本剤の投与は、本剤の適正使用推進策について十分に理解し、あらかじめ登録された医師・薬剤師のいる登録医療機関・薬局のもとでのみ行うとともに、それら薬局においては、調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤を行うこと。[5.1参照]
重篤な不整脈のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
下記疾患に伴う日中の過度の眠気
○ナルコレプシー
○特発性過眠症
○持続陽圧呼吸(CPAP)療法等による気道閉塞に対する治療を実施中の閉塞性睡眠時無呼吸症候群
通常、成人にはモダフィニルとして1日1回200mgを朝に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は300mgまでとする。
<効能共通>
眠気の程度によっては本剤の服用によっても覚醒レベルが正常に復さない可能性があるので、日中の眠気等の臨床症状について観察を十分に行い、必要に応じて自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないように注意すること。
動物実験(サル)より、精神依存の形成が示唆されており、連用により薬物依存が生じるおそれがある。観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意すること。[9.1.5参照]
うつ病、躁病、その他の精神系疾患又はその既往のない患者においても、幻覚、妄想、自殺念慮等の精神症状が報告されている。これらの症状があらわれた場合は本剤の投与中止を考慮すること。[9.1.3参照]
<閉塞性睡眠時無呼吸症候群>
本剤の効果は睡眠に代わるものではなく、適切な睡眠を確保する必要があることを患者に説明すること。
本剤投与にあたっては、CPAP療法等の気道閉塞に対する治療を継続し、患者に対して生活習慣の改善を指導するとともに、投与継続の要否について定期的に検討し、本剤を漫然と投与しないよう注意すること。
高血圧、心血管疾患を合併していることが多いので、本剤投与前及び投与中は、心電図検査を実施するなど、合併症の状態を定期的に確認すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心障害又はその既往歴のある患者(重篤な不整脈のある患者を除く)
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2 高血圧の患者
血圧を上昇させるおそれがある。
9.1.3 うつ病、躁病、その他の精神系疾患又はその既往のある患者
症状を悪化させるおそれがある。[8.3参照]
9.1.4 てんかん又はその既往歴のある患者
痙攣閾値を低下させるおそれがある。
9.1.5 薬物依存、アルコール依存等の既往歴のある患者
観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意すること。[8.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
排泄が遅延するおそれがある。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。高い血中濃度が持続し副作用が発現するおそれがある。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ウサギの生殖発生毒性試験の高用量群(180mg/kg/日)において胎児に眼瞼開裂、前・後肢の内側転回、指の癒合が報告されている。
9.6 授乳婦
授乳中の女性には本剤投与中は授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)において、モダフィニルが乳汁中に移行することが認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。クリアランスの低下及びCmax、AUCが増加する。[16.6.3参照]
13.1 症状
過量投与により、不眠症、中枢神経系症状(落ち着きのなさ、失見当識、錯乱、激越、不安、興奮、幻覚)、消化器系症状(悪心、下痢)、心血管系症状(頻脈、徐脈、高血圧、胸痛)が起こることがある。
外国の市販後において過量服用による死亡例が報告されている。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
25.1 投薬期間制限医薬品に関する情報
本剤は厚生労働省告示第42号(平成30年3月5日付)に基づき、投薬は1回30日分を限度とされています。
本剤は、一部薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。また、本剤はCYP2C9、CYP2C19を阻害し、CYP1A2、CYP2B6、CYP3A4を誘導すると考えられている。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
経口避妊薬エチニルエストラジオールシクロスポリントリアゾラム[16.7.3、16.7.4参照] | これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。 | 本剤がこれらの主代謝酵素であるCYP3A4を誘導するためと考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
昇圧剤ノルアドレナリン、アドレナリン | 昇圧剤の作用を増強するおそれがある。 | 本剤の交感神経刺激作用によるものと考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
MAO阻害剤セレギリン塩酸塩ラサギリンメシル酸塩サフィナミドメシル酸塩 | MAO阻害剤の作用を増強するおそれがある。 | 本剤の交感神経刺激作用によるものと考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ワルファリン | ワルファリンの作用を増強するおそれがある。 | 本剤がワルファリンの主代謝酵素であるCYP2C9を阻害するためと考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
フェノバルビタール | 本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 | フェノバルビタールがCYP3A4を誘導することにより、本剤の代謝が促進するためと考えられる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP2C19により代謝される薬剤プロトンポンプ阻害剤等 | これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 | 本剤がCYP2C19を阻害するためと考えられる。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(いずれも頻度不明)
11.1.2 薬剤性過敏症症候群
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらに肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
11.1.3 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
蕁麻疹、そう痒感、血管浮腫、呼吸困難、血圧低下、チアノーゼ等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5%以上 | 5%未満 | 頻度不明 | |
過敏症 | − | 発疹、そう痒 | 血管浮腫 |
肝臓 | − | AST、ALT、γ-GTP、Al-P、LDHの上昇 | − |
精神神経系 | 頭痛(23.2%)、不眠 | めまい、傾眠、いらいら感、カタプレキシーの増悪、しびれ、神経過敏、振戦、ジスキネジー、不安、うつ状態、躁状態 | 錯感覚、幻覚、妄想、攻撃性、興奮、思考異常 |
循環器 | 動悸 | 血圧上昇、頻脈、胸痛 | − |
消化器 | 口渇 | 食欲不振、胃部不快感、悪心・嘔吐、下痢、便秘、胃炎、腹痛、口内炎、食欲亢進、舌炎、鼓腸 | 消化不良 |
その他 | 体重減少 | 鼻咽頭炎、肩こり、発汗、発熱、倦怠感、トリグリセリド上昇、コレステロール上昇、白血球数減少、熱感、耳鳴、体重増加、背部痛、鼻炎、咳嗽、尿臭異常 | 血管拡張(潮紅)、末梢性浮腫 |
モディオダール錠100mg 303.6円/錠
m3.comにご登録済の方
薬剤名検索
薬剤情報提供:一般財団法人日本医薬情報センター 剤形写真提供:株式会社薬事日報社
・薬剤情報・剤形写真は月一回更新しておりますが、ご覧いただいた時点で最新情報ではない可能性がございます。 最新情報は、各製薬会社のWebサイトなどでご確認ください。
・投稿内容の中に適応外、承認用法・用量外の記載等が含まれる場合がありますが、エムスリー、製薬会社が推奨するものではありません。