2.1 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
2.2 本剤の成分又は三環系抗うつ剤に対し過敏症の既往歴のある患者
2.3 心筋梗塞の回復初期の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
2.4 尿閉(前立腺疾患等)のある患者[抗コリン作用により症状が悪化することがある。]
2.5 MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[10.1参照]
2.6 QT延長症候群のある患者[心室性不整脈を起こすおそれがある。][11.1.10参照]
精神科領域におけるうつ病・うつ状態
通常成人は日局生理食塩液または日局5w/v%ブドウ糖注射液250〜500mLに1アンプルを加え、2〜3時間にわたって1日1回点滴静注する。その後漸増し、1回3アンプルまで投与することもできる。一般に一週間以内に効果の発現を見るが、症状の改善がみられた後は徐々に経口投与に切りかえる。
8.1 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.2 うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。[5.、8.3、8.4、9.1.5、9.1.8、15.1.3参照]
8.3 不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、投与量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。[5.、8.2、8.4、9.1.5-9.1.8、15.1.3参照]
8.4 家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。[5.、8.2、8.3、9.1.5-9.1.8、15.1.3参照]
8.5 投与量の急激な減少ないし投与の中止により、嘔気、頭痛、倦怠感、易刺激性、情動不安、睡眠障害、筋攣縮等の離脱症状があらわれることがある。投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
8.6 無顆粒球症、汎血球減少等の血液障害があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと。[11.1.6参照]
8.7 QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、心室細動があらわれることがあるので、定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.10参照]
8.8 連用中は定期的に肝・腎機能検査を行うことが望ましい。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.1.2 排尿困難又は眼内圧亢進等のある患者
抗コリン作用により症状が悪化することがある。
9.1.3 心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害等)等の心疾患のある患者又は甲状腺機能亢進症の患者(ただし、心筋梗塞の回復初期の患者は除く)
循環器系に影響を及ぼすことがある。
9.1.4 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
痙攣を起こすことがある。なお、米国における臨床試験の結果、本剤の用量とてんかん発作出現に明らかな相関関係が認められている。
9.1.5 躁うつ病患者
躁転、自殺企図があらわれることがある。[5.、8.2-8.4、9.1.8、15.1.3参照]
9.1.6 脳の器質障害又は統合失調症の素因のある患者
精神症状を増悪させることがある。[8.3、8.4参照]
9.1.7 衝動性が高い併存障害を有する患者
精神症状を増悪させることがある。[8.3、8.4参照]
9.1.8 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。[5.、8.2-8.4、9.1.5、15.1.3参照]
9.1.9 副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫
高血圧発作を引き起こすことがある。
9.1.10 低血圧のある患者
高度の血圧低下が起こることがある。
9.1.11 低カリウム血症のある患者
低カリウム状態はQT延長の危険因子と考えられる。
9.1.12 高度な慢性の便秘のある患者
抗コリン作用により症状が悪化することがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
排泄障害により副作用があらわれやすい。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
代謝障害により副作用があらわれやすい。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。新生児に呼吸困難、嗜眠、チアノーゼ、興奮性、低血圧、高血圧、痙攣、筋痙縮、振戦等の離脱症状を起こしたとの報告がある。また、海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期に本剤を投与された患者群において、胎児での心血管系異常(心室又は心房中隔欠損等)の相対リスクは本剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある。動物実験(ウサギ)において静脈内投与した場合、胎児死亡率の増加が認められている。また、他の三環系抗うつ剤(イミプラミン)の動物実験(ウサギ)で催奇形作用が報告されている。
9.6 授乳婦
本剤投与中は授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中へ移行する。
9.7 小児等
慎重に投与すること。
9.8 高齢者
少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。起立性低血圧、ふらつき、抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘、眼内圧亢進等があらわれやすい。
注射液での過量投与情報は限られているので経口投与の症状及び処置法を参考に記載した。
13.1 徴候、症状
中枢神経系
眠気、昏迷、意識障害、運動失調、情動不安、激越、反射亢進、筋強剛、アテトーシス及び舞踏病アテトーシス様運動、痙攣、セロトニン症候群
心血管系
低血圧、頻脈、不整脈、伝導障害、ショック、心不全、非常にまれにQT延長、Torsade de pointes、心停止
その他
呼吸抑制、チアノーゼ、嘔吐、散瞳、発汗、乏尿、無尿等
13.2 処置
特異的な解毒剤は知られていない。腹膜透析又は血液透析はほとんど無効である。
症状が重篤な場合には、直ちに入院させ、少なくとも48時間は心モニターを継続する。心電図に異常がみられた患者は、心電図が正常に復した後であっても再発の可能性があるため、少なくとも72時間は、心機能の観察を継続すること。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 三環系抗うつ剤の長期投与でう歯発現の増加を招くことが報告されている。
15.1.2 本剤投与中にコンタクトレンズを使用している場合、角膜上皮の障害があらわれるおそれがある。本剤は抗コリン作用があり、涙液分泌を減少させる。
15.1.3 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。[5.、8.2-8.4、9.1.5、9.1.8参照]
15.1.4 主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を投与された患者で、骨折のリスクが上昇したとの報告がある。
外箱開封後は、遮光して保存すること。
本剤の代謝には肝薬物代謝酵素CYP2D6が関与している。また、CYP1A2、CYP3A4、CYP2C19も関与していると考えられている。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| MAO阻害剤セレギリン塩酸塩(エフピー)ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)サフィナミドメシル酸塩(エクフィナ)[2.5参照] | 発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等があらわれることがある。MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また本剤からMAO阻害剤に切り替えるときには、2〜3日間の間隔をおくことが望ましい。 | 本剤は活性アミンのシナプス内への取り込みを阻害して、受容体の感受性を増強する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 副交感神経刺激剤ピロカルピンセビメリン | これらの薬剤の作用が減弱されることがある。 | 本剤の抗コリン作用によりこれらの薬剤と拮抗的に作用すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗コリン作用を有する薬剤トリヘキシフェニジルアトロピン等 | 口渇、便秘、尿閉、視力障害、眠気等があらわれることがある。 | いずれも抗コリン作用を有するため。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アドレナリン作動薬アドレナリンノルアドレナリンフェニレフリン等 | 心血管作用(高血圧等)を増強することがある。 | 本剤は交感神経末梢ヘのノルアドレナリン等の取り込みを抑制し、受容体部位へのアドレナリン作動性を上昇させ、作用を増強させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アトモキセチン | 相互に作用が増強するおそれがある。 | ノルアドレナリンへの作用を相加的又は相乗的に増強する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 中枢神経抑制剤バルビツール酸誘導体等全身麻酔剤ハロタン等抗不安剤アルプラゾラム等アルコールサリドマイド | 中枢神経抑制作用が増強されることがある。 | いずれも中枢神経抑制作用を有するため。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フェノチアジン系精神神経用剤レボメプロマジン等 | 鎮静、抗コリン作用の増強があらわれることがある。 | いずれも中枢神経抑制作用、抗コリン作用を有するため。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)フルボキサミンパロキセチン等 | 本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。セロトニン症候群があらわれるおそれがある。 | これらの薬剤は本剤の肝臓での酸化的な代謝を阻害し、本剤の血中濃度を上昇させると考えられる。また、相互にセロトニン作動性が増強される可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)ミルナシプランリチウム製剤三環系抗うつ剤アミトリプチリンイミプラミン等トラマドール塩酸塩リネゾリド | セロトニン症候群があらわれるおそれがある。 | 相互にセロトニン作動性が増強される可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 肝酵素誘導作用をもつ薬剤バルビツール酸誘導体フェニトインカルバマゼピンリファンピシン等 | 本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。 | これらの薬剤の肝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フェニトイン | 他の三環系抗うつ剤(イミプラミン)で、フェニトインの作用が増強するとの報告がある。 | フェニトインの代謝が阻害され、フェニトインの血中濃度が上昇すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗不整脈剤キニジンプロパフェノンメチルフェニデートシメチジン黄体・卵胞ホルモン製剤シナカルセトサキナビル | 本剤の作用が増強されるおそれがある。 | これらの薬剤により、本剤の肝代謝が阻害され、血中濃度が上昇すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| テルビナフィン | 他の三環系抗うつ剤(イミプラミン)で活性代謝物の血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。 | テルビナフィンのCYP2D6の阻害により、イミプラミン又はその活性代謝物の代謝が遅延する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ホスアンプレナビル | 本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 | ホスアンプレナビルの活性代謝物であるアンプレナビルは本剤の代謝を競合的に阻害すると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 降圧剤グアネチジン | 降圧剤の作用を減弱することがある。 | 本剤がアドレナリン作動性神経遮断作用を有する降圧剤の交感神経ニューロンへの取り込みを阻害する。また、本剤は交感神経ニューロンへのカテコラミン取り込み阻害作用も有する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| インスリン製剤インスリンスルフォニル尿素系糖尿病用剤グリベンクラミドグリクラジド | 併用により過度の血糖低下を来すことがある。 | 本剤での機序は不明であるが、他の三環系抗うつ剤(ドキセピン)により低血糖に対する反応性が変化するか、インスリンに対する感受性が増大し、血糖降下作用が増強すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クマリン系抗凝血剤ワルファリン | 他の三環系抗うつ剤(ノルトリプチリン)との併用によりクマリン系抗凝血剤の血中濃度半減期が延長するとの報告がある。 | 機序不明。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| スルファメトキサゾール・トリメトプリム | 本剤との併用により抑うつが再発又は悪化することがある。 | 本剤の代謝促進又は両剤の受容体レベルでの拮抗作用によるものと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 電気ショック療法 | 痙攣閾値を低下させ、痙攣状態に陥るおそれがある。 | 本剤は痙攣閾値を低下させると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤スニチニブダサチニブマプロチリン等 | QT間隔延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等の重篤な副作用を起こすおそれがある。 | いずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| デスモプレシン | 低ナトリウム血症性の痙攣発作を起こすことがあるので、血清ナトリウム、血漿浸透圧等をモニターすること。 | いずれも低ナトリウム血症があらわれるおそれがあるため。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ゾニサミド | 高血圧、失神、不全収縮、発汗、てんかん、動作・精神障害の変化及び筋強剛等の副作用があらわれるおそれがある。 | 相加・相乗作用によると考えられる。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)
11.1.2 悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、またミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
11.1.3 セロトニン症候群(頻度不明)
不安、焦燥、せん妄、興奮、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクロヌス、反射亢進、下痢等を主症状とするセロトニン症候群があらわれることがあるので、これらの症状が出現した場合には投与を中止し、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
11.1.4 てんかん発作(頻度不明)
11.1.5 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
11.1.6 無顆粒球症、汎血球減少(いずれも頻度不明)
無顆粒球症(前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等)、汎血球減少があらわれることがある。[8.6参照]
11.1.7 麻痺性イレウス(頻度不明)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
11.1.8 間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.9 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
症状として低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等があらわれることがある。水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
11.1.10 QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、心室細動(いずれも頻度不明)[2.6、8.7参照]
11.1.11 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
注1)発現頻度は承認後の臨床試験等を含む。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上又は頻度不明 | 0.1%〜5%未満 | 0.1%未満 | |
| 循環器 | 起立性低血圧、心電図異常(QT延長等)、頻脈、不整脈、心ブロック、血圧上昇 | 血圧降下、動悸 | − |
| 精神神経系 | 眠気、知覚異常、幻覚、せん妄、精神錯乱、攻撃的反応、激越、悪夢、抑うつ悪化、記憶障害、離人症、ミオクロヌス、意識障害 | パーキンソン症状・振戦・アカシジア等の錐体外路障害、躁状態、不眠、あくび、性機能障害 | 言語障害、不安、集中力欠如、運動失調 |
| 抗コリン作用 | 口渇、眼内圧亢進、緑内障、尿閉 | 排尿困難、視調節障害(散瞳等)、便秘 | − |
| 皮膚 | 光線過敏症、脱毛 | − | − |
| 過敏症 | − | 発疹、そう痒感 | − |
| 血液 | 白血球減少、血小板減少、紫斑、点状出血、好酸球増多 | − | − |
| 肝臓 | AST、ALTの上昇 | − | − |
| 消化器 | 味覚異常 | 悪心・嘔吐、食欲不振 | 下痢 |
| 内分泌 | プロラクチンの分泌促進、乳房肥大、乳汁漏出、体重増加 | − | − |
| 長期投与注2) | 口周部等の不随意運動 | − | − |
| その他 | ふらつき・めまい、食欲亢進、浮腫、血栓性静脈炎(静脈内投与による)、注射部位反応(紅斑、静脈炎、疼痛等) | 倦怠感、脱力感、頭痛、発汗、異常高熱、熱感 | − |
(頻度についてはアナフラニール錠の「その他の副作用」に準じて記載)
注1)発現頻度は承認後の臨床試験等を含む。
注2)投与中止後も持続することがある。
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