本剤の投与は、適応疾患の治療に精通している医師のもとで行うこと。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
○既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎
○気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)
○鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)
<アトピー性皮膚炎>
通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。
<気管支喘息>
通常、成人及び12歳以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。
<鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎>
通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを2週間隔で皮下投与する。なお、症状安定後には、1回300mgを4週間隔で皮下投与できる。
<効能共通>
本剤の投与によって合併する他のアレルギー性疾患の症状が変化する可能性があり、当該アレルギー性疾患に対する適切な治療を怠った場合、症状が急激に悪化し、喘息等では死亡に至るおそれもある。本剤の投与間隔変更後及び投与中止後の疾患管理も含めて、本剤投与中から、合併するアレルギー性疾患を担当する医師と適切に連携すること。患者に対して、医師の指示なく、それらの疾患に対する治療内容を変更しないよう指導すること。
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、適切に対処できるようにしておくこと。[11.1.1参照]
長期ステロイド療法を受けている患者において、本剤投与開始後にステロイド薬を急に中止しないこと。ステロイド薬の減量が必要な場合には、医師の管理下で徐々に行うこと。
本剤の臨床試験において、好酸球性肺炎及び好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の発現が認められている。本剤投与中は、好酸球数の推移、並びに血管炎性皮疹、肺症状の悪化、心臓合併症及びニューロパチー等に注意すること。
本剤はIL-4及びIL-13の阻害作用により2型免疫応答を抑制する。2型免疫応答は寄生虫感染に対する生体防御機能に関与している可能性がある。患者が本剤投与中に寄生虫感染を起こし、抗寄生虫薬による治療が無効な場合には、寄生虫感染が治癒するまで本剤の投与を一時中止すること。[9.1.1参照]
本剤投与中の生ワクチンの接種は、安全性が確認されていないので避けること。
本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療機関へ連絡するよう患者に指導を行うこと。使用済みの注射器を再使用しないよう患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導の徹底を行うとともに、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
<アトピー性皮膚炎>
本剤が疾病を完治させる薬剤でなく、本剤投与中も保湿外用剤等を併用する必要があることを患者に対して説明し、患者が理解したことを確認したうえで投与すること。
<気管支喘息>
本剤の投与開始後に喘息症状がコントロール不良であったり、悪化した場合には、医師の診療を受けるよう患者に指導すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 寄生虫感染患者
本剤を投与する前に寄生虫感染の治療を行うこと。[8.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは胎盤関門を通過することが知られている。また、本剤のサル相同抗体を妊娠カニクイザルへ投与した場合、胎盤を通過して胎児に移行することが確認されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁への移行は不明であるが、本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている。
9.7 小児等
<アトピー性皮膚炎>
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
<気管支喘息>
12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
<鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎>
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般的に生理機能(免疫機能等)が低下している。
14.1 薬剤投与前の注意
投与前に45分以上かけて室温に戻しておくことが望ましい。
溶液が白濁したり、着色したり、微粒子がみられた場合及びシリンジに損傷がみられた場合には本剤は使用しないこと。
投与直前まで本剤のキャップを外さないこと。キャップを外したら直ちに投与すること。
14.2 薬剤投与時の注意
皮下注射は腹部、大腿部又は上腕部に行うこと。腹部へ投与する場合は、へその周り5cmを外して投与すること。注射部位反応が報告されているので、同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。
正常な皮膚の部位に注射すること。皮膚が敏感な部位、皮膚に損傷、打撲や傷のある部位、アトピー性皮膚炎の強い炎症を伴う部位には注射しないこと。
他の薬剤と混合しないこと。
本剤は1回使用の製剤であり、再使用しないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
デュピルマブ300mg隔週投与の52週間投与後のアトピー性皮膚炎患者、気管支喘息患者又は鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者の約5%が抗薬物抗体(ADA)陽性反応を示し、約2%が持続するADA陽性反応を示し、約2%が中和抗体陽性であった。プラセボ群では約4%がADA陽性反応を示し、約2%が持続するADA陽性反応を示し、約1%が中和抗体陽性であった。高抗体価(10,000超)のADAの発現例(発現頻度0.6%未満)では、本剤の薬物動態及び有効性への影響が示唆された。加えて、高抗体価のADAに関連した血清病及び血清病様反応が認められた。
外箱開封後は遮光して保存すること。
本剤を温めたり、直射日光に晒さないこと。また、本剤を振とうしないこと。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な過敏症
アナフィラキシー(0.1%未満)が報告されている。血圧低下、呼吸困難、意識消失、めまい、嘔気、嘔吐、そう痒感、潮紅、血管性浮腫等があらわれる可能性がある。[8.2参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5%以上 | 5%未満 | 頻度不明 | |
感染症および寄生虫症 |
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眼障害 | アレルギー性結膜炎、眼瞼炎、眼乾燥 | 眼そう痒症 |
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血液およびリンパ系障害 | 好酸球増加症 | ||
注射部位 | 注射部位紅斑 | 注射部位反応、注射部位そう痒感、注射部位浮腫 | |
神経系障害 | 頭痛 | ||
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その他 | 発熱 | 血清病、血清病様反応、関節痛 |
デュピクセント皮下注300mgシリンジ 58593円/筒
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効果の強さ
投稿日: 2020/01/18 参考率: 100%(5人/5人)
皮膚科/50代/処方経験あり