本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
片頭痛発作の急性期治療及び発症抑制
<片頭痛発作の急性期治療>
通常、成人にはリメゲパントとして1回75mgを片頭痛発作時に経口投与する。
<片頭痛発作の発症抑制>
通常、成人にはリメゲパントとして75mgを隔日経口投与する。
本剤は片頭痛の治療に関する十分な知識及び経験を有する医師のもとで使用すること。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 末期腎不全の患者(eGFR 15mL/min/1.73m2未満)
投与を避けることが望ましい。本剤の非結合形の血漿中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。末期腎不全患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.2.2 中等度及び重度の腎機能障害のある患者(それぞれeGFR 30〜59mL/min/1.73m2、30mL/min/1.73m2未満)
本剤の非結合形の血漿中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類C)
投与を避けることが望ましい。本剤の非結合形の血漿中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。[16.6.2参照]
9.3.2 中等度の肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類B)
本剤の非結合形の血漿中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットの胚・胎児発生試験において、器官形成期の経口投与で母体毒性がみられた用量において胎児毒性(胎児重量の低値及び骨格変異の発現頻度上昇)が認められ、胚・胎児発生に関する無毒性量の曝露量(血漿のAUC)は、ヒトに本剤75mgを1日1回投与したときの曝露量の46倍であった
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
授乳中健康成人女性12例にリメゲパント75mgを単回経口投与したとき、母乳及び血漿のAUC比(母乳/血漿)の平均値は0.20であり、相対的乳児投与量は1%未満であった
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
13.1 処置
本剤は血清タンパク結合率が高いため、透析により有意に除去できる可能性は低い。
14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・ブリスターシートから取り出して服用すること。シートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
・ブリスターシートから取り出す際は、1錠分の裏面のシートを完全に剥がした後、錠剤を取り出すこと。本剤は通常の錠剤と比べて性質上柔らかく、割れることがあるので、裏面のシートを剥がさずに押し出さないこと。
・吸湿性を有するため、使用直前に乾いた指でブリスターシートから取り出すこと。
・本剤を水で服用した場合のデータは得られていないため、本剤は舌の上又は舌下で唾液を浸潤させた後、水なしでの服用を推奨すること。
・ブリスターシートから出したまま保管しないこと。
本剤はP-gpの基質であり、主にCYP3A4で代謝され、一部はCYP2C9で代謝される。[16.4参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強いCYP3A4阻害剤クラリスロマイシンイトラコナゾールリトナビル等[16.7.1参照] | 本剤の血漿中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがあるため、これらの薬剤との併用を避けることが望ましい。 | これらの薬剤のCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害され血漿中濃度が上昇する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 中程度のCYP3A4阻害剤ジルチアゼムエリスロマイシンフルコナゾール等[16.7.2参照] | 本剤の血漿中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。 | これらの薬剤のCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害され血漿中濃度が上昇する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強い又は中程度のCYP3A4誘導剤フェノバルビタールリファンピシンセイヨウオトギリソウ(John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品ボセンタンエファビレンツモダフィニル等[16.7.3参照] | 本剤の血漿中濃度が低下し、作用が減弱されるおそれがあるため、これらの薬剤との併用を避けることが望ましい。 | これらの薬剤のCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が促進され血漿中濃度が低下する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| P-gp阻害剤シクロスポリンベラパミルキニジン等[16.7.4参照] | 本剤の血漿中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。 | これらの薬剤の消化管におけるP-gp阻害作用により、本剤の消化管吸収が増大し、血漿中濃度が上昇する。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 過敏症(頻度不明)
呼吸困難や発疹等の過敏症があらわれることがある。投与から数日後に症状があらわれ、遅延型の重篤な過敏症に至ることがある。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 1%以上 | 0.5〜1%未満 | 0.5%未満 | |
| 感染症及び寄生虫症 | 上気道感染、尿路感染、単純ヘルペス、前庭神経炎 | ||
| 血液及びリンパ系障害 | 白血球減少症、好中球減少症、鉄欠乏性貧血、貧血 | ||
| 代謝及び栄養障害 | 食欲亢進 | ||
| 精神障害 | うつ病、不眠症、易刺激性、異常な夢、錯乱状態、不安 | ||
| 神経系障害 | 浮動性めまい | 傾眠、片頭痛、頭痛、錯感覚、頭部不快感、味覚不全 | |
| 眼障害 | ドライアイ | ||
| 耳及び迷路障害 | 回転性めまい | ||
| 心臓障害 | 動悸 | ||
| 血管障害 | 高血圧、潮紅 | ||
| 呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | 呼吸困難 | ||
| 胃腸障害 | 便秘 | 悪心、下痢 | 腹痛、嘔吐、腹部不快感、胃食道逆流性疾患 |
| 肝胆道系障害 | 肝機能異常、脂肪肝 | ||
| 皮膚及び皮下組織障害 | 発疹、そう痒症、ざ瘡、多汗症、蕁麻疹 | ||
| 筋骨格系及び結合組織障害 | 頚部痛、背部痛 | ||
| 腎及び尿路障害 | 頻尿 | ||
| 一般・全身障害及び投与部位の状態 | 疲労、倦怠感、口渇 | ||
| 臨床検査 | アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 | アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、体重増加、肝酵素上昇、血中クレアチニン増加、糸球体濾過率減少、肝機能検査値上昇、血圧上昇、心電図QT延長 | |
| 傷害、中毒及び処置合併症 | サンバーン |
ナルティークOD錠75mg
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