本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
直接作用型第Xa因子阻害剤(アピキサバン、リバーロキサバン又はエドキサバントシル酸塩水和物)投与中の患者における、生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時の抗凝固作用の中和
通常、成人には、直接作用型第Xa因子阻害剤の種類、最終投与時の1回投与量、最終投与からの経過時間に応じて、アンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)として、以下のA法又はB法の用法及び用量で静脈内投与する。
A法
400mgを30mg/分の速度で静脈内投与し、続いて480mgを4mg/分の速度で2時間静脈内投与する。
B法
800mgを30mg/分の速度で静脈内投与し、続いて960mgを8mg/分の速度で2時間静脈内投与する。
8.1 本剤は、医学的に適切と判断される標準的対症療法の実施とともに使用すること。
8.2 止血後は、血栓塞栓症のリスクを低減するため、患者の状態を十分に観察し、抗凝固療法の再開の有益性と再出血のリスクを評価した上で、できる限り速やかに適切な抗凝固療法の再開を考慮すること。[11.1.1参照]
8.3 ヘパリン抵抗性を示すことがあるので、ヘパリンによる抗凝固が必要な手術・処置の状況下で本剤を投与するにあたっては、本剤投与の要否を慎重に判断すること。
周術期に本剤を使用し、ヘパリン抵抗性を示す症例が国内外で報告されている。その中には、ヘパリンの抗凝固作用が十分に得られず、人工心肺回路が血栓で閉塞し、重篤な転帰に至った症例も認められる。[10.2参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 血栓塞栓症のリスクの高い患者
以下のような患者等では血栓塞栓症の危険性が増大するおそれがあるため、本剤投与の可否は治療上の有益性と危険性を考慮して判断すること。[11.1.1参照]
・出血性イベントの発現前7日以内に乾燥濃縮人プロトロンビン複合体製剤、遺伝子組換え活性型血液凝固第VII因子製剤、全血製剤、新鮮凍結血漿又は血漿分画製剤の投与を受けた患者
・出血性イベントの発現前2週間以内に血栓塞栓症又は播種性血管内凝固の診断を受けた患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 投与に必要なバイアル数を準備する。本剤は無菌的に調製を行うこと。
14.1.2 20G以上の注射針を装着した注射筒を用いて、1バイアルあたり20mLの注射用水で溶解し、10mg/mLの濃度とする。
14.1.3 注射針をゴム栓の中央に刺入し、気泡が生じないように注射用水をバイアルの壁面に沿って流れるように静かに注入する。
14.1.4 バイアルを立てた状態でゆっくりと溶液を回転させて完全に溶解する。バイアルは振とうしないこと。
14.1.5 溶解液は無色〜微黄色の澄明〜わずかに乳白光を呈する液である。溶解液に微粒子や変色がないか目視で確認すること。微粒子又は変色が認められた場合には使用しないこと。
14.1.6 20G以上の注射針を装着した注射筒を用いて、投与量に応じて必要量の溶解液をバイアルから採取する。バイアルから採取した溶解液は希釈せずに使用すること。点滴バッグによる投与を行う場合は、ポリオレフィン製又はポリ塩化ビニル製の点滴バッグを用いることが望ましい。
14.1.7 用時調製し、調製後は速やかに使用すること。また、残液は廃棄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 輸液ポンプ又はシリンジポンプを用い、蛋白結合性の低い0.2又は0.22μmのインラインフィルター(ポリエーテルスルホン製等)を通して投与すること。
14.2.2 他の薬剤と混合しないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 第Xa因子阻害剤で治療中の患者を対象とした日本人を含む臨床試験において、本剤投与後30日目又は45日目のアンデキサネット アルファ及び第Xa因子に対する抗体測定例における陽性率は、それぞれ8.0%(25/314例)及び0.3%(1/287例)であったが、いずれも中和抗体は認められなかった。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 未分画ヘパリンヘパリンナトリウムヘパリンカルシウム低分子ヘパリンエノキサパリンナトリウムダルテパリンナトリウムパルナパリンナトリウム[8.3参照] | ヘパリンの抗凝固作用が減弱し、ヘパリン抵抗性を示すことがある。 | In vitroデータから、本剤がヘパリン−アンチトロンビンIII複合体に作用し、ヘパリンの抗凝固作用を減弱させることが示唆されている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フォンダパリヌクスナトリウム | フォンダパリヌクスの抗凝固作用が減弱することがある。 | In vitroデータから、本剤がフォンダパリヌクス−アンチトロンビンIII複合体に作用し、フォンダパリヌクスの抗凝固作用を減弱させることが示唆されている。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血栓塞栓症
虚血性脳卒中(1.5%)、
11.1.2 Infusion reaction(0.4%)
潮紅、熱感、咳嗽、呼吸困難等のInfusion Reactionがあらわれることがある。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 1%未満 | |
| 心臓障害 | 心停止 |
| 一般・全身障害及び投与部位の状態 | 発熱 |
オンデキサ静注用200mg 338671円/瓶
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