2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 重度腎機能障害(eGFR<30mL/分)のある患者[9.2.1参照]
褐色細胞腫のカテコールアミン分泌過剰状態の改善
通常、成人及び12歳以上の小児にはメチロシンとして1日500mgから経口投与を開始する。
効果不十分な場合は、経過を十分に観察しながら3日間以上の間隔をおいて1日250mg又は500mgずつ漸増し、患者の尿中カテコールアミン量及び症状の十分な観察のもと、適宜増減する。
ただし、1日最高用量は4,000mg、1回最高用量は1,000mg、投与間隔は4時間以上とし、1日500mgは1日2回、1日750mgは1日3回、1日1,000mg以上は1日4回に分割する。
8.1 本剤はカテコールアミンの低下作用を有するため、血圧低下があらわれることがある。本剤投与中は用量調節時等、定期的に尿中カテコールアミン量を測定するとともに血圧測定を行うこと。また、血圧低下のおそれがある場合には、交感神経受容体遮断薬、その他の降圧剤又は本剤の減量等の処置を考慮すること。[7.2参照]
8.2 鎮静、傾眠、錐体外路障害等があらわれることがあるので、本剤投与中は自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事しないよう指導すること。[11.1.1、11.1.3参照]
8.3 本剤を成分とする結晶尿があらわれることがあるので、1日1Lを目安に積極的な水分摂取を行うよう患者に指導し、定期的に尿検査を実施すること。本剤の1日量が2,000mgを超える場合は1日の排尿量が2L以上になるよう患者に指導すること。本剤による結晶尿があらわれた場合には、水分摂取量をさらに増やすこと。[11.1.5参照]
8.4 褐色細胞腫の手術前における本剤の臨床試験での使用経験は限られており、緊急手術前の使用経験がない。本剤を投与しても手術操作に伴う高血圧クリーゼ又は不整脈があらわれることがあるため、注意すること。
8.5 本剤の投与中止後に睡眠障害(不眠症、過覚醒、活力増進、精神運動亢進)があらわれることがあるので、これらの症状の発現に注意すること。
8.6 本剤の長期使用が必要な患者では、定期的に臨床検査(尿検査、血液検査、肝機能検査及び腎機能検査等)を実施すること。特に、腎機能障害のある患者では血中濃度が上昇するおそれがあるので、腎機能を定期的に検査することが望ましい。[7.4、9.2、16.6.1参照]
9.2 腎機能障害患者
本剤は主に腎臓で排泄されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。[7.5、8.6参照]
9.2.1 重度の腎機能障害患者(eGFR<30mL/分)
投与しないこと。使用経験がなく、本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。[2.2参照]
9.2.2 中等度の腎機能障害患者(eGFR≧30mL/分、<60mL/分)[7.4、16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は12歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。[7.5参照]
15.2 非臨床試験に基づく情報
本剤のがん原性試験は実施されていない。
無包装状態の本剤を高温・高湿度(30℃/75%)の条件下で保存したとき、外観変化が認められているので、開封後は高温、多湿を避けて保存すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 降圧剤 | 血圧低下を起こすおそれがあるので、減量するなど注意すること。 | 相互に降圧作用を増強することがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アルコール(飲酒) | 鎮静作用を増強するおそれがある。 | 相互に中枢神経抑制作用を増強するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 中枢神経系抑制剤(睡眠剤、麻酔剤、鎮静剤等) | 鎮静作用を増強するおそれがある。 | 相互に中枢神経抑制作用を増強するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フェノチアジン系抗精神病薬クロルプロマジン、レボメプロマジン、ペルフェナジン、フルフェナジン、プロクロルペラジン、プロペリシアジンハロペリドール | 錐体外路障害を増強するおそれがある。 | 相互に錐体外路障害を増強するおそれがある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 鎮静(12.5%)、傾眠(81.3%)[8.2参照]
11.1.2 精神障害
不安、不眠症、うつ病(いずれも6.3%)、幻覚、失見当識、錯乱状態(いずれも頻度不明)等の精神障害があらわれることがある。
11.1.3 錐体外路障害
流涎、会話障害、開口障害、パーキンソニズム(いずれも頻度不明)、振戦、運動緩慢、表情減少(いずれも6.3%)等の錐体外路障害があらわれることがある。[8.2参照]
11.1.4 下痢、軟便
下痢、軟便(いずれも6.3%)があらわれることがあり重症化する可能性がある。
11.1.5 結晶尿
本剤を成分とする結晶尿があらわれ、排尿障害、血尿(いずれも頻度不明)の症状があらわれることがある。結晶尿があらわれた場合には、十分な水分摂取を指示するとともに、本剤の減量、休薬又は投与中止等を考慮すること。[8.3参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 10%以上 | 10%未満 | 頻度不明 | |
| 血液及びリンパ系障害 | 貧血 | 好酸球増加症、血小板減少症、血小板増加症 | |
| 心臓障害 | 徐脈 | ||
| 胃腸障害 | 嘔吐 | 悪心、腹痛、唾液欠乏、口内乾燥 | |
| 全身障害 | 発熱 | 末梢性浮腫 | |
| 代謝及び栄養障害 | 食欲減退、アシドーシス、低カリウム血症 | ||
| 神経系障害 | 体位性めまい、浮動性めまい | 過覚醒、頭痛 | |
| 呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | 鼻閉、咽頭浮腫 | ||
| 皮膚及び皮下組織障害 | 蕁麻疹 | ||
| 血管障害 | 高血圧クリーゼ、起立性低血圧 | ||
| その他 | 乳房腫脹、乳汁漏出症、勃起不全、射精不能 | ||
| 臨床検査 | 体重増加 | 血中CK増加、血中コレステロール増加、血中トリグリセリド増加、尿中蛋白陽性、血圧低下 | AST増加 |
デムサーカプセル250mg 5961.9円/カプセル
m3.comにご登録済の方
薬剤名検索
薬剤情報提供:一般財団法人日本医薬情報センター 剤形写真提供:株式会社薬事日報社
・薬剤情報・剤形写真は月一回更新しておりますが、ご覧いただいた時点で最新情報ではない可能性がございます。 最新情報は、各製薬会社のWebサイトなどでご確認ください。
・投稿内容の中に適応外、承認用法・用量外の記載等が含まれる場合がありますが、エムスリー、製薬会社が推奨するものではありません。