妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[動物実験で催奇形作用が報告されている。「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
心原性ショックの患者[血圧低下により症状が悪化するおそれがある。]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
高血圧症
通常、成人にはフェロジピンとして1回2.5〜5mgを1日2回朝夕経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、効果不十分な場合には、1回10mgを1日2回まで増量することができる。
カルシウム拮抗剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意すること。
本剤の投与により、まれに過度の血圧低下(めまい、ふらつき、失神等)を起こすおそれがあるので、そのような場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
大動脈弁狭窄、僧帽弁狭窄のある患者[血管拡張作用により過度の血圧降下が起こるおそれがある。]
肝機能障害のある患者[血中濃度が上昇することがある。]
高齢者[過度の降圧により脳梗塞等が起こるおそれがある。「5.高齢者への投与」の項参照]
本剤の過量投与により著明な低血圧、ときに徐脈を伴う過度の末梢血管拡張を起こす可能性がある。
重篤な低血圧が発現した場合には補液等の対症療法を行う。また、徐脈に対してはアトロピンの静脈内投与を考慮する。
なお、本剤は血液透析によって除去できない。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 他の降圧剤トリクロルメチアジドカプトプリル 等 | 相互に作用を増強するおそれがある。 | 薬理作用が異なる降圧剤の併用により降圧作用が増強される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| メトプロロール | メトプロロールの血中濃度が上昇することがある。 | 本剤の血管拡張作用により肝血流量を増加させ、メトプロロールの初回通過による消失を減少させると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ジゴキシン | ジゴキシンの血中濃度が上昇することがある。 | 本剤がジゴキシンの腎クリアランスを低下させることにより、ジゴキシンの血中濃度を上昇させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シメチジンエリスロマイシンイトラコナゾール | 本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強することがある。 | シメチジン、エリスロマイシン、イトラコナゾールが本剤の代謝酵素を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フェニトインカルバマゼピンバルビツール酸誘導体 | 本剤の血中濃度が低下し、本剤の作用が減弱することがある。 | フェニトイン、カルバマゼピン、バルビツール酸誘導体が本剤の代謝酵素を誘導することにより、本剤の血中濃度を低下させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファンピシン | 他のカルシウム拮抗剤(ニフェジピン等)の作用が減弱することが報告されている。 | リファンピシンが代謝酵素を誘導することにより、ニフェジピン等の血中濃度を低下させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| HIVプロテアーゼ阻害剤リトナビルサキナビル 等 | 本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。 | HIVプロテアーゼ阻害剤は主としてCYP3A4で代謝を受け、本剤も主として同酵素で代謝を受けるため、競合阻害により本剤の血中濃度を上昇させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| タクロリムス | タクロリムスの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。患者の状態を注意深く観察し、必要に応じてタクロリムスの用量を調節すること。 | 本剤とタクロリムスが同一の代謝酵素で代謝されるため、競合的阻害により、タクロリムスの血中濃度を上昇させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| グレープフルーツジュース | 本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下等の症状が認められた場合には、本剤を減量するなど適切な処置を行う。またグレープフルーツジュースとの同時服用をしないよう指導すること。 | グレープフルーツジュースに含まれる成分が本剤の小腸での代謝(CYP3A4)を抑制し、クリアランスを低下させるためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 | セイヨウオトギリソウが本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導すると考えられる。 |
承認時までの調査(820例)及び市販後の使用成績調査(2,970例)の安全性評価対象合計3,790例中453例(12.0%)に757件の臨床検査値異常を含む副作用が発現した。
主な副作用は、ほてり120件(3.2%)、頭痛・頭重82件(2.2%)、動悸59件(1.6%)、めまい・ふらつき57件(1.5%)等であった。
また、高齢者(65歳以上)への使用経験1,726例における副作用発現症例は165例(9.6%)であり、その内訳はほてり35件(2.0%)、めまい・ふらつき20件(1.2%)等であった。(再審査終了時)
血管浮腫(0.1%未満)
血管浮腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常がみとめられた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
| 1〜5%未満 | 0.1〜1%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
| 肝臓 注) | AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-P、LDHの上昇 | |||
| 腎臓 | BUN、クレアチニンの上昇 | |||
| 血液 注) | 貧血 | |||
| 循環器 | ほてり、動悸 | 胸部圧迫感、頻脈 |
息切れ | |
| 精神神経系 | 頭痛・頭重、めまい・ふらつき |
|
いらいら感 | 知覚異常 |
| 消化器 | 嘔気・嘔吐、便秘、胃部不快感、腹痛、口渇 | 胃のもたれ、胸やけ、食欲低下、下痢 | ||
| 過敏症 注) | 発疹 | そう痒 | 蕁麻疹、光線過敏症、白血球破砕性血管炎 | |
| 口腔 注) | 歯肉炎 | 歯肉肥厚 | ||
| その他 | 末梢性浮腫、肩こり、頻尿、CK(CPK)の上昇、総コレステロールの上昇、トリグリセライドの上昇 | こむらがえり、脱力感、手指振戦、咳嗽、喉の違和感、発汗、流涙、眼球充血、血清カリウムの低下 | 関節痛、筋肉痛、発熱、勃起不全・性機能障害 |
注)このような症状が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
備考
発現頻度は、承認時までの調査及び使用成績調査の合計より算出した。なお、承認時及び使用成績調査で認められなかった副作用については頻度不明とした。
ムノバール2.5mg錠
ムノバール5mg錠
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