本剤の成分又は他のビスホスホン酸塩に対し、過敏症の既往歴のある患者
悪性腫瘍による高カルシウム血症
乳癌の溶骨性骨転移(化学療法、内分泌療法、あるいは放射線療法と併用すること)
骨形成不全症
悪性腫瘍による高カルシウム血症
通常、成人にはパミドロン酸二ナトリウム(無水物)として30〜45mgを4時間以上かけて、単回点滴静脈内投与する。なお、再投与が必要な場合には、初回投与による反応を確認するために少なくとも1週間の投与間隔を置くこと。
乳癌の溶骨性骨転移
通常、成人にはパミドロン酸二ナトリウム(無水物)として90mgを4時間以上かけて、4週間間隔で点滴静脈内投与する。
骨形成不全症
通常、パミドロン酸二ナトリウム(無水物)として下記の用量を1日1回4時間以上かけて3日間連続点滴静脈内投与し、下記の投与間隔にて投与を繰り返す。ただし、1日の用量は60mgを超えないこと。
| 年齢 | 1回投与量 | 投与間隔 |
| 2歳未満 | 0.5mg/kg | 2ヵ月 |
| 2歳以上3歳未満 | 0.75mg/kg | 3ヵ月 |
| 3歳以上 | 1.0mg/kg | 4ヵ月 |
[共通]
本剤投与後は定期的に腎機能検査(血清クレアチニン、BUN等)を行うこと。
本剤投与後は、血清カルシウム、リン、マグネシウム、カリウム等の電解質の変動に注意すること。
本剤投与により低カルシウム血症が投与後4〜10日目頃に低用量においても出現することがあるので、血清カルシウムの変動については特に注意すること。
臨床症状(テタニー、手指のしびれ等)を伴う低カルシウム血症があらわれた場合にはカルシウム剤の点滴投与が有効である。
本剤投与後は、血小板減少等の末梢血球数の変動に注意すること。なお、貧血、白血球減少、血小板減少のある患者に本剤を投与する場合、投与開始後2週間は末梢血球数の変動に特に注意すること。
ビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、
本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に歯科処置が必要になった場合には、できる限り非侵襲的な歯科処置を受けるよう指導すること。
また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。
ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性の大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部や鼠径部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の大腿骨の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。
甲状腺手術を受けた患者では、副甲状腺機能低下症による低カルシウム血症があらわれる場合があるので、血清カルシウムについては特に注意すること。
眠気、めまい、注意力の低下等があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
[悪性腫瘍による高カルシウム血症の場合]
緊急時に適正な対応が可能な医療施設において、癌治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ使用すること。
悪性腫瘍による高カルシウム血症の患者に投与する場合は、高カルシウム血症の再発に応じて再投与できるが、初回投与による反応を確認するために少なくとも1週間の投与間隔を置くこと。
悪性腫瘍以外の原因による高カルシウム血症(副甲状腺機能亢進症等)治療における本剤の有用性は確立していない。
[乳癌の溶骨性骨転移の場合]
緊急時に適正な対応が可能な医療施設において、癌治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ使用すること。
腎機能が悪化することがあるので、本剤投与前に腎機能障害のある患者では血清クレアチニン値が投与前値から1.0mg/dL以上、腎機能が正常な患者では血清クレアチニン値が投与前値から0.5mg/dL以上上昇した場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
必要に応じてカルシウム及びビタミンDの補給を検討すること。(「2.重要な基本的注意[共通](2)」の項参照)
[骨形成不全症の場合]
投与にあたっては、骨折の治癒が遷延するおそれがあるため、臨床症状及びX線検査等で未治癒の骨折がないことを確認し、未治癒の骨折が認められた場合には、投与中止を考慮すること。
必要に応じてカルシウム及びビタミンDの補給を検討すること。(「2.重要な基本的注意[共通](2)」の項参照)
重篤な腎障害のある患者〔腎機能が悪化するおそれがある。〕
全身状態が極めて不良である患者〔急激な血圧低下をきたした症例が報告されている。〕
心疾患のある患者(特に高齢者)〔生理食塩液の過量負荷により左室不全・うっ血性心不全を起こすおそれがある。また、本剤投与後通常1〜2日にみられる発熱も心疾患の悪化に関与するおそれがある。〕(「5.高齢者への投与」の項参照)
本剤の過量投与により著明な低カルシウム血症を起こす可能性がある。このような症状があらわれた場合には、カルシウム剤を投与するなど、適切な処置を行うこと。
投与方法
本剤は点滴静注にのみ使用し、4時間以上かけてゆっくり投与すること。
調製方法
悪性腫瘍による高カルシウム血症及び乳癌の溶骨性骨転移の場合
1バイアルに日局「注射用水」、日局「生理食塩液」又は日局「ブドウ糖注射液(5%)」5mLを加えて溶解後、総量として500mL以上の日局「生理食塩液」又は日局「ブドウ糖注射液(5%)」に希釈すること。
骨形成不全症の場合
1バイアルに日局「注射用水」、日局「生理食塩液」又は日局「ブドウ糖注射液(5%)」5mLを加えて溶解後、0.1mg/mL以下の濃度となるよう日局「生理食塩液」又は日局「ブドウ糖注射液(5%)」に希釈すること。
カルシウム及びマグネシウムを含有する点滴用液と混合しないこと。
溶解後は24時間以内に使用すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カルシトニン製剤カルシトニン等 | 血清カルシウムが急速に低下するおそれがある。注) | 相互に作用を増強する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シナカルセト | 血清カルシウムが低下するおそれがある。注) | 相互に作用を増強する。 |
注)「2.重要な基本的注意」の項参照
悪性腫瘍による高カルシウム血症
副作用調査対象例数728例中93例(12.8%)に227件の副作用が認められた。主な副作用は発熱21件(2.9%)、AST(GOT)上昇14件(1.9%)、ALT(GPT)上昇11件(1.5%)、貧血11件(1.5%)、LDH上昇10件(1.4%)、ALP上昇9件(1.2%)、BUN上昇9件(1.2%)等であった。(承認時まで及び再審査終了時までの集計)
乳癌の溶骨性骨転移及び骨形成不全症
乳癌の溶骨性骨転移及び骨形成不全症に対する国内臨床試験は実施していない。
ショック、
ショック、
急性腎不全(1%未満)、ネフローゼ症候群(巣状分節性糸球体硬化症等による)、間質性腎炎(いずれも頻度不明)
急性腎不全、ネフローゼ症候群(巣状分節性糸球体硬化症等による)、間質性腎炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意」の項参照)
臨床症状を伴う低カルシウム血症(1%未満)
テタニー、手指のしびれ等を伴う低カルシウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意」の項参照)
間質性肺炎(頻度不明)
間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
顎骨壊死・顎骨骨髄炎(頻度不明)
顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意」の項参照)
大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折(頻度不明)
大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折を生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意」の項参照)
| 頻度不明 | 1%〜5%未満 | 1%未満 | |
| 循環器 | 血圧上昇 | - | 不整脈、血圧低下、輸液過量負荷によるうっ血性心不全(浮腫)・左室不全(呼吸困難、肺水腫) |
| 腎臓 | 血尿 | BUN上昇 | クレアチニン上昇、蛋白尿 |
| 血液 | - | 貧血、血小板減少 | 白血球減少、リンパ球減少 |
| 肝臓 | - | AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、ALP、γ-GTP上昇 | ビリルビン上昇 |
| 電解質代謝異常 | 低マグネシウム血症 | - | 低リン血症、低カリウム血症、高カリウム血症、低カルシウム血症、高ナトリウム血症 |
| 消化器 | 嘔吐、腹痛、便秘、下痢、消化不良、胃炎、食欲不振、嘔気、歯周病(歯肉炎、歯周炎等) | - | - |
| 精神・神経系 | 頭痛、めまい、激越、幻覚、錯乱、不眠、嗜眠、痙攣発作 | - | 顔面のしびれ |
| 過敏症 | 発疹、そう痒感、血管神経性浮腫 | - | - |
| 眼 | ブドウ膜炎(虹彩炎・虹彩毛様体炎)、強膜炎、上強膜炎、黄視症、結膜炎、眼窩の炎症(眼窩浮腫、眼窩蜂巣炎等) | - | 結膜下出血 |
| 筋・骨格系 | 全身痛注)、筋痙直、骨痛注)(一過性)、関節痛注)、筋痛注) | - | - |
| 局所反応 | 適用部位の疼痛、発赤、腫脹、硬結、静脈炎、血栓性静脈炎 | - | - |
| その他 | 風邪様症状注)(発熱、けん怠、疲労、悪寒、ほてりを伴う)、単純疱疹・帯状疱疹の再発 | 発熱注) | 血糖上昇 |
注)急性期反応(通常は本剤投与後3日以内に発現し、数日以内に回復する)に該当する副作用を含む。
アレディア点滴静注用15mg 7949円/瓶
アレディア点滴静注用30mg 16486円/瓶
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