<効能共通>
1.1 本剤の治療開始後数日から、重篤な低カルシウム血症があらわれることがあり、死亡に至った例が報告されている。本剤の投与に際しては、頻回に血液検査を行い、観察を十分に行うこと。本剤による重篤な低カルシウム血症の発現を軽減するため、血清補正カルシウム値が高値でない限り、カルシウム及びビタミンDの経口補充のもとに本剤を投与すること。[7.2参照]
1.2 重度の腎機能障害患者では低カルシウム血症を起こすおそれが高いため、慎重に投与すること。[9.2.1参照]
1.3 本剤投与後に低カルシウム血症が認められた場合には、カルシウム及びビタミンDの経口投与に加えて、緊急を要する場合には、カルシウムの点滴投与を併用するなど、適切な処置を速やかに行うこと。[11.1.1参照]
<骨巨細胞腫>
1.4 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、骨巨細胞腫の診断及び治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ行うこと。
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
○多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変
○骨巨細胞腫
<多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変>
通常、成人にはデノスマブ(遺伝子組換え)として120mgを4週間に1回、皮下投与する。
<骨巨細胞腫>
通常、デノスマブ(遺伝子組換え)として120mgを第1日、第8日、第15日、第29日、その後は4週間に1回、皮下投与する。
<効能共通>
8.1 本剤はプラリアと同一成分(デノスマブ)を含むため、本剤投与中の患者にはプラリアの投与を避けること。
8.2 低カルシウム血症があらわれることがあるので、本剤投与開始前に、血清カルシウム、リン等の血清電解質濃度を測定すること。血清補正カルシウム値を確認し、低カルシウム血症が認められた場合には、低カルシウム血症を是正した後に、本剤の投与を開始すること。[9.1.1、11.1.1参照]
8.3 治療開始後数日から、低カルシウム血症があらわれることがある。本剤投与後は、患者の状態に注意し、頻回に血清カルシウム、リン等の血清電解質濃度を測定すること。[11.1.1参照]
8.4 顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあり、本剤の長期投与により顎骨壊死の発現率の増加が認められている。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に歯科処置が必要になった場合には、できる限り非侵襲的な歯科処置を受けるよう指導すること。また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。[11.1.2参照]
<多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変>
8.6 本剤の投与は、がん治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 低カルシウム血症の患者又は低カルシウム血症を起こすおそれのある患者
低カルシウム血症が発現又は増悪するおそれがある。[8.2参照]
9.1.2 肺転移を有する骨巨細胞腫患者
気胸が発現するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害のある患者
低カルシウム血症を起こすおそれがある。本剤の第III相臨床試験では、クレアチニンクリアランス値が30mL/min未満の重度腎疾患患者及び透析の必要な末期腎不全患者は対象から除外されている。[1.2、17.3.1参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び最終投与後一定期間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
動物実験では、サルに妊娠20日から分娩時まで本剤(50mg/kg/4週)を皮下投与した結果、死産の増加、出生児の分娩後死亡の増加、骨・歯の異常、末梢リンパ節の欠損が認められた。[2.2、9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有用性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、ヒトIgGは乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.7.1 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤を投与した若齢サルにおいて、骨端成長板の異常が認められた。RANKL注)を阻害すると、ラット新生児の骨成長及び歯の萌出が抑制されることが示されている。[5.1参照]
注)RANKL:receptor activator for nuclear factor-κB ligand
9.7.2 骨端線閉鎖を伴わない骨格が未成熟な患者において、本剤治療中止後(数週間から数ヵ月後)に、急性腎障害、悪心・嘔吐等の臨床症状を伴う重篤な高カルシウム血症が発現した例が報告されている。[5.1参照]
9.8 高齢者
一般に、生理機能が低下していることが多い。
14.1 薬剤投与前の注意
冷蔵保存(2〜8℃)下から室温に戻した後、使用すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 皮下注射は、上腕、大腿又は腹部に行うこと。
14.2.2 投与の際には、27ゲージの注射針の使用が推奨される。
14.2.3 注射針が血管内に刺入していないことを確認すること。
15.1 臨床使用に基づく情報
臨床試験において、3,508例中15例(0.4%)で本剤に対する結合抗体が認められたが、中和抗体の産生は認められなかった。
外箱開封後は遮光して保存すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<効能共通>
11.1.1 低カルシウム血症(5.6%)
QT延長、痙攣、テタニー、しびれ、失見当識等の症状を伴う低カルシウム血症があらわれることがあり、死亡に至った例が報告されている。低カルシウム血症が認められた場合には、カルシウム及びビタミンDの経口投与に加えて、緊急を要する場合には、カルシウムの点滴投与を併用するなど、適切な処置を速やかに行うこと。[1.3、8.2、8.3参照]
11.1.2 顎骨壊死・顎骨骨髄炎(1.8%)[8.4参照]
11.1.3 アナフィラキシー(頻度不明)
11.1.5 治療中止後の多発性椎体骨折(頻度不明)
11.1.6 重篤な皮膚感染症(0.1%)
重篤な蜂巣炎等の皮膚感染症があらわれることがあるので、発赤、腫脹、疼痛、発熱等の症状が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
<骨巨細胞腫>
11.1.7 治療中止後の高カルシウム血症(頻度不明)
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 1%以上 | 1%未満 | 頻度不明 | |
| 血液 | 貧血 | 白血球減少、血小板減少 | |
| 皮膚 | 発疹、そう痒症、皮膚乾燥、脱毛症、多汗症、湿疹 | 扁平苔癬 | |
| 代謝 | 低リン酸血症 | 高カルシウム血症、低マグネシウム血症 | |
| 精神神経系 | 頭痛 | めまい、不眠症、錯感覚、味覚異常、感覚鈍麻、嗜眠、末梢性感覚ニューロパチー、錯乱 | |
| 循環器 | 高血圧、動悸、心不全、不整脈 | ||
| 呼吸器 | 呼吸困難、咳嗽、口腔咽頭痛、気胸 | ||
| 消化器 | 悪心、下痢、食欲減退、嘔吐、便秘、歯の障害(歯痛、歯膿瘍等) | 腹痛、歯肉障害(歯肉痛、歯肉炎等)、消化不良、口内乾燥、鼓腸、口内炎 | |
| 筋骨格系 | 関節痛、筋肉痛、骨痛、背部痛、顎痛、四肢痛 | 筋骨格痛、筋痙縮、頸部痛、脊椎痛 | |
| 肝臓 | ALT上昇、AST上昇、ALP上昇 | ||
| 腎臓 | 血中クレアチニン増加 | 腎機能障害 | |
| その他 | 疲労、無力症、発熱、注射部位反応(疼痛、そう痒感、血腫等) | インフルエンザ様疾患、疼痛、末梢性浮腫、体重減少、胸痛、ほてり、悪寒、上気道感染、倦怠感、尿路感染、視力障害、粘膜の炎症、体重増加、骨髄炎、流涙増加、白内障、薬物過敏症 |
ランマーク皮下注120mg 44108円/瓶
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エビデンスの確かさ・信頼性
投稿日: 2015/01/06 参考率: 100%(3人/3人)
外科/60代/処方経験あり