遺伝子組換えファブリー病治療剤
| 一般名 |
アガルシダーゼベータ(遺伝子組換え)
|
|---|---|
| 製造/販売 | サノフィ |
| 剤形/規格 |
|
本剤投与により重篤なアナフィラキシーが発現する可能性があるので、本剤は、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。また、重篤なinfusion reactionが発現した場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.1参照]
本剤の成分又はα-ガラクトシダーゼ製剤に対するアナフィラキシーショックの既往歴のある患者[8.1参照]
ファブリー病
通常、アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり1mgを隔週、点滴静注する。
8.1 本剤はたん白質製剤であるため、アナフィラキシーショックが起こる可能性は否定できないため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置を取れる準備をしておくこと。[1.、2.、9.1.1参照]
8.2 本剤投与によりinfusion reaction(IR)が発現する可能性がある。次回投与に際しては、下表を参考とすること。[7.1、11.1.1参照]
| IRの重症度及び頻度 | 軽度〜中等度のIRの初回又は再発 | 重度のIRの初回又は再発 |
| 前投薬 | 投与開始1時間前 ・抗ヒスタミン剤 ・解熱鎮痛剤/抗炎症剤 |
投与開始約12時間、6時間及び1時間前 ・副腎皮質ホルモン剤 投与開始1時間前 ・抗ヒスタミン剤 ・解熱鎮痛剤/抗炎症剤 |
| 投与速度 | 0.15mg/分より開始し、異常が見られなければ徐々に0.25mg/分まで投与速度を上げる。 | |
8.3 Infusion reactionの発現を予測するため定期的にアガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)に対するIgG抗体検査を行うことが望ましい。投与により、大部分の患者でIgG抗体産生が予想され、そのような患者はinfusion reactionを発現しやすいと考えられる。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分又はα-ガラクトシダーゼ製剤に対する過敏症の既往歴のある患者[8.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある患者には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合のみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 溶解約30分前には室温に戻すこと。用時1バイアルを35mg製剤は日局注射用水7.2mLで、5mg製剤は日局注射用水1.1mLでそれぞれ溶解し、アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え)として5mg/mLの溶液とする。各バイアルに規定量の日局注射用水を加え、溶液が泡立たないように静かに混和する。異物や変色の見られたバイアルは使用しないこと。溶解後は速やかに希釈すること。
14.1.2 各バイアルから規定の液量(患者の体重あたりで計算した必要量)を採取し、日局生理食塩液中に注入し、最終容量
14.1.3 溶解・希釈後は速やかに使用すること。やむを得ず保存する場合は、遮光して2〜8℃で保存し、24時間以内に使用すること。
14.1.4 他剤との混注を行わないこと。
14.1.5 各バイアルは一回限りの使用とすること。
14.2 薬剤投与時の注意
たん白質を吸着しにくいポアサイズ0.2ミクロンのインラインフィルターを使用することが望ましい。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 IgE抗体産生
海外において、本剤に対するIgE陽性あるいは皮膚試験陽性となり投与を中止したが、その後投与を再開した患者が報告されている。再投与は、投与量0.5mg/kg、最初の30分の点滴速度を0.01mg/分(0.6mg/時)で開始し、その後は患者の様子をみながら徐々に投与速度を上昇させ、忍容性が良好な場合、通常の投与量(1mg/kg)に戻る投与方法で、再投与に成功している
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 ラットを用いた生殖発生毒性試験において、10〜30mg/kg/日で11日間連続投与したところ、連日の高用量投与による蓄積が原因と考えられる肝細胞壊死が認められた
20.1 外箱に記載された使用期限を過ぎた製剤は使用しないこと。
20.2 外箱開封後は遮光にて保存すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 Infusion reaction(本剤投与当日に発現する反応)(頻度不明)
悪寒、発熱、体温変動感、悪心、高血圧、嘔吐、潮紅、錯感覚(ファブリー痛)、疲労、疼痛(四肢痛)、頭痛、そう痒症、胸痛(胸部不快感)、低血圧、頻脈、動悸、徐脈、呼吸困難、喘鳴(咽喉絞扼感)、咳嗽、鼻炎、発疹、蕁麻疹、流涙増加、腹痛、筋痛、浮動性めまい、蒼白、酸素飽和度低下、浮腫等が報告されている。投与中あるいは投与終了後は、観察を十分に行い、これらの症状が発現した場合は、点滴速度を下げ、あるいは投与を一時中止し、適切な薬剤治療(抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤等)や緊急処置を行うこと。[7.1、8.2参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 1%以上注) | 1%未満注) | 頻度不明注) | |
| 血液およびリンパ系 | 好酸球増加症 | ||
| 心臓 | 徐脈、動悸 | 頻脈 | |
| 眼 | 流涙増加 | ||
| 胃腸 | 悪心、腹痛、嘔吐 | ||
| 全身および投与局所様態 | 胸痛、悪寒、発熱、疲労、末梢性浮腫 | 体温変動感 | |
| 感染症および寄生虫症 | 胃腸炎 | ||
| 筋骨格系および結合組織 | 疼痛 | 背部痛 | 筋肉痛 |
| 神経系 | 頭痛 | 錯感覚 | |
| 呼吸器、胸郭および縦隔 | 呼吸困難、咳嗽 | 呼吸窮迫、喘鳴 | 鼻炎 |
| 皮膚および皮下組織 | そう痒症、蕁麻疹、発疹 | ||
| 血管 | 潮紅 | 高血圧、低血圧 |
注)発現頻度は、承認時までの臨床試験、使用成績調査、特定使用成績調査及び製造販売後臨床試験の結果を合わせて算出した。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
外国における第1/2相試験、第3相二重盲検比較試験、その継続試験、及び第4相二重盲検比較試験、その継続試験、第2相小児臨床試験で認められた副作用(評価例数168例、投与期間1回投与から最長5年)
| >10% | 5〜10% | 1〜5% | |
| 心臓 | 頻脈 | 動悸 | |
| 眼 | 流涙増加 | ||
| 胃腸 | 悪心、嘔吐 | 腹痛 | 上腹部痛、腹部不快感、胃不快感、口の感覚鈍麻 |
| 全身および投与局所様態 | 悪寒、発熱、冷感 | 疲労、胸部不快感、熱感 | 末梢性浮腫、疼痛、無力症、胸痛、倦怠感、顔面浮腫、高熱 |
| 臨床検査 | 血圧上昇、体温上昇 | 心拍数増加、血圧低下 | |
| 筋骨格系および結合組織 | 四肢痛 | 筋痛、背部痛、筋痙縮、関節痛、筋緊張、筋骨格硬直 | |
| 神経系 | 頭痛、錯感覚(ファブリー痛) | 浮動性めまい、傾眠 | 感覚鈍麻、灼熱感、嗜眠 |
| 呼吸器、胸郭および縦隔 | 呼吸困難 | 鼻閉、咽喉絞扼感、喘鳴、咳嗽、呼吸困難増悪 | |
| 皮膚および皮下組織 | そう痒症、蕁麻疹 | 発疹、紅斑、全身性そう痒症、血管神経性浮腫、顔面腫脹 | |
| 血管 | 潮紅 | 高血圧、蒼白、低血圧、ほてり |
ファブラザイム点滴静注用5mg 102304円/瓶
ファブラザイム点滴静注用35mg 569593円/瓶
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効果の強さ
投稿日: 2020/08/03 参考率: 100%(3人/3人)
精神・神経科/40代/処方経験なし