白内障手術・眼内レンズ挿入術における手術補助
白内障手術・眼内レンズ挿入術を連続して施行する場合には、通常0.3〜0.6mLを前房内へ注入する。また、必要に応じて、眼内レンズのコーティングに約0.1mL使用する。ただし、白内障手術又は眼内レンズ挿入術のみを施行する場合には、以下のとおりとする。
白内障手術
通常0.1〜0.3mLを前房内へ注入する。
眼内レンズ挿入術
眼内レンズ挿入前に、通常0.1〜0.4mLを前房内へ注入する。また、必要に応じて、眼内レンズのコーティングに約0.1mL使用する。
8.1 注意深く、ゆっくりと注入すること。
8.2 過量に注入しないこと。術後の眼圧上昇の原因となる可能性がある。
8.3 超音波乳化吸引術を行う前に吸引灌流を行い、水晶体と本剤との間に灌流液で満たした空間を作ること。空間が不十分なまま超音波乳化吸引を行うとチップの閉塞により、灌流不全となり角膜熱傷を起こすことがある。
8.4 特に手術直後は、注意深く眼圧を観察すること。もし眼圧上昇があらわれた場合は適切な処置を行うこと。[7、9.1.2参照]
8.5 手術後、吸引灌流し、挿入したレンズの後方や前房隅角等眼内すべてから本剤を完全に除去すること。眼圧上昇を起こすことがある。[7、9.1.2、14.3参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分又は蛋白系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
9.1.2 緑内障、高眼圧症の患者
術後に著しい眼圧上昇を起こすおそれがある。[7、8.4、8.5参照]
14.1 薬剤使用時の注意
14.1.1 本剤は冷所に保存するので、使用に先立って室温に30分以上保つことが望ましい。
14.1.2 本剤の使用にあたっては、添付の滅菌済カニューレ(25G)を使用し、カニューレがシリンジに完全に装着したことを確認してから使用すること。装着が完全でないと、使用中にカニューレが外れ重大な事故が起こるおそれがある。
14.1.3 本剤の有効成分である精製ヒアルロン酸ナトリウムは、ベンザルコニウム塩化物等の第4級アンモニウム塩及びクロルヘキシジンにより沈殿を生じることがあるので十分注意すること。
14.1.4 本剤の開封後の使用は1回限りとし、残液は容器とともに廃棄すること。
14.2 添付の滅菌済カニューレの使用上の注意
14.2.1 本品はガンマ線滅菌され、1回限りの使用になっている。再使用はしないこと。
14.2.2 包装が破損しているものや、汚れているもの、製品そのものに異常が見られるものは使わないこと。
14.2.3 包装を開けたらすぐに使用し、使用後は処分すること。
14.3 除去方法
海外で実施された2種類の除去方法について、先発製剤(ヒーロンV0.6)での比較試験が実施されている。その結果、Behind the Lens(BTL)法群はRock'n Roll法群に比べて、術後早期の眼圧上昇が少なく(下表)、本剤の除去方法はBTL法を用いるのが望ましい。小瞳孔等によりBTL法を実施することが困難な場合は、Rock'n Roll法を用いて、除去を行う
| 術前 | 術後5時間 | 術後24時間 | |
| BTL法群 (n=80) |
15.9±2.7 | 22.4±7.6 | 16.8±4.3 |
| Rock'n Roll法群 (n=79) |
15.7±2.8 | 25.6±10.4 | 16.0±3.9 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | |
| 眼 | 眼圧上昇、角膜浮腫、近視、虹彩炎、角膜熱傷、炎症反応、嚢胞様黄斑浮腫、角膜混濁、前房出血、虹彩新生血管、虹彩後癒着、結膜癒着不全、散瞳、水晶体混濁、浅前房、疼痛、霧視、かゆみ |
| その他 | 嘔気・嘔吐、眼内レンズ表面の混濁 |
ヒーロンV眼粘弾剤2.3%シリンジ0.6mL 6476.4円/筒
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