パルナパリンナトリウムに対し過敏症状又は過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[使用上の注意「5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項の(1)参照]
血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析・血液透析ろ過・血液ろ過)
本剤を直接又は生理食塩液により希釈して投与する。
出血性病変又は出血傾向を有しない患者の場合
通常、成人には体外循環開始時、パルナパリンナトリウムとして治療1時間あたり7〜13単位/kgを体外循環路内血液に単回投与する。なお、体外循環路内の血液凝固状況に応じ適宜増減する。
通常、成人には体外循環開始時、パルナパリンナトリウムとして15〜20単位/kgを体外循環路内血液に単回投与し、体外循環開始後は毎時6〜8単位/kgを抗凝固薬注入ラインより持続注入する。なお、体外循環路内の血液凝固状況に応じ適宜増減する。
出血性病変又は出血傾向を有する患者の場合
通常、成人には体外循環開始時、パルナパリンナトリウムとして10〜15単位/kgを体外循環路内血液に単回投与し、体外循環開始後は毎時6〜9単位/kgを抗凝固薬注入ラインより持続注入する。
本剤の使用にあたっては、観察を十分に行い、出血の増悪がみられた場合には減量又は投与を中止すること。
脊椎・硬膜外麻酔あるいは腰椎穿刺等との併用により、穿刺部位に血腫が生じ、神経の圧迫による麻痺があらわれるおそれがある。併用する場合には神経障害の徴候および症状について十分注意し、異常が認められた場合には直ちに適切な処置を行うこと。
本剤を過量投与した場合、出血性の合併症を引き起こすことがある。本剤の抗凝固作用を急速に中和する必要のある場合には、プロタミン硫酸塩を投与する。プロタミン硫酸塩1.2mgは本剤の100単位の効果を抑制する。(血液体外循環終了時に中和する場合には、反跳性の出血があらわれることがある。)
調製時
抗ヒスタミン剤は、本剤と試験管内で混合すると反応し沈澱を生じることがあるので、混注は避けること。
投与時
本剤は保存剤を含有しないので、開封後は速やかに使用し、分割使用は避けること。
透析器
本剤は、ヘモファン膜へ吸着することにより、抗凝固活性が低下するおそれがある。
類薬との互換性
本剤は未分画ヘパリンや他の低分子量ヘパリンと製造工程、分子量の分布が異なり、同一単位(抗第Xa因子活性)でも他のヘパリン類とは必ずしも互換性がないため、投与量の設定の際には本剤の用法・用量に従うこと。
外来透析患者では、穿刺部の止血を確認してから帰宅させること。
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)はヘパリン−血小板第4因子複合体に対する自己抗体(HIT抗体)の出現による免疫学的機序を介した病態であり、重篤な血栓症(脳梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等)を伴うことがある。HIT発現時に出現するHIT抗体は100日程度で消失〜低下するとの報告がある。また、投与終了数週間後に、HITが遅延して発現したとの報告もある。(「原則禁忌」の項(3)参照)
本剤は保存剤を含有しないので、分割使用は避けること。
安定性試験
長期保存試験(25℃、相対湿度60%、36ヶ月)の結果、パルナパリンNa透析用500単位/mLバイアル10mL「ILS」は、通常の市場流通下において、3年間安定であることが確認された。
他の薬剤との相互作用は、可能なすべての組み合わせについて検討されているわけではない。抗凝固療法施行中に新たに他剤を併用もしくは休薬する場合には、凝固能の変動に注意すること。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗凝固剤 | 本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 | 本剤の抗凝固作用と血液凝固因子の生合成阻害作用により相加的に出血傾向が増強される。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
サリチル酸誘導体アスピリン等 | 本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 | 本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
血小板凝集抑制剤チクロピジン塩酸塩ジピリダモール等 | 本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 | 本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
血栓溶解剤ウロキナーゼt-PA製剤等 | 本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 | 本剤の抗凝固作用とフィブリン溶解作用により相加的に出血傾向が増強される。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
非ステロイド性消炎剤 | 本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
糖質副腎皮質ホルモン剤 | 本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
デキストラン | 本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
テトラサイクリン系抗生物質強心配糖体ジギタリス製剤 | 本剤の作用が減弱することがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
筋弛緩回復剤スガマデクスナトリウム | 本剤の抗凝固作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を観察するとともに血液凝固に関する検査値に注意すること。 | 作用機序は不明であるが、スガマデクスナトリウム4mg/kgと抗凝固剤の併用中に活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)又はプロトロンビン時間(PT)の軽度で一過性の延長が認められている。 |
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
血小板減少(頻度不明)
本剤投与後にヘパリン起因性血小板減少症(HIT)等の著明な血小板減少があらわれることがある。また、類薬でHITに伴う血栓症の発現が報告されている。本剤投与後は血小板数を測定し、血小板数の著明な減少や血栓症を疑わせる異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、意識低下、呼吸困難、チアノーゼ、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
頻度不明 | |
血液 | 鼻出血、点状出血、貧血 |
過敏症注1) |
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皮膚 | 脱毛※、白斑※、出血性壊死※ |
肝臓 | AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、LDH上昇 |
長期投与 | 骨粗鬆症※、低アルドステロン症※ |
その他 | 胸部圧迫感、両頬のつっぱり感、頭痛、動悸 |
※類薬(ヘパリンナトリウム等)で報告されているが、頻度は不明である。
注1)このような場合には、投与を中止すること。なお、自発報告によるため、頻度は不明である。
パルナパリンNa透析用500単位/mLバイアル10mL「ILS」 809円/瓶
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