本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤による肝障害の既往のある患者[本剤による肝障害の既往のある患者への再投与により、より重度な肝障害が発現したとの報告がある。]
気管支喘息
通常、成人にはザフィルルカストとして1日40〜80mgを朝食後及び就寝前の2回に分けて経口投与する。ただし、高齢者の1日投与量は40mgとする。なお、成人(高齢者を除く)の1日最高量は80mgとする。
高齢者への1日投与量は40mg(1回20mg1日2回)を超えないこと。(「高齢者への投与」の項参照)
本剤投与により、劇症肝炎を含む重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、定期的な肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行うこと。また、投与にあたっては患者に当該副作用について十分な説明を行うとともに、症状がみられた場合には本剤の服用を中止し速やかに診察を受けるよう指導すること。
十分な効果を得るためには、喘息症状のないときでも本剤を規則正しく服用すること。また、喘息の急性増悪時にも通常通り投与を継続すること。
本剤は気管支拡張剤、ステロイド剤等と異なり、すでに起こっている発作を緩解する薬剤ではないので、このことは患者に十分説明すること。
気管支喘息患者に本剤を投与中、大発作をみた場合は、気管支拡張剤あるいはステロイド剤を投与すること。
長期ステロイド療法を受けている患者で、本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は、十分な管理下で徐々に行うこと。
本剤を含めロイコトリエン拮抗剤使用時に、紫斑、肺症状の悪化(肺の浸潤等)、心臓合併症(心筋炎等)、ニューロパシー等のChurg-Strauss症候群様の血管炎が生じたとの報告がある。これらの症状は、おおむね経口ステロイド剤の減量・中止時に生じている。本剤使用時は、好酸球数、血管炎症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤等)などの推移に注意すること。
海外において本剤を投与した患者で、うつ病を含む精神症状が報告されている。また、他のロイコトリエン拮抗剤を投与した患者で、因果関係は明らかではないが自殺念慮、自殺及び攻撃的行動を含む精神症状が報告されているので、本剤の投与にあたっては患者の状態を十分に観察すること。
肝障害のある患者[本剤は主として肝臓で代謝されるので、低用量(40mg/日)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。](「薬物動態」の項参照)
高齢者(「重要な基本的注意」及び「高齢者への投与」の項参照)
海外での臨床試験において、本剤1日160mg投与患者で肝酵素上昇の発現頻度が高くなるとの報告がある。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
日本人健康成人男子に本剤40mgを食事30分後に単回投与した場合、空腹時投与に比べてCmaxは32%、AUCは22%減少したとの報告がある。
2年間のがん原性試験において、雄マウス(300mg/kg/日)で肝細胞腺腫、ラット(2000mg/kg/日)で膀胱乳頭腫の発現頻度が上昇したとの報告がある。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クマリン系抗凝血剤ワルファリン等 | 本剤との併用により、S-ワルファリンの血漿中濃度が上昇し、抗凝血作用が増強することがある(本剤80mg投与でAUCが約60%上昇し、プロトロンビン時間(INR)が約35%延長したとの報告がある)ので、プロトロンビン時間を監視し、抗凝血剤を減量するなど注意して投与すること。 | in vitro試験において、本剤はCYP2C9を阻害することが認められているため、ワルファリンの肝臓での代謝を阻害する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| テオフィリン | 本剤の血漿中濃度が低下することがある(Cmaxが約30%、AUCが約20%低下したとの報告がある)。 | 相互作用の機序は解明されていない。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| テオフィリン | 薬物相互作用の試験において、テオフィリンに対する作用は認められなかったが、テオフィリンの血清中濃度が上昇したとの報告がある。 | in vitro試験において、本剤が高濃度でCYP1A2を阻害するとの報告がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アスピリン | 本剤の血漿中濃度が上昇することがある(Cmaxが約20%、AUCが約45%上昇したとの報告がある)。 | 相互作用の機序は解明されていない。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エリスロマイシン | 本剤の血漿中濃度が低下することがある(Cmaxが約40%、AUCが約30%低下したとの報告がある)。 | 相互作用の機序は解明されていない。 |
総症例1193例中(国内臨床試験695例、外国長期投与試験498例)、166例(13.9%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用は、頭痛27例(2.3%)、ALT(GPT)上昇23例(1.9%)、嘔気17例(1.4%)、AST(GOT)上昇14例(1.2%)、腹痛12例(1.0%)であった。(承認時の集計)
使用成績調査における安全性評価対象症例3161例中150例(4.8%)193件に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用は、肝機能異常(肝機能検査値異常を含む)28件(0.9%)、ALT(GPT)上昇16件(0.5%)、発疹13件(0.4%)、嘔気およびAST(GOT)上昇12件(0.4%)であった。(再審査終了時の集計)
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(0.1%未満)
劇症肝炎等の重篤な肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあり、肝不全や死亡に至ったとの報告もあるので、定期的な肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
無顆粒球症
まれに無顆粒球症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
好酸球性肺炎(頻度不明)
好酸球性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増加等の症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
| 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
| 循環器系 | 心悸亢進、血圧上昇 | 不整脈 | |
| 過敏症注1) | 発疹、そう痒、蕁麻疹 | 血管浮腫注2) | |
| 血液 | 貧血、白血球増多注2) | 好酸球増多、リンパ球増多注2) | 出血斑注2)、出血異常、白血球減少 |
| 肝臓注1),注3) | AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、高ビリルビン血症、γ-GTP上昇 | ||
| 腎臓 | 尿潜血、蛋白尿注2)、尿糖 | クレアチニン上昇 | |
| 消化器 | 嘔気、腹痛、下痢、消化不良、食欲不振、食欲亢進注2)、便秘、口渇 | 嘔吐、口内炎 | 腹部膨満 |
| 精神神経系 | 頭痛、知覚減退、めまい、振戦、傾眠、不眠 | 緊張亢進、神経過敏 | |
| 呼吸器系 | 気道感染注4) | ||
| 生殖系 | 月経困難注2) | 性器出血、月経過多注2) | 不正出血、膣カンジダ症 |
| その他 | 倦怠感、体重増加、トリグリセライド上昇、コレステロール上昇、浮腫、顔面浮腫、味覚異常、血糖値上昇注2)、胸痛 | 耳鳴、血清カリウム低下、関節痛 | 筋肉痛、CK(CPK)上昇 |
注1)異常が認められた場合には投与を中止すること。
注2)外国でのみみられた副作用。
注3)女性で多く報告されている。
注4)主に高齢者で認められている。
アコレート錠20mg 102.5円/錠
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