消化性潰瘍のある患者(ただし、「慎重投与」(2)の項参照)[消化性潰瘍を悪化させることがある。]
重篤な血液の異常のある患者[血液の異常を悪化させることがある。]
重篤な肝障害のある患者[肝障害を悪化させることがある。]
重篤な腎障害のある患者[腎障害を悪化させることがある。]
重篤な心機能不全のある患者[心機能障害を悪化させることがある。]
重篤な高血圧症のある患者[高血圧症を悪化させることがある。]
妊娠末期の患者[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」(2)の項参照]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重篤な喘息発作を誘発又は再発させることがある。]
リトナビルを投与中の患者[「相互作用」(1)の項参照]
直腸炎、直腸出血又は痔疾のある患者[直腸炎、直腸出血又は痔疾を悪化させることがある。]
下記疾患並びに症状の鎮痛、消炎
関節リウマチ
変形性関節症
腰痛症
肩関節周囲炎
頸肩腕症候群
通常、成人にはピロキシカムとして20mgを1日1回直腸内に挿入する。
高齢者は穿孔を伴う消化性潰瘍、胃腸出血、浮腫等があらわれやすいので副作用の発現に特に注意し、必要最小限の投与にとどめるなど慎重に投与すること。
消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。
慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には次の事項を考慮すること。
長期投与する場合には、定期的に臨床検査(尿検査、血液検査、肝機能検査及び便潜血検査等)を行うこと。また、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な措置を講ずること。
薬物療法以外の療法も考慮すること。
患者の状態を十分観察し、副作用の発現に留意すること。
感染症を不顕性化するおそれがあるので、感染による炎症に対して用いる場合には適切な抗菌剤を併用し、観察を十分行い慎重に投与すること。
他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
小児に対する安全性は確立していないので投与しないこと。
消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍を再発させることがある。]
非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。)
血液の異常又はその既往歴のある患者[血液の異常を悪化又は再発させることがある。]
出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがある。]
肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させることがある。]
腎障害又はその既往歴のある患者[腎障害を悪化又は再発させることがある。]
心機能障害のある患者[水、ナトリウムの貯留が起こる可能性があり、心機能障害を悪化させるおそれがある。]
高血圧症のある患者[水、ナトリウムの貯留が起こる可能性があり、血圧を上昇させるおそれがある。]
過敏症の既往歴のある患者
気管支喘息のある患者[喘息発作を誘発させることがある。]
潰瘍性大腸炎の患者[病態を悪化させることがある。]
クローン病の患者[病態を悪化させることがある。]
高齢者[「重要な基本的注意」(1)の項参照]
非ステロイド性消炎鎮痛剤の過量投与時の一般的な徴候・症状、処置は次のとおりである。
徴候・症状
嗜眠、傾眠、嘔気・嘔吐、心窩部痛
処置
催吐、胃洗浄、活性炭投与、浸透圧性下剤投与、その他症状に応じた支持療法及び対症療法
本剤は蛋白結合率が高いため、透析による除去は有用ではないと考えられる。
投与経路
直腸内投与にのみ使用すること。
投与時
本剤はできるだけ排便後に投与すること。
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある
本剤は、主として肝代謝酵素CYP2C9で代謝される。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リトナビル(ノービア) | 本剤の血中濃度が大幅に上昇し、不整脈、血液障害、痙攣等の重篤な副作用を起こすおそれがある。 | リトナビルのチトクロームP450に対する競合的阻害作用によると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クマリン系抗凝血剤(ワルファリン等) | クマリン系抗凝血剤(ワルファリン等)の作用を増強したとの報告があるので、併用する場合にはその医薬品を減量するなど、慎重に投与すること。 | 本剤のヒトでの蛋白結合率が99.8%と高いため、ワルファリンの活性型が増加するためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI) | 本剤との併用により出血傾向が増強するおそれがある。 | SSRIの投与により血小板凝集能が阻害され、併用により出血傾向が増大すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アスピリン | 本剤との併用により、低用量アスピリンの血小板凝集抑制作用が減弱するおそれがある。 | 血小板のシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)とアスピリンの結合を阻害するためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アスピリン | 双方又は一方の医薬品の副作用の発現頻度が増加したとの報告がある。 | 両剤ともにプロスタグランジン生合成阻害作用を示すためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 非ステロイド性消炎鎮痛剤 | 本剤との併用により、消化性潰瘍、胃腸出血の発現が高まるおそれがある。 | 両剤ともにプロスタグランジン生合成阻害作用を示すためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗血小板薬 | 本剤との併用により、胃腸出血の発現が高まるおそれがある。 | 抗血小板薬が血小板の凝集を阻害するためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リチウム(炭酸リチウム) | リチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒を呈したとの報告があるので、併用する場合には観察を十分に行い慎重に投与すること。 | 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| メトトレキサート | 本剤との併用により、メトトレキサートの作用が増強するおそれがある。併用する場合には観察を十分に行い慎重に投与すること。 | 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ジゴキシンジギトキシン | 本剤との併用により、これらの薬剤の作用が増強するおそれがある。併用する場合には観察を十分に行い慎重に投与すること。 | 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| チアジド系利尿剤(ヒドロクロロチアジド等) | 他の非ステロイド性消炎鎮痛剤とチアジド系利尿剤との併用により、チアジド系利尿剤の作用が減弱したとの報告がある。 | 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、水、ナトリウムの排泄が減少するためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フロセミド | 本剤との併用により、フロセミドの作用が減弱したとの報告がある。 | 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、水、ナトリウムの排泄が減少するためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン等) | 本剤との併用により、降圧作用の減弱、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症が発現するおそれがある。 | 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によるためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エプレレノン | 本剤との併用により、降圧作用の減弱、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症が発現するおそれがある。 | 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によるためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ACE阻害剤アンジオテンシンII受容体拮抗剤β遮断薬 | 本剤との併用により、これらの薬剤の降圧作用が減弱するおそれがある。 | 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によるためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| コレスチラミン | 本剤の排泄が促進され、血中濃度半減期が短縮したとの報告がある。 | コレスチラミンの薬物吸着作用により、本剤の消失が速まると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン等) | 本剤との併用により、消化性潰瘍、胃腸出血の発現が高まるおそれがある。 | 両剤とも消化管粘膜を傷害するため、併用した場合その影響が大きくなると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シクロスポリンタクロリムス | 本剤との併用により、これらの薬剤の腎毒性が高まるおそれがある。 | プロスタグランジン生合成阻害に伴う腎血流量低下により、腎障害の副作用が相互に増強されると考えられている。 |
開発時及び承認後6年間(昭和63年9月20日〜平成6年9月19日)の調査(再審査終了時)において、10,253例中175例(1.71%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。
副作用の主なものは、発疹(0.21%)、腹痛(0.19%)、下痢・軟便(0.15%)、浮腫(0.13%)等であった。臨床検査値異常の主なものは、AST(GOT)上昇(0.20%)、ALT(GPT)上昇(0.18%)、BUN上昇(0.18%)、Al-P上昇(0.12%)等であった。
消化性潰瘍(穿孔を伴うことがある)、吐血、下血等の胃腸出血
消化性潰瘍(穿孔を伴うことがある)(0.03%)、吐血、下血等の胃腸出血(0.02%)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ショック 注1) 、アナフィラキシー 注1)
ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、潮紅、血管浮腫、呼吸困難等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN) 注1) 、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 注1)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血 注1) 、骨髄機能抑制 注1)
再生不良性貧血、骨髄機能抑制があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎障害 注1) 、ネフローゼ症候群 注1)
急性腎障害、ネフローゼ症候群を起こすことがあるので、乏尿、血尿、尿蛋白、BUN・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害 注1) 、黄疸 注1)
AST(GOT)・ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注1:自発報告又は外国での報告のため頻度不明。
次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
| 0.1〜1%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 注1) | |
| 消化器 | 胃・腹部痛、下痢・軟便 | 腹部膨満感、嘔気・嘔吐、便意、便秘、胃炎、口内炎 | 直腸粘膜の刺激、膵炎、胃・腹部不快感 |
| 血液 | 貧血、血小板数減少、紫斑、白血球数増加、赤血球数減少 | 顆粒球減少、血小板機能低下(出血時間の延長) | |
| 肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P上昇 | LDH上昇 | |
| 腎臓 | BUN上昇 | 蛋白尿 | |
| 過敏症 注2) | 発疹 | 湿疹、そう痒、光線過敏症 | 発赤、蕁麻疹 |
| 精神・神経系 | 眠気 | めまい、頭痛、耳鳴、手足のしびれ | |
| その他 | 浮腫 | 発熱、肛門部不快感、肛門のただれ | 腫脹、口渇、全身倦怠感、肩こり、動悸 |
注1:自発報告又は外国での報告のため頻度不明。
注2:発現した場合には投与を中止すること。
フェルデン坐剤20mg 63.3円/個
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