本剤の使用は、特発性肺線維症の治療に精通している医師のもとで行うこと。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
特発性肺線維症
通常、成人にはピルフェニドンとして初期用量1回200mgを1日3回(1日600mg)食後に経口投与し、患者の状態を観察しながら1回量を200mgずつ漸増し、1回600mg(1日1800mg)まで増量する。
なお、症状により適宜増減する。
8.1 光線過敏症があらわれることがあるため、投与にあたっては、事前に患者に対し以下の点について十分に指導すること。
・外出時には長袖の衣服、帽子等の着用や日傘、日焼け止め効果の高いサンスクリーン(SPF50+、PA+++)の使用により、紫外線にあたることを避けるなど、光曝露に対する防護策を講じること。[15.2.2参照]
・発疹、そう痒等の皮膚の異常が認められた場合には、速やかに医師に連絡すること。
8.2 眠気、めまい、ふらつきが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
8.3 肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.1参照]
8.4 無顆粒球症、白血球減少、好中球減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うこと。[11.1.2参照]
9.2 腎機能障害患者
腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害を悪化させるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラットにおいて、妊娠期間の延長及び出生率の低下、胎児への移行が認められている。また、ウサギでは、流産又は早産が認められている。なお、いずれの動物試験においても催奇形性は認められなかった
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ラットにおいて、乳汁中への移行及び哺育中期以降に出生児の体重増加抑制が認められている
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 ヒトにおける光曝露に伴う皮膚の発がんの可能性について十分な情報はないが、チャイニーズハムスター肺由来培養細胞を用いた光染色体異常試験において、光照射による染色体構造異常誘発性が認められており、光毒性(光線過敏症)が惹起される血漿中濃度と光遺伝毒性を生じる薬物濃度には乖離はない
15.2.2 モルモットを用いた皮膚光毒性試験において、皮膚光毒性を有することが認められた。なお、SPF50+、PA+++のサンスクリーンで光毒性の発現を予防できることが確認されている
15.2.3 マウス、ラットを用いた長期がん原性試験(104週)において、肝細胞腫瘍(マウス800mg/kg/日以上、ラット750mg/kg/日以上)及び子宮腫瘍(ラット1500mg/kg/日)の発生増加が認められたが、いずれもげっ歯類に特異的な機序によるものと考えられる
15.2.4 ラット、イヌを用いた心血管系試験において、血圧低下(ラット300mg/kg)、心拍数増加(ラット、イヌともに100mg/kg以上)が観察され、心電図では、房室ブロック(ラット100mg/kg以上)、連発性の心室性期外収縮(ラット300mg/kg)、QTc間隔への影響(イヌ100mg/kg以上)が認められた。なお、
本剤は、主に肝代謝酵素CYP1A2で代謝される。[16.4参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フルボキサミンマレイン酸塩 | 本剤のAUCが約4倍増加したとの報告がある。 | これらの薬剤はCYP1A2を阻害する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シプロフロキサシン | 本剤のAUCが約1.8倍増加したとの報告がある。 | これらの薬剤はCYP1A2を阻害する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| タバコ | 本剤のAUCが約50%に減少したとの報告がある。 | 喫煙はCYP1A2を誘導する。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(0.4%)
AST、ALT等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれ、肝不全に至ることがある。[8.3参照]
11.1.2 無顆粒球症、白血球減少、好中球減少(いずれも頻度不明)[8.4参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 1〜5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
| 皮膚 | 光線過敏症(51.7%)、発疹 | そう痒、紅斑、湿疹、扁平苔癬 | ||
| 消化器 | 食欲不振(23.0%)、胃不快感(14.0%)、嘔気(12.1%)、下痢、胸やけ | 腹部膨満感、嘔吐、便秘、逆流性食道炎、口内炎、腹部不快感、腹痛、口唇炎 | 口唇びらん | |
| 循環器 | 動悸 | |||
| 精神神経系 | 眠気、めまい、ふらつき(感) | 頭痛、頭重 | 抑うつ、不安、不眠 | |
| 肝臓 | γ-GTP上昇(20.0%)、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇 | ビリルビン上昇 | ||
| 血液 | 白血球増加、好酸球増加 | 血小板減少 | ||
| その他 | 倦怠感 | 体重減少、発熱、味覚異常、筋骨格痛、ほてり |
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