本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「5.効能又は効果に関連する注意」及び「7.用法及び用量に関連する注意」の項を熟読の上、適正使用に努めること。
本剤の成分又はポリミキシンBに対し過敏症の既往歴のある患者
<適応菌種>
コリスチンに感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、緑膿菌、アシネトバクター属
ただし、他の抗菌薬に耐性を示した菌株に限る
<適応症>
各種感染症
通常、成人には、コリスチンとして1回1.25〜2.5mg(力価)/kgを1日2回、30分以上かけて点滴静注する。
本剤の使用は、感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か否か判定し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
本薬の投与により腎機能障害が発現し、腎不全に至ったとの報告があるので、投与開始にあたっては、腎機能を評価し、投与期間中は3日ごとを目安に腎機能のモニタリングを行うこと。[7.2、9.2、11.1.1参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 重症筋無力症の患者
本剤の神経筋遮断作用により症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
本剤は主に腎排泄されるため高い血中濃度が持続するおそれがある。[7.2、8.4、16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。コリスチンメタンスルホン酸はヒト胎盤を通過することが報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。コリスチンメタンスルホン酸はヒト母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
腎機能に十分注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多い。[7.2参照]
13.1 症状
本剤の過量投与により神経筋接合部が遮断され、筋力低下、無呼吸、場合によっては呼吸停止が引き起こされる可能性がある。また、尿量減少、血清BUN及びクレアチニン濃度の上昇を特徴とする急性腎障害が引き起こされる可能性もある。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 調製方法
本剤1バイアルに注射用水又は生理食塩液2mLを加え、泡立たないように穏やかに溶解し溶解液とする(溶解液の濃度は75mg(力価)/mLである)。この溶解液を生理食塩液等で希釈し、通常50mLの点滴静注用液とする。
14.1.2 調製後
調製後の溶解液は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも、冷蔵庫(2〜8℃)に保存し24時間以内に使用すること。希釈した点滴静注用液は速やかに使用し、残液は廃棄すること。
本剤を他の薬剤と配合しないこと。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
筋弛緩剤ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物スキサメトニウム塩化物水和物ボツリヌス毒素製剤筋弛緩作用を有する薬剤アミノグリコシド系抗生物質ゲンタマイシン硫酸塩、アミカシン、トブラマイシン等ポリミキシンB硫酸塩エーテル | 神経系障害を発現するリスクが高まるおそれがあるため、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。 | いずれの薬剤も神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強されるおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
バンコマイシン塩酸塩アミノグリコシド系抗生物質 等 | 腎機能障害があらわれることがあるので、併用の必要性については十分に検討すること。 | いずれの薬剤も腎機能障害を悪化させる作用を有しており、併用によりその作用が増強するおそれがある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 腎不全、腎機能障害(いずれも頻度不明)
腎不全等の重篤な腎機能障害があらわれることがある。[8.4参照]
11.1.2 呼吸窮迫、無呼吸(いずれも頻度不明)
神経系障害として呼吸窮迫、無呼吸があらわれることがある。
(頻度不明)
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
頻度不明 | |
腎臓 | 尿量減少 |
精神神経系 | 錯乱、精神病性障害、運動失調、不明瞭発語、錯感覚、頭痛、浮動性めまい |
耳 | 回転性めまい |
眼 | 視覚障害 |
筋骨格系 | 筋力低下 |
消化器 | 悪心、嘔吐、下痢 |
皮膚 |
|
全身症状 | 過敏症反応(皮疹、血管性浮腫)、発熱 |
投与部位 | 注射部位反応、注射部位刺激感 |
オルドレブ点滴静注用150mg 8414円/瓶
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