下記疾患における制酸作用と症状の改善
胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急性・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)
便秘症
尿路シュウ酸カルシウム結石の発生予防
制酸剤として使用する場合
酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.5〜1.0gを数回に分割経口投与する。
緩下剤として使用する場合
酸化マグネシウムとして、通常成人1日2gを食前又は食後の3回に分割経口投与するか、又は就寝前に1回経口投与する。
尿路シュウ酸カルシウム結石の発生予防に使用する場合
酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.2〜0.6gを多量の水とともに経口投与する。
なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。
本剤の投与により、高マグネシウム血症があらわれることがある。
長期投与
腎障害のある患者〔高マグネシウム血症を起こすおそれがある。〕(「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
心機能障害のある患者〔徐脈を起こし、症状が悪化するおそれがある。〕
下痢のある患者〔症状が悪化するおそれがある。〕
高マグネシウム血症の患者〔症状が悪化するおそれがある。〕
徴候、症状
血清マグネシウム濃度が高値になるにつれ、深部腱反射の消失、呼吸抑制、意識障害、房室ブロックや伝導障害等の不整脈、心停止等が現れることがある。(初期症状は「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
処置
大量服用後の間もない場合には、催吐並びに胃洗浄を行う。中毒症状が現れた場合には、心電図並びに血清マグネシウム濃度の測定等により患者の状態を十分に観察し、症状に応じて適切な処置を行うこと(治療にはグルコン酸カルシウム静注が有効であるとの報告がある)。なお、マグネシウムを除去するために血液透析が有効である。
長期・大量投与により胃・腸管内に結石を形成し、腸閉塞を起こしたとの報告がある。
本品は空気中で湿気および二酸化炭素を吸収するので、注意すること。
本剤は吸着作用、制酸作用等を有しているので、他の薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがある。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン、ミノサイクリン等)ニューキノロン系抗菌剤(シプロフロキサシン、トスフロキサシン等)ビスホスホン酸塩系骨代謝改善剤(エチドロン酸二ナトリウム、リセドロン酸ナトリウム等) | これらの薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること。 | マグネシウムと難溶性のキレートを形成し、薬剤の吸収が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| セフジニル セフポドキシム プロキセチル ミコフェノール酸モフェチルデラビルジンザルシタビンペニシラミン | これらの薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること。 | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アジスロマイシンセレコキシブロスバスタチンラベプラゾールガバペンチン | これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。 | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ジギタリス製剤(ジゴキシン、ジギトキシン等)鉄剤フェキソフェナジン | これらの薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、服用間隔をあけるなど注意すること。 | マグネシウムの吸着作用または消化管内・体液のpH上昇によると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ポリカルボフィルカルシウム | ポリカルボフィルカルシウムの作用が減弱するおそれがある。 | ポリカルボフィルカルシウムは酸性条件下でカルシウムが脱離して薬効を発揮するが、本剤の胃内pH上昇作用によりカルシウムの脱離が抑制される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 高カリウム血症改善イオン交換樹脂製剤(ポリスチレンスルホン酸カルシウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム) | これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。また、併用によりアルカローシスが現れたとの報告がある。 | マグネシウムがこれらの薬剤の陽イオンと交換するためと考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 活性型ビタミンD3製剤(アルファカルシドール、カルシトリオール) | 高マグネシウム血症を起こすおそれがある。 | マグネシウムの消化管吸収および腎尿細管からの再吸収が促進するためと考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 大量の牛乳カルシウム製剤 | Milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)が現れるおそれがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止すること。 | 機序:代謝性アルカローシスが持続することにより、尿細管でのカルシウム再吸収が増加する。危険因子:高カルシウム血症、代謝性アルカローシス、腎機能障害のある患者。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ミソプロストール | 下痢が発現しやすくなる。 | ミソプロストールは小腸の蠕動運動を亢進させ、小腸からの水・Naの吸収を阻害し、下痢を生じさせる。本剤には緩下作用があるので、両者の併用で下痢が発現しやすくなる。 |
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
高マグネシウム血症(頻度不明)
本剤の投与により、高マグネシウム血症が現れ、呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることがある。
悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等の症状の発現に注意するとともに、血清マグネシウム濃度の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(処置法は「6.過量投与」の項参照)
| 頻度不明 | |
| 消化器 | 下痢等 |
| 電解質 注) | 血清マグネシウム値の上昇 |
注)観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量または休薬等の適切な処置を行うこと。
酸化マグネシウム「ヤマゼン」M 1.03円/g
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