本剤により重篤な肝機能障害が発現するおそれがあるので注意すること。[2.1、8.6、9.3.1、11.1.3参照]
本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること。[7.5、8.4、13.2参照]
重篤な肝機能障害のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
小児科領域における解熱・鎮痛
通常、乳児、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10〜15mgを直腸内に挿入する。投与間隔は4〜6時間以上とし、1日総量として60mg/kgを限度とする。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、成人の用量を超えない。
解熱鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・発熱、疼痛の程度を考慮し投与すること。
・原因療法があればこれを行うこと。
過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う高齢者及び小児等又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するおそれがあることから、アセトアミノフェンを含む他の薬剤と併用しないよう患者に指導すること。[1.2、7.5、13.2参照]
アセトアミノフェンの高用量投与により副作用として腹痛・下痢がみられることがある。本剤においても同様の副作用があらわれるおそれがあり、上気道炎等に伴う消化器症状と区別できないおそれがあるので、観察を十分行い慎重に投与すること。
重篤な肝機能障害が発現するおそれがあるので、長期投与する場合にあっては定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。[1.1、11.1.3参照]
慢性疾患に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 血液の異常又はその既往歴のある患者
おそれがある。
9.1.2 出血傾向のある患者
血小板機能異常が起こることがある。
9.1.3 心機能異常のある患者
症状が悪化
するおそれがある。
9.1.4 気管支喘息のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.6 アルコール多量常飲者
肝機能障害があらわれやすくなる。[10.2参照]
(注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
9.1.7 絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患者
肝機能障害があらわれやすくなる。
9.1.8 感染症を合併している患者
必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。感染症を不顕性化するおそれがある。[10.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎
悪化
おそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害患者
投与しないこと。重篤な転帰をとるおそれがある。[1.1、2.1、11.1.3参照]
9.3.2 肝機能障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝機能障害のある患者を除く)
肝機能が悪化するおそれがある。[11.1.3参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、次のリスクを考慮し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
・妊娠後期の女性への投与により胎児に動脈管収縮を起こすことがある。
・妊娠後期のラットに投与した実験で、弱い胎仔の動脈管収縮が報告されている
。
(注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
(注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児及び3ヵ月未満の乳児を対象とした有効性・安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
9.8 高齢者
少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。副作用があらわれやすい。
副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
(注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
13.1 症状
肝臓、腎臓、心筋の壊死が起こったとの報告がある。
13.2 処置
解毒(肝機能障害の軽減等)には、アセチルシステインの投与を考慮すること。[1.2、8.4参照]
14.1 薬剤投与時の注意
本剤を使用する前は、できるだけ排便をすませておくこと。
本剤を取り出すには、まず1個分の容器を切り離し、上端の合わせ目から引裂いて、坐剤を取り出す。なお、1/2個を用いる場合には、坐剤を斜めに切断する。[7.1参照]
容器から坐剤を取り出した後、太い方から肛門内に深く挿入すること。
15.1 臨床使用に基づく情報
類似化合物(フェナセチン)の長期投与により、血色素異常を起こすことがある。
腎盂及び膀胱腫瘍の患者を調査したところ、類似化合物(フェナセチン)を長期・大量に使用(例:総服用量1.5〜27kg、服用期間4〜30年)していた人が多いとの報告がある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
類似化合物(フェナセチン)を長期・大量投与した動物実験で、腫瘍発生が認められたとの報告がある。
外箱開封後は直射日光を避けてなるべく冷所に保管すること。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
リチウム製剤炭酸リチウム | 他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン、イブプロフェン等)で、リチウム中毒を呈したとの報告がある。 | 非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制することにより、炭酸リチウムの排泄が減少し、血中濃度が上昇すると考えられている。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
チアジド系利尿剤ヒドロクロロチアジド等 | 他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)で、チアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されている。 | 非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制して水、塩類貯留が生じ、チアジド系利尿剤の排泄作用に拮抗すると考えられている。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アルコール(飲酒)[9.1.6参照] | アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。 | アルコール常飲によるCYP2E1の誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
クマリン系抗凝血剤ワルファリンカリウム | クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤が血漿蛋白結合部位において競合することで、抗凝血剤を遊離させ、その抗凝血作用を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
カルバマゼピンフェノバルビタールフェニトインプリミドンリファンピシンイソニアジド | これらの薬剤の長期連用者は、肝機能障害を生じやすくなるとの報告がある。 | これらの薬剤の代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗生物質、抗菌剤[9.1.8参照] | 過度の体温下降を起こす頻度が高くなることから、併用する場合には観察を十分に行い、慎重に投与すること。 | 機序は不明である。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
(いずれも頻度不明)
11.1.3 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
劇症肝炎、AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。[1.1、2.1、8.6、9.3.1、9.3.2参照]
(頻度不明)[9.1.4、9.1.5参照]
(頻度不明)[9.1.1参照]
11.1.6 間質性肺炎(頻度不明)
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
(いずれも頻度不明)[9.2.1参照]
11.1.8 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
頻度不明 | |
過敏症注) | 発疹、チアノーゼ |
血液注) | 血小板減少 |
消化器 | 悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、軟便、便意 |
注)症状(異常)があらわれた場合には投与を中止すること。
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使いやすさ
投稿日: 2015/02/26 参考率: 92%(119人/130人)
麻酔科/60代/処方経験あり