用過多による頭痛」
の可能性を考慮し、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。[11.1.4参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 虚血性心疾患の可能性のある患者
例えば、以下のような患者では不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれるおそれがある。[8.1、11.1.2参照]
・虚血性心疾患を疑わせる重篤な不整脈のある患者
・閉経後の女性
・40歳以上の男性
・冠動脈疾患の危険因子を有する患者
9.1.2 てんかん様発作の既往又は危険因子のある患者(脳炎等の脳疾患のある患者、痙攣の閾値を低下させる薬剤を使用している患者等)
てんかん様発作が発現したとの報告がある。[10.2、11.1.3参照]
9.1.3 スルホンアミド系薬剤に過敏症の既往歴のある患者
本剤はスルホンアミド基を有するため、交叉過敏症(皮膚の過敏症からアナフィラキシーまで)があらわれる可能性がある。[11.1.1参照]
9.1.4 コントロールされている高血圧症患者
一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇がみられたとの報告がある。
9.1.5 脳血管障害の可能性のある患者
脳血管障害があらわれるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
本剤は腎臓を介して排泄されるので、重篤な腎機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある。[16.5参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害患者
投与しないこと。本剤は主に肝臓で代謝されるので、重篤な肝機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある。[2.6参照]
9.3.2 肝機能障害患者(重篤な肝機能障害患者を除く)
中等度の肝機能障害患者に本剤を経口投与したとき、健康成人と比較して血中濃度が上昇した。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
本剤投与後12時間は授乳をしないことが望ましい。皮下投与後にヒト母乳中へ移行することが認められている(外国人データ)。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
高い血中濃度が持続するおそれがある。本剤は主として肝臓で代謝され、腎臓で排泄されるが、高齢者では肝機能あるいは腎機能が低下していることが多い。
13.1 処置
本剤の消失半減期は約2時間であり、少なくとも10時間、あるいは症状・徴候が持続する限り患者をモニターすること。[16.1.1参照]
14.1 薬剤交付時の注意
本剤は皮下注射のみに使用し、静脈内投与はしないこと。静脈内投与により血管攣縮をおこす可能性がある。
本剤は包装開封後も遮光袋に入れて保存すること。
本剤は、主としてMAO-Aで代謝される。[16.4、16.7.1参照]
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
エルゴタミン エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン) エルゴタミン誘導体含有製剤 ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩 エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリンF) メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(パルタンM) [2.7参照] | 血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。 本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以上の間隔をあけて投与すること。 | 5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
5-HT1B/1D受容体作動薬ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)エレトリプタン臭化水素酸塩(レルパックス)リザトリプタン安息香酸塩(マクサルト)ナラトリプタン塩酸塩(アマージ)[2.7参照] | 血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動型の片頭痛薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。 | 併用により相互に作用を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
MAO阻害剤[2.8、16.4、16.7.1参照] | 本剤の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度−時間曲線下面積(AUC)が増加するおそれがあるので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。 | MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
選択的セロトニン再取り込み阻害薬フルボキサミンマレイン酸塩パロキセチン塩酸塩水和物セルトラリン塩酸塩セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬ミルナシプラン塩酸塩デュロキセチン塩酸塩 | セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、頻脈、発熱、反射亢進、協調運動障害、下痢等)があらわれることがある。 | セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン濃度を上昇させる。よって本剤との併用により、セロトニン作用が増強する可能性が考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
痙攣の閾値を低下させる薬剤[9.1.2、11.1.3参照] | てんかん様発作がおこることがある。 | 痙攣の閾値を低下させる可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(いずれも1%未満)[9.1.3参照]
11.1.2 虚血性心疾患様症状(1%未満)
不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状があらわれることがある。本剤投与後に、胸痛、胸部圧迫感等の一過性の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)があらわれ、このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行うこと。[8.1、9.1.1参照]
(頻度不明)[9.1.2、10.2参照]
(頻度不明)[8.3参照]
発現頻度は使用成績調査の結果を含む。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
1%以上 | 1%未満 | 頻度不明 | |
過敏症 | 蕁麻疹、発疹等の皮膚症状 | ||
呼吸器 | 呼吸困難 | ||
循環器 | 頻脈、徐脈、一過性の血圧上昇、低血圧、動悸、レイノー現象 | ||
消化器 | 悪心、嘔吐 | 虚血性大腸炎 | |
眼 | ちらつき、視野狭窄 | 複視、眼振、暗点、一過性の視力低下 | |
精神神経系 | めまい、眠気、感覚障害(錯感覚、しびれなどの感覚鈍麻等) | 振戦、ジストニア | |
肝臓 | 肝機能障害 | ||
注射部位 | 痛み、腫脹 | 灼熱感、紅斑、挫傷、出血 | |
その他 | 痛み(胸痛、咽喉頭痛、頭痛、筋肉痛、関節痛、背部痛、頚部痛等)注)、熱感注) | 圧迫感注)、ひっ迫感注)、倦怠感、脱力感、潮紅 | 重感注)、冷感注) |
発現頻度は使用成績調査の結果を含む。
注)これらの症状は通常一過性であるが、ときに激しい場合があり、身体各部でおこる可能性がある。
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使いやすさ
投稿日: 2015/03/17 参考率: 100%(1人/1人)
麻酔科/60代/処方経験あり