消化性潰瘍のある患者〔プロスタグランジン生合成抑制により,胃の血流量が減少し消化性潰瘍が悪化することがある.〕
重篤な血液の異常のある患者〔血液の異常を更に悪化させるおそれがある.〕
重篤な肝障害のある患者〔肝障害を更に悪化させるおそれがある.〕
重篤な腎障害のある患者〔腎血流量減少や腎での水及びNa再吸収増加を引き起こし,腎機能を更に低下させるおそれがある.〕
重篤な心機能不全のある患者〔腎のプロスタグランジン生合成抑制により浮腫,循環体液量の増加が起こり,心臓の仕事量が増加するため症状を悪化させるおそれがある.〕
重篤な高血圧症の患者〔プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため,血圧を更に上昇させるおそれがある.〕
本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者
アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者〔重症喘息発作を誘発する.〕
下記疾患ならびに症状の消炎・鎮痛
腰痛症,頚腕症候群,肩関節周囲炎
手術後,外傷後ならびに抜歯後の消炎・鎮痛
モフェゾラクとして,通常,成人1回75mgを1日3回食後に経口投与する.
頓用の場合は1回75〜150mgを経口投与する.
なお,年齢,症状により適宜増減する.
消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく,対症療法であることに留意すること.
急性疾患に対し,本剤を用いる場合には次の事項を考慮すること.
急性炎症,疼痛及び発熱の程度を考慮し,投与すること.
原則として同一の薬剤の長期投与を避けること.
原因療法があればこれを行うこと.
患者の状態を十分観察し,副作用の発現に留意すること.
感染症を不顕性化するおそれがあるので,感染による炎症に対して用いる場合には
他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい.
高齢者及び小児には副作用の発現に特に注意し,必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること.
消化性潰瘍の既往歴のある患者〔消化性潰瘍を再発させることがある.〕
血液の異常又はその既往歴のある患者〔血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある.〕
出血傾向のある患者〔血小板機能異常が起こることがあるため出血傾向を助長するおそれがある.〕
肝障害又はその既往歴のある患者〔肝障害を悪化又は再発させるおそれがある.〕
腎障害又はその既往歴のある患者〔腎機能を低下させるおそれがある.〕
心機能異常のある患者〔心機能を悪化させるおそれがある.〕
高血圧症の患者〔血圧を上昇させることがある.〕
過敏症の既往歴のある患者
気管支喘息の患者〔重症喘息発作(アスピリン喘息)を誘発することがある.〕
SLE(全身性エリテマトーデス),潰瘍性大腸炎,クローン病の患者〔これらの疾患を悪化させるおそれがある.〕
高齢者,小児(「高齢者への投与」,「小児等への投与」の項参照)
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.〔PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.〕
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において,一時的な不妊が認められたとの報告がある.
本剤は,主として肝代謝酵素CYP2C9で代謝される.
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗凝固剤 (ワルファリン,ダビガトランエテキシラート等) | これらの薬剤との併用により,出血の危険性が増大する可能性がある.このような場合には,患者の状態を十分に観察するなど注意すること. | 本剤は血小板凝集抑制作用を有するため,これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗血小板剤 (クロピドグレル等) | これらの薬剤との併用により,出血の危険性が増大する可能性がある.このような場合には,患者の状態を十分に観察するなど注意すること. | 本剤は血小板凝集抑制作用を有するため,これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| スルホニル尿素系血糖降下剤 (トルブタミド等) | 血糖降下作用を増強することがあるので,減量するなど慎重に投与すること. | 本剤のヒトでの蛋白結合率が高いので,血中に活性型の併用薬が増加し,併用薬の作用が増強されるためと考えられている. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 炭酸リチウム | リチウム中毒を起こすおそれがあるので,血中のリチウム濃度に注意し,必要があれば減量すること. | 本剤が腎のプロスタグランジン合成を阻害することにより,炭酸リチウムの腎排泄が減少し,血中濃度が上昇するためと考えられている. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ACE阻害剤 A-II受容体拮抗剤 | 腎機能障害を引き起こす可能性がある.異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な措置を行うこと. | 本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により,腎血流量が低下するためと考えられる. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 降圧剤 (β遮断剤,ACE阻害剤,A-II受容体拮抗剤) | 降圧作用が減弱することがある. | 本剤はプロスタグランジンを介する血管拡張作用及び水・Na排泄作用を抑制する. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| チアジド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド等) フロセミド | 利尿降圧作用が減弱することがある. | 本剤はプロスタグランジンを介する血管拡張作用及び水・Na排泄作用を抑制する. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ニューキノロン系抗菌剤 | 痙攣を起こすおそれがある. | ニューキノロン系抗菌剤の中枢神経におけるGABA受容体への結合阻害が併用により増強されることが,痙攣発現機序の一つと考えられている. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| イグラチモド | 胃腸障害の発現率が増加するおそれがあるので,特に消化性潰瘍があらわれた場合には本剤の投与を中止し,適切な処置を行うこと(「4.副作用」の項参照). | 両剤ともにプロスタグランジン生合成阻害作用を有する. |
総症例数5,410例中189例(3.49%)238件の副作用が報告されている.主な副作用は胃痛30件(0.55%),胃部不快感29件(0.54%),嘔気10件(0.18%)等の消化器症状で,他に眠気7件(0.13%),発疹7件(0.13%),むくみ6件(0.11%)等であった.(再審査終了時)
ショック,アナフィラキシー様症状(いずれも頻度不明)
ショック,アナフィラキシー様症状(発疹,浮腫,呼吸困難等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,これらの症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
喘息発作(アスピリン喘息)(頻度不明)
喘息発作を誘発することがある.このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
消化性潰瘍(0.1%未満),消化管出血(頻度不明)
消化性潰瘍又は吐血,下血,血便等の消化管出血が出現し,それに伴うショックがあらわれることがあるので,観察を十分に行い,これらの症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
肝機能障害,黄疸(いずれも頻度不明)
肝機能障害(AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,LDH,Al-P上昇等),黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
血小板減少(頻度不明)
血小板減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
| 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
| 消化器 | 胃痛,悪心・嘔吐,胃部不快感,腹痛,胃重感,口内炎,食欲不振,腹部膨満感 | 胸やけ,下痢,便秘 | |
| 血液 | 白血球増多,貧血 | 点状出血 | |
| 過敏症 注) | 発疹 | かゆみ | 蕁麻疹,紅斑 |
| 腎臓 | BUNの上昇 | クレアチニンの上昇 | 乏尿,血尿 |
| 精神神経系 | 眠気 | めまい,立ちくらみ,頭痛 | しびれ,振戦 |
| その他 | むくみ | 眼瞼のはれ | 血圧上昇,発熱,動悸,味覚異常 |
注)このような症状があらわれた場合には,投与を中止すること.
ジソペイン錠75 22.5円/錠
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