2.1 無尿又は重篤な腎障害のある患者(透析中の患者を除く)[9.2.1参照]
2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
下記疾患における尿中への鉄排泄増加
原発性ヘモクロマトーシス
続発性ヘモクロマトーシス
本剤1バイアル(デフェロキサミンメシル酸塩として500mg)を通常、日本薬局方注射用水5mLに溶解して使用する。通常、慢性鉄過剰症に対しては、1日量デフェロキサミンメシル酸塩として1000mgを1〜2回に分けて筋肉内に注射する。維持量としては、効果発現の程度に応じて、適宜1日量デフェロキサミンメシル酸塩として500mgに減量する。
患者が特に重篤であったり、あるいはショックの状態にあるときには、1回デフェロキサミンメシル酸塩として1000mgを毎時15mg/kgの速度で徐々に点滴静注し、1日量が80mg/kgを超えない範囲とする。
8.1 まれに視力障害、聴力障害があらわれることがあるので、投与に際しては定期的に眼科的検査及び聴力検査を行うこと。[8.3、9.1.1、9.1.2、9.2.2、11.1.2、11.1.3、13.1参照]
8.2 本剤投与中、特に投与開始初期には尿中鉄排泄量及び血清フェリチン値を定期的に検査し、用法及び用量の調整を行うこと。
8.3 本剤投与中にめまい、視覚・聴覚障害を訴える患者には、本剤投与中は自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないこと。[8.1、11.1.2、11.1.3、13.1参照]
8.4 血清フェリチン値が1,000又は2,500ng/mLを超えた場合には、臓器障害や生存期間に影響することが示唆されている
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 血清フェリチン値の低い患者
血清フェリチン値が2,000ng/mL以下の患者では眼障害、聴力障害等の副作用があらわれやすい。[8.1、11.1.2、11.1.3、13.1参照]
9.1.2 糖尿病患者
網膜病変があらわれやすい。[8.1、11.1.2、13.1参照]
9.1.3 心機能不全のある患者[10.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 無尿又は重篤な腎障害のある患者(透析中の患者を除く)
投与しないこと。金属錯体の約半分は腎を介して排泄されるため、排泄が遅延する。なお透析膜は通過するので透析患者には投与可能である。[2.1参照]
9.2.2 腎機能障害のある患者(透析中の患者を含む)
眼障害、聴力障害等の副作用があらわれやすい。[8.1、11.1.2、11.1.3、13.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
肝機能が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で、胎児の骨格異常が認められたとの報告がある。[2.3参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への移行は不明である。
9.7 小児等
定期的に身長、体重を測定すること。低血清フェリチン値の小児に対し、高用量を使用した場合、成長遅延、骨成長発育障害があらわれやすいとの報告がある。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
13.1 症状
眼障害、聴力障害、腎障害が報告されている。[8.1、8.3、9.1.1、9.1.2、9.2.2、11.1.2、11.1.3、11.1.6参照]
13.2 処置
本剤は血液透析により除去可能である。
14.1 薬剤調製時の注意
溶液が乳濁した場合には使用しないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 筋肉内注射時
(1)注射部位の疼痛、硬結を起こすことがある。
(2)組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
・筋肉内投与は必要最小限に行うこと。なお、特に同一部位への反復注射は行わないこと。また、小児等には特に注意すること。
・神経走行部位を避けるよう注意すること。
・注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
14.3 薬剤投与中の注意
14.3.1 本剤投与中にクエン酸ガリウム静注によるシンチグラフィーを行う場合は、本剤の投与はあらかじめ中止しておくこと。(本剤とクエン酸ガリウムがキレートを形成し、急速に尿中に排泄されるため、ガリウムスキャンイメージが得られない場合がある)
14.3.2 尿がフェリオキサミンB(赤褐色)により、着色することがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 外国で高用量静注療法により間質性肺炎、呼吸困難・チアノーゼを伴う急性呼吸窮迫症候群(ARDS)があらわれたとの報告がある。
15.1.2 外国でアルミニウム過剰症の患者への投与(本効能又は効果は国内では未承認)により、神経症状(痙攣等)の悪化、透析性認知症の誘発・悪化がみられたとの報告がある。
15.1.3 外国で運動・感覚神経障害(脱力・感覚異常)があらわれたとの報告がある。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ビタミンC[9.1.3参照] | 1日500mg以上(経口)のビタミンCとの併用では、心機能の低下がみられたとの報告があるので、併用に際しては心機能に注意すること。 | 機序は不明である。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| プロクロルペラジン | 一過性の意識障害があらわれたとの報告がある。 | 機序は不明である。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー、血管浮腫があらわれることがある。
11.1.2 眼障害(頻度不明)
水晶体混濁、視力低下、夜盲、色覚異常、視野欠損、霧視、網膜色素変性、視力消失、視神経炎、暗点、角膜混濁があらわれることがある。[8.1、8.3、9.1.1、9.1.2、9.2.2、13.1参照]
11.1.3 聴力障害(頻度不明)
難聴等の聴力障害、耳鳴、高音域での感音性難聴があらわれることがある。[8.1、8.3、9.1.1、9.2.2、13.1参照]
11.1.4 エルシニア感染症(頻度不明)
エルシニア敗血症等の感染症(
11.1.5 ムーコル症(頻度不明)
ムーコル症等の重症真菌感染症があらわれることがある。
11.1.6 急性腎障害、腎尿細管障害(頻度不明)[13.1参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 0.1〜5%未満 | 頻度不明 | |
| 血液 | − | 血小板減少、白血球数減少 |
| 神経系 | − | めまい、頭痛、痙攣 |
| 循環器注) | − | 低血圧、頻脈 |
| 胃腸 | − | 下痢、腹痛、嘔気、嘔吐 |
| 肝臓 | − | 黄疸、肝機能障害(AST、ALT上昇等) |
| 過敏症 | 発疹 | 紅斑、蕁麻疹 |
| 筋骨格系障害 | − | 筋痙縮、関節痛、骨痛 |
| 腎臓 | − | 血尿、乏尿、血中クレアチニン増加 |
| 全身症状 | − | 発熱、けん怠感 |
| 注射部位・適用部位 | 疼痛 | 硬結 |
| その他 | − | 血清Ca低下、副甲状腺機能亢進症の悪化 |
注)静脈内投与により、このような症状があらわれることがあるので、点滴静注の場合の注入速度に注意すること。
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