本剤あるいは他のビスホスホン酸塩に対し、過敏症の既往歴のある患者
悪性腫瘍による高カルシウム血症
通常、成人にはアレンドロン酸として10mgを日局「生理食塩液」又は日局「ブドウ糖注射液(5%)」500mLに混和し、約4時間かけて、単回点滴静脈内投与する。
なお、症状により用量を適宜増減する。ただし、アレンドロン酸として20mgを上限とする。
再投与が必要な場合には、初回投与による反応を確認するために少なくとも1週間の投与間隔を置くこと。
高カルシウム血症の再発に応じて再投与できるが、初回投与による反応を確認するために少なくとも1週間の投与間隔を置くこと。
使用経験がないので、1回20mgを超える投与は行わないこと。
本剤投与後は、高カルシウム血症と関連した血清カルシウム、リン、マグネシウムやカリウム等の変動に注意すること。
本剤投与により低カルシウム血症が投与後3〜10日目頃に出現することがあるので、血清カルシウムについては特に注意すること。特に、高カルシウム血症に対する他の治療(カルシトニン、ステロイド、利尿剤、補液等)あるいは原疾患の治療(抗悪性腫瘍剤、放射線照射等)を併せて行う場合は、本剤の単独投与に比べて低カルシウム血症が発現しやすいので注意すること。(「相互作用」の項参照)
臨床症状(テタニー、しびれ等)を伴う低カルシウム血症があらわれた場合にはカルシウム剤の点滴投与などを考慮すること。
本剤投与後は定期的に腎機能検査(血清クレアチニン、BUN等)を行うこと。
本剤投与後は血圧・心拍数の変動に注意すること。
悪性腫瘍以外の原因による高カルシウム血症(副甲状腺機能亢進症等)治療における本剤の有用性は確立していない。
ビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、
本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に歯科処置が必要になった場合には、できる限り非侵襲的な歯科処置を受けるよう指導すること。
また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。(「重大な副作用」の項参照)
重篤な腎障害のある患者[使用経験が少なく、また動物実験(ラット)で腎への影響が認められている。]
重篤な肝障害のある患者[使用経験は少ないが、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇を呈した症例が報告されている。]
全身状態が極めて不良である患者
心疾患のある患者(特に高齢者)
混和する生理食塩液等の液量を減らすなど慎重に投与すること。[生理食塩液等の過量負荷により、うっ血性心不全を起こすおそれがある。また、本剤投与後通常1〜2日に発熱がみられることがあるが、これも心疾患の悪化に関与するおそれがある。]
調製方法
日局「生理食塩液」又は日局「ブドウ糖注射液(5%)」500mLに混和すること。
カルシウム又はマグネシウムイオンと結合して不溶性沈殿物を形成することがあるので、カルシウム又はマグネシウムを含有する点滴溶液と混合しないこと。
調製後は、すみやかに使用すること。
投与方法
本剤は点滴静注にのみ使用し、約4時間かけてゆっくり投与すること。
アンプルカット時
本剤はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭しカットすることが望ましい。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カルシトニン製剤エルカトニンカルシトニンサケカルシトニン(合成) | 血清カルシウムが急速に低下するおそれがある。臨床症状(テタニー、しびれ等)を伴う低カルシウム血症があらわれた場合には、カルシウム剤の点滴投与などを考慮すること。 | 本剤の血清カルシウム低下作用と、カルシトニン製剤の血清カルシウム低下作用とが相まって、血清カルシウムが急速に低下するおそれがある。 |
臨床試験(治験)
承認時の安全性評価対象241例中34例(14.1%)に37件の副作用が認められた。
主な症状は、発熱18件(7.5%)、下痢6件(2.5%)等で、副作用とされた臨床検査値の変動は、AST(GOT)・ALT(GPT)上昇2件(0.8%)、低カルシウム血症2件(0.8%)等であった。
使用成績調査(再審査終了時)
総症例801例中102例(12.7%)に175件の副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主なものは低リン血症34件(4.2%)、ALT(GPT)上昇13件(1.6%)、AST(GOT)上昇11件(1.4%)、肝機能異常11件(1.4%)、発熱10件(1.2%)、低カリウム血症8件(1.0%)であった。
低カルシウム血症(0.8%)
痙攣、テタニー、しびれ、失見当識、QT延長等を伴う低カルシウム血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合にはカルシウム剤の点滴投与等を考慮すること。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)等の重篤な皮膚症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
顎骨壊死・顎骨骨髄炎(頻度不明)
顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
急性腎不全
類薬(パミドロン酸二ナトリウム)で、まれに急性腎不全(0.1%未満)があらわれたとの報告があるので、症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | 1〜5%未満 | 1%未満 | |
| 消化器 | 下痢、嘔吐、悪心、食欲不振 | ||
| 皮膚・皮膚付属器 | 蕁麻疹、紅斑、かゆみ | 発疹 | |
| 肝臓 | 肝機能異常 | ||
| 中枢・末梢神経系 | 頭痛、浮動性めまい、回転性めまい | ||
| 筋・骨格系 | 関節痛注)、筋肉痛注) | 骨痛注) | |
| 電解質代謝 | 低リン血症 | 低カリウム血症、低リン尿症 | |
| 眼 | ぶどう膜炎、強膜炎、上強膜炎 | ||
| その他 | 血管浮腫、末梢性浮腫、倦怠感、脱力(感) | 発熱 | CK(CPK)上昇 |
注)投与初日から数ヵ月後に、まれに、日常生活に支障を来たすような激しい痛みを生じることが報告されている。なお、ほとんどが投与中止により軽快している。
テイロック注射液5mg 15079円/管
テイロック注射液10mg 31684円/管
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