抗血小板剤
| 一般名 |
プラスグレル塩酸塩
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|---|---|
| 製造/販売 | 第一三共 |
| 剤形/規格 |
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2.1 出血している患者(血友病、頭蓋内出血、消化管出血、尿路出血、喀血、硝子体出血等)[出血を助長するおそれがある。]
2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される下記の虚血性心疾患
○急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)
○安定狭心症、陳旧性心筋梗塞
通常、成人には、投与開始日にプラスグレルとして20mgを1日1回経口投与し、その後、維持用量として1日1回3.75mgを経口投与する。
8.1 本剤の薬理作用(血小板凝集抑制作用)を考慮し、以下の点に注意すること。
・初回負荷投与時に出血のリスクが高まる可能性があることを十分考慮すること。
・冠動脈造影前に初回負荷投与を行う場合は、本剤の血小板凝集抑制作用による出血のリスクが高まるので、穿刺部位等からの出血に十分注意すること。非ST上昇心筋梗塞患者を対象とした海外臨床試験において、海外での初回負荷用量をPCI施行時に単回投与した場合に比較し、冠動脈造影前及びPCI施行時に分割投与した場合に、更なる有効性は認められずPCI施行に関連した重大な出血リスクが増大したとの報告がある
・本剤による血小板凝集抑制が問題となるような手術の場合には、14日以上前に投与を中止することが望ましい。なお、十分な休薬期間を設けることができない場合は重大な出血のリスクが高まるので十分に観察すること。また、手術後に本剤の再投与が必要な場合には、手術部位の止血を確認してから再開すること。[17.1.1参照]
・出血を起こす危険性が高いと考えられる場合には、中止等を考慮すること。
・出血を示唆する臨床症状が疑われた場合には、直ちに血球算定等の適切な検査を実施すること。[11.1.1参照]
・患者には通常よりも出血しやすくなることを説明し、異常な出血が認められた場合には医師に連絡するよう指導すること。また、他院(他科)を受診する際には、本剤を服用している旨を医師に必ず伝えるよう患者に指導すること。
8.2 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)等の重大な副作用が発現することがあるので、投与開始後2ヵ月間は、2週間に1回程度の血液検査等の実施を考慮すること。[11.1.2参照]
8.3 ステント留置患者への本剤投与時には該当医療機器の添付文書の「警告」「有害事象」の項を必ず参照すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 出血傾向及びその素因のある患者(頭蓋内出血の既往のある患者)
出血を生じるおそれがある。
9.1.2 脳梗塞又は一過性脳虚血発作(TIA)の既往歴のある患者
海外臨床試験で、臨床用量を超える高用量において出血の危険性が増大したとの報告がある。[17.1.2参照]
9.1.3 高血圧が持続する患者
本剤投与中は十分な血圧コントロールを行うこと。出血のリスクが高まる。
9.1.4 他のチエノピリジン系薬剤(クロピドグレル等)に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤投与後に血管浮腫を含む過敏症を発現するおそれがある。
9.1.5 低体重の患者(体重50kg以下)
年齢、腎機能等の他の出血リスク因子及び血栓性イベントの発現リスクを評価した上で、必要に応じて減量も考慮すること。出血の危険性が増大するおそれがある。[7.4、17.1.4参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 高度の腎機能障害のある患者
出血の危険性が増大するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 高度の肝機能障害のある患者
凝固因子の産生が低下していることがあるので、出血の危険性が増大するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
動物実験(ラット)で胎児への移行が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有用性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
生理機能が低下しているので、出血の危険性が増大するおそれがある。
13.1 症状
本剤の過量投与により出血が生じるおそれがある。
13.2 処置
特異的な解毒剤は知られていないので、緊急措置が必要な場合は血小板輸血を考慮すること。
14.1 薬剤交付時の注意
<製剤共通>
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
<OD錠>
14.1.2 OD錠は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。
14.1.3 OD錠は寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。
15.2 非臨床試験に基づく情報
マウスに2年間経口投与した試験で、雄マウスの300mg/kg/日以上、雌マウスの100mg/kg/日以上の投与群で、肝腫瘍の発現増加が認められたとの報告がある。一方、ラットに2年間経口投与した試験では腫瘍の発生は認められていないとの報告がある。
<OD錠>
錠剤表面に使用色素による赤色又は黄色の斑点がみられることがある。また、アルミピロー開封後は湿気を避けて保存すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗凝固剤ワルファリン、ヘパリン、エドキサバン等血小板凝集抑制作用を有する薬剤アスピリン等血栓溶解剤ウロキナーゼ、アルテプラーゼ等 | これらの薬剤との併用により、出血の危険性を増大させるおそれがある。 | 相互に抗血栓作用を増強することが考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 非ステロイド性消炎鎮痛剤ロキソプロフェン、ナプロキセン等 | これらの薬剤との併用により、出血の危険性を増大させるおそれがある。 | 相互に抗血栓作用を増強することが考えられる。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 出血(1.2%)
頭蓋内出血(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)、消化管出血、心嚢内出血等の出血があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.2 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)(頻度不明)
TTPの初期症状(倦怠感、食欲不振、紫斑等の出血症状、意識障害等の精神・神経症状、血小板減少、破砕赤血球の出現を認める溶血性貧血、発熱、腎機能障害等)が認められた場合には、直ちに投与を中止し、血液検査(網赤血球、破砕赤血球の同定を含む)を実施し、必要に応じ血漿交換等の処置を行うこと。[8.2参照]
11.1.3 過敏症(頻度不明)
血管浮腫を含む過敏症があらわれることがある。
11.1.4 肝機能障害、黄疸(頻度不明)
11.1.5 無顆粒球症、再生不良性貧血を含む汎血球減少症(頻度不明)
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 1%以上 | 0.1〜1%未満 | |
| 血液 | 貧血 | 血小板数減少、好酸球数増加、白血球数減少 |
| 出血傾向 | 皮下出血(10.3%)、鼻出血、血尿、血管穿刺部位血腫、皮下血腫、穿刺部位出血、血腫、処置による出血、歯肉出血、便潜血、結膜出血、痔出血、創傷出血 | 喀血、胃腸出血、網膜出血、出血、上部消化管出血、口腔内出血、カテーテル留置部位出血、紫斑、硝子体出血、出血性腸憩室、下部消化管出血、点状出血、血管偽動脈瘤 |
| 肝臓 | 肝機能障害 | γ-GTP上昇、ALP上昇、ALT上昇、AST上昇 |
| 腎臓 | 腎機能障害 | |
| 精神神経系 | 浮動性めまい | |
| 消化器 | 下痢、便秘、悪心・嘔吐、胃食道逆流性疾患、腹痛、腹部不快感、胃炎 | |
| 過敏症 | 発疹 | 紅斑 |
| その他 | 尿酸上昇、末梢性浮腫、背部痛、血管穿刺部位腫脹、血中甲状腺刺激ホルモン増加、狭心症 |
エフィエント錠2.5mg 195.7円/錠
エフィエント錠3.75mg 275円/錠
エフィエント錠5mg 351.6円/錠
エフィエント錠20mg 1127.4円/錠
エフィエントOD錠20mg 1127.4円/錠
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