高脂血症治療剤
| 一般名 |
ロミタピドメシル酸塩
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| 製造/販売 | レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン |
| 剤形/規格 |
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本剤投与により、肝機能障害が発現するため、肝機能検査を必ず投与前に行い、投与中においても投与開始から1年間は、増量前もしくは月1回のいずれか早い時期に肝機能検査(少なくともASTとALT)を実施すること。2年目以降は少なくとも3ヵ月に1回かつ増量前には必ず検査を実施すること。肝機能検査値の異常が認められた場合にはその程度及び臨床症状に応じて、減量又は投与中止等適切な処置をとること。[7.1、7.2、8.1、8.4、11.1.1参照]
2.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.4、9.5参照]
2.2 中等度又は重度の肝機能障害のある患者及び血清中トランスアミナーゼ高値が持続している患者[9.3.1、16.6.1参照]
2.3 中程度又は強いCYP3A阻害作用を有する薬剤を投与中の患者[10.1参照]
2.4 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
ホモ接合体家族性高コレステロール血症
通常、成人には、1日1回夕食後2時間以上あけて、ロミタピドとして5mgの経口投与から開始する。忍容性に問題がなく、効果不十分な場合には2週間以上の間隔をあけて10mgに増量する。さらに増量が必要な場合には、4週間以上の間隔で忍容性を確認しながら段階的に20mg、40mgに増量することができる。
8.1 肝機能検査を必ず投与前に行い、投与中においても投与開始から1年間は、増量前もしくは月1回のいずれか早い時期に肝機能検査(少なくともASTとALT)を実施すること。2年目以降は少なくとも3ヵ月に1回かつ増量前には必ず検査を実施すること。投与中に肝機能検査値の異常が認められた場合にはその程度及び臨床症状に応じて、減量又は投与中止等適切な処置をとること。[1.、7.1、7.2、8.4、11.1.1参照]
8.2 本剤投与により肝脂肪の増加が認められ、脂肪性肝炎や肝臓の線維化に至るおそれがあることから、投与中は定期的に超音波検査や血液検査等を行うこと。[11.1.1参照]
8.3 飲酒によって肝脂肪が増加し、肝機能障害を誘発又は悪化させるおそれがあるため、飲酒を控えるよう指導すること。
8.4 肝機能障害を生じるおそれのある他の薬剤と本剤を併用する場合には慎重に行い、肝機能検査をより頻回に実施することが望ましい。[1.、7.1、8.1参照]
8.5 本剤投与による胃腸障害を低減するため、本剤服用中は低脂肪食(脂肪由来のカロリーが摂取カロリーの20%未満)を摂取するよう指導すること。[7.3、11.1.2参照]
8.6 本剤投与によって小腸における脂溶性栄養素の吸収が低下するおそれがあるため、本剤服用中は、食事に加えてビタミンE、リノール酸、αリノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を毎日摂取するよう指導すること。[9.1.1参照]
8.7 本剤投与によりビタミンKの吸収が低下し、出血が発現するおそれがあるため、本剤投与時には、定期的にPT-INRを測定し、出血の発現に注意すること。[9.1.2、10.2参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 吸収不良をきたしやすい慢性の腸又は膵疾患を有する患者
脂溶性栄養素欠乏のリスクが高まるおそれがある。[8.6参照]
9.1.2 出血傾向及びその素因のある患者
出血の危険性が増大するおそれがある。[8.7、10.2参照]
9.2 腎機能障害患者
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。[7.5、16.6.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度又は重度の肝機能障害のある患者及び血清中トランスアミナーゼ高値が持続している患者
投与しないこと。肝機能障害を増悪させるおそれがある。また、本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。[2.2、16.6.1参照]
9.3.2 軽度の肝機能障害のある患者
肝機能障害を増悪させるおそれがある。また、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。[7.4、16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
本剤の投与に際しては、妊娠する可能性のある女性に対して以下について説明及び指導し、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に妊娠検査を行い、妊娠していないことを確認すること。[2.1、9.5参照]
・妊娠中に本剤を服用した場合に胎児に影響を及ぼすおそれがあること。
・避妊薬単独での避妊を避けること。なお、本剤を服用中に嘔吐や下痢が発現した場合に経口避妊薬からのホルモン吸収が不完全になるおそれがあること。
・妊娠した場合もしくは疑いがある場合には直ちに医師に連絡すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット、フェレット)で催奇形性(臍ヘルニア、内臓奇形、四肢奇形、骨格異常等)が認められており、このときのラットの曝露量は臨床曝露量(AUC0-24換算)と同等以下であった
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中への移行は不明である。
9.7 小児等
9.7.1 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 幼若ラットを用いた反復毒性試験において、性成熟遅延(包皮分離や膣開口の遅延)及び運動機能低下(後肢握力低下)が認められている
9.8 高齢者
一般に、生理機能が低下していることが多い。
15.2 非臨床試験に基づく情報
マウスを用いたがん原性試験
20.1 開封後は、キャップを閉め、高温、多湿を避け保管すること。
20.2 無包装状態での安定性を確認していないため、気密容器以外に分包しないこと。
本剤は、主に肝代謝酵素CYP3Aで代謝される。本剤はCYP3A、CYP2C9、P-糖タンパク質(
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強いCYP3A阻害剤クラリスロマイシン(クラリス)インジナビル(クリキシバン)イトラコナゾール(イトリゾール)ネルフィナビル(ビラセプト)サキナビル(インビラーゼ)テラプレビル(テラビック)ボリコナゾール(ブイフェンド)リトナビル含有製剤(ノービア、カレトラ、ヴィキラックス)コビシスタット含有製剤(スタリビルド)[2.3、16.7.2参照] | 本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。 | これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 中程度のCYP3A阻害剤アプレピタント(イメンド)アタザナビル(レイアタッツ)シプロフロキサシン(シプロキサン)クリゾチニブ(ザーコリ)ジルチアゼム(ヘルベッサー)エリスロマイシン(エリスロシン)フルコナゾール(ジフルカン)ホスアンプレナビル(レクシヴァ)イマチニブ(グリベック)ベラパミル(ワソラン)ミコナゾール(ゲル剤・注射剤)(フロリードゲル経口用、フロリードF注)トフィソパム(グランダキシン)[2.3、16.7.2参照] | 本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。 | これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 弱いCYP3A阻害剤アトルバスタチン、シメチジン、シロスタゾール、経口避妊薬、イストラデフィリン等[16.7.2参照] | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤を減量した上で、患者の状態を確認しながら慎重に投与すること。 | これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A誘導剤リファンピシン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、モダフィニル等[16.7.2参照] | 本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、患者の状態を確認しながら慎重に投与すること。 | これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3Aの基質となる薬剤シンバスタチン、トリアゾラム、ロスバスタチン等[16.7.3参照] | CYP3Aの基質の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤と併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の減量を考慮すること。 | 本剤がCYP3Aを阻害することにより、CYP3Aの基質の代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ワルファリン[16.7.3参照] | ワルファリンの血中濃度が上昇し、PT-INRが上昇するおそれがある。ワルファリンを服用している患者ではPT-INRを定期的に測定し、特に本剤の用量を変更した場合は必ずPT-INRを測定すること。PT-INRに応じてワルファリンの用量を調節すること。 | 本剤がCYP2C9を阻害することにより、ワルファリンの代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| P-糖タンパク質の基質となる薬剤コルヒチン、ジゴキシン、フェキソフェナジン等[16.7.1参照] | P-糖タンパク質による消化管からの排泄が阻害され、P-糖タンパク質の基質となる薬剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤と併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の減量を考慮すること。 | 本剤がP-糖タンパク質を阻害することにより、P-糖タンパク質の基質の排泄が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 陰イオン交換樹脂コレスチラミン等 | 本剤の血中濃度が低下するおそれがあるため、本剤と併用する場合は間隔をあけて服用すること。 | 同時に服用した場合に、本剤の吸収が遅延するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| グレープフルーツジュース | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。本剤投与中はグレープフルーツジュースの摂取は避けること。 | グレープフルーツに含まれる成分により、本剤の代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗凝固剤ヘパリン、エドキサバン、ワルファリン等血栓溶解剤ウロキナーゼ、アルテプラーゼ等血小板凝集抑制作用を有する薬剤アスピリン、クロピドグレル等[8.7、9.1.2参照] | 出血の危険性を増大させるおそれがある。併用する場合には、患者の状態を十分に観察する等注意すること。 | 本剤投与により、ビタミンKの吸収が低下し、これらの薬剤による出血の危険性が増大するおそれがある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 肝炎(頻度不明)、肝機能障害(44.4%)
肝炎、AST、ALTの上昇があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査等の観察を十分に行うこと。[1.、7.1、7.2、7.4、8.1、8.2参照]
11.1.2 胃腸障害(100%)
重度の下痢等、胃腸障害があらわれることがある。[7.3、8.5参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 10%以上注2) | 5〜10%未満注2) | 5%未満注2) | 頻度不明注1) | |
| 胃腸障害 | 腹部不快感、腹部膨満、腹痛、上腹部痛、下痢、消化不良、放屁、悪心、嘔吐 | 便秘、便意切迫、胃炎、胃腸音異常、胃食道逆流性疾患、直腸しぶり | 下腹部痛、空気嚥下、おくび、軟便、胃拡張、胃障害、痔出血 | 腹部圧痛、便通不規則、口の乾燥、嚥下障害、便失禁、変色糞、胃腸障害、胃腸痛、血便、過敏性腸症候群、直腸出血 |
| 一般・全身障害及び投与部位の状態 | 疲労、倦怠感 | 無力症、胸痛、悪寒、異常感、歩行困難、空腹、インフルエンザ様疾患、疼痛、末梢腫脹、発熱 | ||
| 肝胆道系障害 | 脂肪肝 | 肝腫大 | ||
| 感染症及び寄生虫症 | 胃腸炎 | 気管支炎、ウイルス性胃腸炎、感染、インフルエンザ、鼻咽頭炎、肺炎、副鼻腔炎、上気道感染症、尿路感染、ウイルス性感染 | ||
| 臨床検査 | 体重減少、ALT増加 | AST増加、肝機能検査異常 | ALP増加、カリウム減少、INR異常、トランスアミナーゼ上昇 | 血中ビリルビン上昇、血中コレステロール増加、血中CK上昇、血中ブドウ糖減少、血中ブドウ糖上昇、血圧上昇、血中トリグリセライド上昇、血中尿素増加、ヘモグロビン減少、心拍数増加、肝酵素上昇、高比重リポ蛋白減少、体重増加 |
| 代謝及び栄養障害 | 食欲減退 | 脱水、体重変動 | ||
| 神経系障害 | 頭痛 | めまい、片頭痛 | 平衡障害、脳血管障害、味覚障害、嗜眠、意識消失、錯感覚、痙攣発作、傾眠 | |
| 皮膚及び皮下組織障害 | 薬疹、斑状出血、湿疹、丘疹、アレルギー性そう痒症、発疹、紅斑性皮疹 | 脱毛症、紅斑、毛髪異常成長、多汗症、そう痒症、蕁麻疹 | ||
| 血液及びリンパ系障害 | 鉄欠乏性貧血 | 貧血、血液疾患、内出血発生の増加傾向、リンパ節症 | ||
| 筋骨格系及び結合組織障害 | 筋肉痛 | 関節痛、背部痛、関節硬直、筋萎縮、筋攣縮、筋力低下、筋骨格系胸痛、筋骨格系不快感、筋骨格痛、筋骨格硬直、四肢痛 | ||
| 心臓障害 | 狭心症、冠動脈狭窄、心筋梗塞、心筋虚血、動悸 | |||
| 耳および迷路障害 | 耳鳴 | |||
| 免疫系障害 | 過敏症 | |||
| 精神障害 | 異常な夢、怒り、不安、うつ病、初期不眠症、不眠症 | |||
| 腎および尿路障害 | 頻尿 | |||
| 呼吸器、胸郭および縦隔障害 | 咳嗽、呼吸困難、鼻出血、口腔咽頭痛、鼻漏、咽喉刺激感 | |||
| 血管障害 | 潮紅、ほてり、高血圧、低血圧、血栓症 |
注1)海外の自発報告のみで認められている副作用については、頻度不明とした。
注2)国内第III相試験及び海外第III相試験より算出した。
ジャクスタピッドカプセル5mg 81160.4円/カプセル
ジャクスタピッドカプセル10mg 92815.6円/カプセル
ジャクスタピッドカプセル20mg 105660.9円/カプセル
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