本剤を単独で用いた場合には、過度のアルカローシスが起こることがあるので必ず「バイフィル透析剤」と同時に使用し、単独では使用しないこと。また、他の透析型人工腎臓の透析液とは同時に使用しないこと。
本剤を動脈側血液回路内に投与した場合には、過度のアシドーシスが起こることがあるので必ず静脈側血液回路内に投与すること。
投与中は十分な観察を行い、また、適宜、血液ガス分析装置により酸塩基平衡をモニターすること。アシドーシス又はアルカローシスが発現した場合には適切な処置を行うこと。
慢性腎不全における透析ろ過型人工腎臓の補充液として用いる。(透析型人工腎臓では治療の持続又は管理困難な場合に用いる)
透析ろ過型人工腎臓使用時の体液量の保持及び代謝性アシドーシスの是正の目的で、静脈側血液回路内に点滴注入する。投与はろ過液量と体液量とのバランスを保つように十分注意して行う。
通常、成人1時間あたり1.2〜2.0Lの投与速度で症状、血液生化学異常、電解質・酸塩基平衡異常、体液バランス異常等が是正されるまで行う。通常、1回の治療では4〜10Lを4〜5時間で投与する。
なお、1時間あたり1.5Lから投与を開始し、症状、血液生化学値、体液異常等により適宜増減する。また、血液流量が1分間あたり170mL未満の患者には1時間あたり1.3Lから投与を開始する。
本剤はバイフィル透析剤と同時に使用する。
心不全のある患者[水及びナトリウムの負荷により心不全が増悪するおそれがあるので、ろ過量と補充量のバランスに十分注意すること。]
不整脈(心房細動等)のある患者[症状を増悪するおそれがある。]
ジギタリス配糖体製剤投与中の患者[血清カリウム値低下によるジギタリス中毒発症のおそれがあるので、必要に応じカリウムを透析液「バイフィル透析剤」に添加して使用すること。]
急性代謝性アルカローシスを起こしテタニー、意識障害、精神障害、呼吸抑制、悪心・嘔吐等があらわれることがある。このような場合には、過量投与のおそれがあるので、投与の中止、減量、その他適切な処置をとること。
調製時
本剤はアルカリ性であり、他の注射液と混合する場合は、配合変化を起こしやすいので混合しないこと。
投与時
内容液に混濁・浮遊物等の異常が認められるときは使用しないこと。
開封後直ちに使用し、残液は決して使用しないこと。
投与に際しては、体温程度に温めること。
本剤の使用に際しては、定期的に血液検査(電解質、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、血糖等)を行うことが望ましい。
本剤の使用に際しては、「バイフィル透析剤」の使用上の注意を参照すること。
通常の血液透析から本剤投与に切り替えた場合には、血圧低下、体外循環路内の残血・凝血を認めることがあるので、十分注意すること。体外循環路内の残血・凝血を認めた場合には、抗凝固剤を増量するなど適切な処置を行うこと。
本剤及びバイフィル透析剤を用いた血液透析ろ過療法の臨床試験において、解析症例257例中53例(20.6%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。その主なものは、口渇8件(3.1%)、血圧上昇5件(1.9%)、血圧低下5件(1.9%)、悪心・嘔吐4件(1.6%)であった。(承認時)
市販後の使用成績調査では293例中18例(6.1%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。その主なものは、血圧上昇6件(2.0%)、口渇5件(1.7%)であった。(再審査終了時)
以下の副作用は、本剤及びバイフィル透析剤を用いた血液透析ろ過療法により起こるおそれのあるものである。
アルカローシス(5%以上)
アルカローシスがあらわれることがあるので治療中は観察を十分に行い、症状があらわれた場合には血液ガス分析を行い、治療を中止するなど適切な処置を行うこと。
アシドーシス(0.1〜5%未満)
アシドーシスがあらわれることがあるので治療中は観察を十分に行い、症状があらわれた場合には血液ガス分析を行い、炭酸水素ナトリウム投与等適切な処置を行うこと。
ショック
ショックを起こすことがあるとの報告があるので治療中は観察を十分に行い、症状があらわれた場合には、治療を中止するなど適切な処置を行うこと。
以下のような症状があらわれた場合には症状に応じて、適切な処置を行うこと。
5%以上又は頻度不明 | 0.1〜5%未満 | |
循環器 | 血圧低下、血圧上昇、発作性心房細動、頻脈 | |
消化器 | 口渇、悪心・嘔吐、腹痛 | |
呼吸器 | Po2低下、Pco2低下 | |
精神神経系 | 意識障害、筋痙攣、頭痛、疲労感、気分不快 | |
代謝・電解質異常 | 低血糖 | 低カリウム血症、高カリウム血症、高ナトリウム血症、高クロール血症、低クロール血症、高カルシウム血症、低カルシウム血症、高リン血症、高血糖 |
肝臓 | AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇 | |
血液 | Hb低下 | |
皮膚 | そう痒症 | |
耳 | 突発性難聴、感音難聴 | |
自律神経系 | 発赤 | |
その他 | 骨合併症(骨粗鬆症、骨軟化症、線維性骨炎等)、異所性石灰沈着症、不均衡症候群(意識混濁、昏睡、傾眠、痙攣、悪心、嘔吐、動悸、頭痛、不快・倦怠、疲労感) | 体外循環路内凝固 |
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