<用法共通>
2.1 ブチロフェノン系・フェノチアジン系等の抗精神病薬、α遮断薬を投与中の患者[10.1参照]
2.2 イソプレナリン塩酸塩、ノルアドレナリン等のカテコールアミン製剤、アドレナリン作動薬を投与中の患者(ただし、緊急時はこの限りでない。)[10.1参照]
<眼周囲部等への使用時>
2.3 狭隅角や前房が浅いなど眼圧上昇の素因のある患者[閉塞隅角緑内障患者の発作を誘発することがある。][8.4参照]
○下記疾患に基づく気管支痙攣の緩解
気管支喘息、百日咳
○局所麻酔薬の作用延長(粘膜面の表面麻酔に限る)
○手術時の局所出血の予防と治療
○耳鼻咽喉科領域における局所出血
○耳鼻咽喉科領域における粘膜の充血・腫脹
○外創における局所出血
<気管支喘息および百日咳に基づく気管支痙攣の緩解>
通常5〜10倍に希釈して吸入する。この場合、1回の投与量はアドレナリンとして0.3mg以内とすること。2〜5分間たって効果が不十分な場合でも、前記の投与をもう一度行うのを限度とする。続けて用いる必要がある場合でも、少なくとも4〜6時間の間隔をおくこと。
<局所麻酔薬の作用延長>
血管収縮薬未添加の局所麻酔薬10mLに1〜2滴(アドレナリン濃度1:10〜20万)の割合に添加して用いる。
<手術時の局所出血の予防と治療、耳鼻咽喉科領域における局所出血、耳鼻咽喉科領域における粘膜の充血・腫脹、外創における局所出血>
通常本剤(アドレナリン0.1%溶液)をそのままか、あるいは5〜10倍希釈液を、直接塗布、点鼻もしくは噴霧するか、またはタンポンとして用いる。
<吸入時>
8.1 過度に使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止があらわれるおそれがあり、特に発作発現時の吸入投与の場合には使用が過度になりやすいので十分に注意すること。
8.2 用法及び用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、本剤が適当でないと考えられるので、投与を中止すること。
8.3 患者に対し、次の点を指導し理解させること。また、その他必要と考えられる注意を与えること。[7.参照]
・本剤の過度の使用により不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性のあること。
・吸入後2〜5分間たって効果が不十分な場合でも、投与はもう一度行うことを限度とすること。続けて用いる必要がある場合は、少なくとも4〜6時間の間隔をおくこと。
・発作が重篤で吸入投与の効果が不十分な場合には、可及的速やかに医療機関を受診し治療を求めること。
<眼周囲部等への使用時>
8.4 隅角の所見が未確定のまま投与しないこと。[2.3参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
9.1.2 交感神経作動薬に対し過敏な反応を示す患者
アドレナリン受容体が本剤に対し高い感受性を示すおそれがある。
9.1.3 肺気腫のある患者
肺循環障害を増悪させ、右心系への負荷が過重となり、右心不全に陥るおそれがある。
9.1.4 甲状腺機能亢進症の患者
頻脈、心房細動がみられることがあり、本剤の投与により悪化するおそれがある。
9.1.5 高血圧の患者
本剤の血管収縮作用により、急激な血圧上昇があらわれるおそれがある。
9.1.6 心疾患のある患者
本剤のβ刺激作用により、心疾患を悪化させるおそれがある。
9.1.7 糖尿病の患者
肝におけるグリコーゲン分解の促進や、インスリン分泌の抑制により、高血糖を招くおそれがある。
9.1.8 動脈硬化症の患者
本剤の血管収縮作用により、閉塞性血管障害が促進されるおそれがある。
9.1.9 低酸素血症の患者
血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は、血清カリウム値の低下による心リズムに及ぼす作用を増強することがある。[11.1.2参照]
9.5 妊婦
妊婦、妊娠している可能性のある女性又は産婦には投与しないことが望ましい。胎児の酸素欠乏をもたらしたり、分娩第二期を遅延するおそれがある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。小児等では全身の副作用が起こりやすい。
9.8 高齢者
少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤の作用に対する感受性が高いことがある。
13.1 症状
過度の使用により神経過敏や頻脈等心臓に対する副作用があらわれるおそれがある。
14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 投与経路
本剤は注射又は点眼には使用しないこと。
14.1.2 保存時
変色したり、あるいは沈殿を生じたものは使用しないこと。
14.2 薬剤交付時の注意
医師・薬剤師の指導により使用すること。
瓶開封後は遮光して保存すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗精神病薬ブチロフェノン系薬剤(セレネース、トロペロン等)フェノチアジン系薬剤(ウインタミン等)イミノジベンジル系薬剤(クレミン等)ゾテピン(ロドピン)セロトニン・ドパミン拮抗薬(リスパダール等)多元受容体標的化抗精神病薬(セロクエル等)ドパミン受容体部分作動薬(エビリファイ)α遮断薬[2.1参照] | 本剤の昇圧作用の反転により、低血圧があらわれることがある。 | これらの薬剤のα遮断作用により、本剤のβ刺激作用が優位になると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カテコールアミン製剤イソプレナリン塩酸塩(プロタノール等)ノルアドレナリン(ノルアドリナリン)等アドレナリン作動薬β刺激薬(ベネトリン等)エフェドリン(エフェドリン)メチルエフェドリン(メチエフ等)等[2.2参照] | 不整脈、場合により心停止があらわれることがある。蘇生等の緊急時以外には併用しないこと。 | これらの薬剤のβ刺激作用により、交感神経興奮作用が増強すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ハロゲン含有吸入麻酔薬ハロタン注1)イソフルラン注2)セボフルラン注3)デスフルラン注4) | 頻脈、心室細動発現の危険性が増大する。 | これらの薬剤により、心筋のカテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| モノアミン酸化酵素阻害薬 | 本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 | 本剤の代謝酵素を阻害することにより、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 三環系抗うつ薬イミプラミンアミトリプチリン等セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)ミルナシプラン等その他の抗うつ薬マプロチリン等 | 本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 | アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| メチルフェニデート | 本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 | アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 分娩促進薬オキシトシン等バッカクアルカロイド類エルゴタミン等 | 本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 | これらの薬剤の血管平滑筋収縮作用により、血圧上昇作用を増強すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ジギタリス製剤 | 異所性不整脈があらわれることがある。 | ともに異所性刺激能を有し、不整脈発現の可能性が高くなると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| キニジン | 心室細動があらわれることがある。 | 相互に心筋に対する作用を増強すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 甲状腺製剤チロキシン等 | 冠不全発作があらわれることがある。 | 甲状腺ホルモンは心筋のβ受容体を増加させるため、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 非選択性β遮断薬プロプラノロールカルベジロール等 | (1)相互の薬剤の効果が減弱する。(2)血圧上昇、徐脈があらわれることがある。 | (1)これらの薬剤のβ遮断作用により本剤の作用が抑制される。また、本剤のβ刺激作用により、これらの薬剤の作用が抑制される。(2)これらの薬剤のβ遮断作用により、本剤のα刺激作用が優位になると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 血糖降下薬インスリン等 | 血糖降下薬の作用を減弱させることがある。 | 本剤の血糖上昇作用によると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ブロモクリプチン | 血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれることがある。 | 機序は明らかではないが、本剤の血管収縮作用、血圧上昇作用に影響を及ぼすと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 利尿剤チアジド系利尿剤トリクロルメチアジドヒドロクロロチアジド等チアジド系類似剤インダパミド等ループ利尿剤フロセミド等カリウム保持性利尿剤スピロノラクトン[11.1.2参照] | 本剤の作用が減弱することがある。また、低カリウム血症による不整脈があらわれるおそれがある。手術前の患者に使用する場合、利尿剤の一時休薬等を行うこと。 | 本剤の血管反応性を低下させることがある。また、血清カリウム値の低下を増強させると考えられる。 |
注1)ハロタン麻酔中のヒトの50%に心室性期外収縮を誘発するアドレナリン量(粘膜下投与)は2.1μg/kgと報告されている
この量は60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液25mLに相当する。
注2)イソフルラン麻酔中のヒトの50%に心室性期外収縮を誘発するアドレナリン量(粘膜下投与)は6.7μg/kgと報告されている
この量は60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液80mLに相当する。
注3)セボフルラン麻酔中、5μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、5μg/kg〜14.9μg/kgのアドレナリンを投与した場合、1/3の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された
アドレナリン5μg/kgは、60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液60mLに相当する。
注4)デスフルラン麻酔中、7.0μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、7.0μg/kg〜13.0μg/kgのアドレナリンを投与した場合、50%(6/12例)の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された
アドレナリン7.0μg/kgは、60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液84mLに相当する。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<用法共通>
11.1.1 全身性の症状(頻度不明)
肺水腫等があらわれることがある。全身性の症状があらわれた場合には投与を中止すること。
<吸入時>
11.1.2 重篤な血清カリウム値の低下(頻度不明)
キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿薬の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。[9.1.9、10.2参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | |
| 循環器 | 心悸亢進、血圧変動、顔面潮紅・蒼白 |
| 精神神経系 | 頭痛、振戦、発汗、神経過敏 |
| 消化器 | 悪心 |
| 過敏症 | 発疹等 |
| 呼吸器 | 気道刺激症状(吸入時) |
| 眼 | 結膜・眼瞼・目のまわり等の過敏症状、結膜充血、眼痛 |
ボスミン外用液0.1% 12円/mL
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