房室ブロック、洞房ブロックのある患者[刺激伝導系を抑制し、これらを悪化させることがある]
ジギタリス中毒の患者[中毒症状が悪化する]
閉塞性心筋疾患(特発性肥大性大動脈弁下狭窄等)のある患者[心筋収縮力を増強し、左室流出路の閉塞を悪化させることがある]
本剤の成分又はジギタリス剤に対し過敏症の既往歴のある患者
次の疾患にもとづくうっ血性心不全(肺水腫、心臓喘息などを含む。)
先天性心疾患、弁膜疾患、高血圧症、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)、肺性心(肺血栓・塞栓症、肺気腫、肺線維症などによるもの)、その他の心疾患(心膜炎、心筋疾患など)、腎疾患、甲状腺機能亢進症ならびに低下症など
心房細動・粗動による頻脈
発作性上室性頻拍
次の際における心不全及び各種頻脈の予防と治療
手術、急性熱性疾患、出産、ショック、急性中毒
ジゴキシンとして通常成人に対して
急速飽和療法(飽和量:1.0〜4.0mg)
初回0.5〜1.0mg、以後0.5mgを6〜8時間毎に経口投与し、十分効果のあらわれるまで続ける。
比較的急速飽和療法を行うことができる。
緩徐飽和療法を行うことができる。
維持療法
1日0.25〜0.5mgを経口投与する。
ジゴキシンとして通常小児に対して
急速飽和療法
2歳以下
1日0.06〜0.08mg/kgを3〜4回に分割経口投与する。
2歳以上
1日0.04〜0.06mg/kgを3〜4回に分割経口投与する。
維持療法
飽和量の1/5〜1/3量を経口投与する。
本剤を投与する場合には観察を十分に行い、過去2〜3週間以内にジギタリス剤又はその他の強心配糖体が投与されているか否かを確認したのち、慎重に投与量を決定すること。
本剤の至適投与量は患者により個人差があるので、少量から投与を開始し、観察を十分に行い投与量を調節すること。
急性心筋梗塞のある患者[心筋収縮力増強により心筋虚血を悪化させるおそれがある]
心室性期外収縮のある患者[中毒が発現した場合、鑑別ができないおそれがある]
心膜炎、肺性心のある患者[少量で中毒を起こすおそれがある]
WPW症候群のある患者[副伝導路の伝導速度を速め、不整脈が悪化するおそれがある]
電解質異常(低カリウム血症、高カルシウム血症、低マグネシウム血症等)のある患者[少量で中毒を起こすおそれがある]
腎疾患のある患者[本剤の排泄が遅延し、中毒を起こすおそれがある]
血液透析を受けている患者[本剤の排泄が遅延する。また、透析により血清カリウム値が低下する可能性があるため、中毒を起こすおそれがある]
甲状腺機能低下症のある患者[本剤の血中濃度が高くなり、作用が増強し、中毒を起こすおそれがある]
甲状腺機能亢進症のある患者[本剤の血中濃度が低くなり、作用が減弱し、大量投与を要することがある]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
徴候・症状
ジギタリス中毒が起こることがある。(「副作用」の項参照)
処置法
薬物排泄
胃内のジゴキシンの吸収を防止するために活性炭が有効と報告されている。
心電図
直ちに心電図による監視を行い、上記のジギタリス中毒特有の不整脈の発現に注意する。
重篤な不整脈の治療法
徐脈性不整脈及びブロックにはアトロピン等が用いられる。(徐脈性不整脈に通常用いられる交感神経刺激剤はジギタリス中毒には用いない)
重篤な頻脈性不整脈が頻発するときは塩化カリウム、リドカイン、プロプラノロール等が用いられる。
血清電解質
特に低カリウム血症に注意し、異常があれば補正する。
腎機能
ジゴキシンは腎排泄型であるので腎機能を正常に保つ。血液透析は一般に無効であるとされている。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
ジゴキシン錠「タイヨー」0.125mgは、製剤上の特性から、使用色素等により錠剤表面の色調に多少のムラ・斑点が見られることがありますが、品質、安全性・有効性に影響はありません。
安定性試験結果の概要
加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、ジゴキシン錠「タイヨー」0.125mg及びジゴキシン錠「タイヨー」0.25mgは通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
本剤は種々の薬剤との相互作用が報告されているが、可能性のあるすべての組み合わせについて検討されているわけではないので、他剤と併用したり、本剤又は他剤を休薬する場合は本剤の血中濃度の推移、自覚症状、心電図等に注意し、慎重に投与すること。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
カルシウム注射剤注) グルコン酸カルシウム水和物(カルチコール注射液等)塩化カルシウム水和物 | 静注により急激に血中カルシウム濃度が上昇するとジゴキシンの毒性が急激に出現することがある。 | 本剤の催不整脈作用は、心筋細胞内カルシウム濃度に依存すると考えられている。急激にカルシウム濃度を上昇させるような使用法は避けること。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
スキサメトニウム塩化物水和物スキサメトニウムレラキシン | 併用により重篤な不整脈を起こすおそれがある。 | スキサメトニウム塩化物水和物の血中カリウム増加作用又はカテコールアミン放出が原因と考えられている。 |
注)カルシウム値の補正に用いる場合を除く
ジゴキシンの作用を増強する薬剤
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
解熱・鎮痛・消炎剤インドメタシンジクロフェナク等 | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
トラゾドン | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 機序は不明であるが、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗コリン剤アトロピン系薬剤プロパンテリン等 | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 腸管運動を抑制し滞留時間が延長されるため、本剤の吸収が増大し、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
強心剤アムリノン | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 過度の利尿により低カリウム血症が起こるためと考えられている。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
不整脈用剤アミオダロンキニジンピルメノールフレカイニドピルジカイニドプロパフェノンベプリジル等 | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 機序不明なものも含まれるが、本剤の腎排泄が抑制されることによる血中濃度上昇、あるいは、薬力学的相互作用による刺激伝導抑制等があらわれることがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
β遮断剤プロプラノロールアテノロールカルベジロール等 | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 薬力学的相互作用により、伝導抑制の増強、徐脈の誘発があらわれることがある。また、カルベジロールでは本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
利尿剤カリウム排泄型利尿剤チアジド系利尿剤クロルタリドンフロセミド等アセタゾラミド | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 過度の利尿により、血中カリウム値が低下しやすくなるとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
利尿剤スピロノラクトン | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
利尿剤 トルバプタン | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。 ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。 措置方法:「過量投与」の項参照 | P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
血圧降下剤レセルピン系薬剤 | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 薬力学的相互作用により、伝導抑制の増強、徐脈の誘発があらわれることがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アンジオテンシンII受容体拮抗剤テルミサルタン | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 機序は不明であるが、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
カルシウム拮抗剤ベラパミルジルチアゼムニフェジピン等 | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
HMG-CoA還元酵素阻害剤フルバスタチン | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 機序は不明であるが、本剤の最高血中濃度の上昇が認められたとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
HMG-CoA還元酵素阻害剤アトルバスタチン | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により血中濃度の上昇が示唆されている。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ポリスチレンスルホン酸塩 | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 腸内のカリウムイオンとのイオン交換により、血中カリウム値が低下するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
交感神経刺激剤アドレナリンオルシプレナリンイソプレナリン等 | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 薬力学的相互作用により不整脈があらわれることがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
プロトンポンプ阻害剤オメプラゾールラベプラゾール等 | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 胃酸分泌抑制作用により本剤の加水分解が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
副腎皮質ホルモン剤 | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 副腎皮質ホルモンにより低カリウム血症が起こるためと考えられている。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ビタミンD製剤カルシトリオール等 | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | ビタミンD製剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
カルシウム経口剤カルシウム含有製剤高カロリー輸液等 | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | これらの薬剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
習慣性中毒用剤ジスルフィラム | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | ジスルフィラム−アルコール反応時に過呼吸により血中カリウム値が低下したとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
シクロスポリン | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗生物質製剤エリスロマイシンクラリスロマイシンガチフロキサシン水和物テトラサイクリン | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 腸内細菌叢への影響による本剤の代謝の抑制、あるいは、P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗生物質製剤 アジスロマイシン | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。 ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。 措置方法:「過量投与」の項参照 | 機序の詳細は不明であるが、P糖蛋白質を介した本剤の輸送が阻害されるとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗生物質製剤アムホテリシンBエンビオマイシン | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | これらの薬物により血中カリウム値が低下するためと考えられている。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
HIVプロテアーゼ阻害剤リトナビル サキナビル | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
テラプレビル | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | P糖蛋白質阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
化学療法剤イトラコナゾールスルファメトキサゾール・トリメトプリム | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗甲状腺剤チアマゾールプロピルチオウラシル | 臨床症状:本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。措置方法:「過量投与」の項参照 | 甲状腺機能亢進の改善に伴いクリアランスが正常になるため、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
ジゴキシンの作用を減弱する薬剤等
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
カルバマゼピン | 本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合には本剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。 | 併用後、本剤の血中濃度の低下が認められたとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
コレスチラミンコレスチミド | 本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合には本剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。 | 消化管内での吸着により本剤の吸収を阻害し、血中濃度が低下すると考えられている。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
消化性潰瘍剤スクラルファート水和物 | 本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合には本剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。 | 消化管内での吸着により本剤の吸収を阻害し、血中濃度が低下するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
制酸剤水酸化アルミニウム水酸化マグネシウム等 | 本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合には本剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。 | 消化管内での吸着により本剤の吸収を阻害し、血中濃度が低下するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗生物質製剤フラジオマイシン | 本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合には本剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。 | 本剤の吸収が阻害され、血中濃度が低下するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗生物質製剤リファンピシン | 本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合には本剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。 | 肝薬物代謝酵素誘導により、本剤の血中濃度が低下するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
サルファ剤サラゾスルファピリジン | 本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合には本剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。 | 本剤の吸収が阻害され、血中濃度が低下するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
甲状腺製剤乾燥甲状腺レボチロキシンリオチロニン | 本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合には本剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。 | 甲状腺機能低下の改善に伴いクリアランスが正常になるため、本剤の血中濃度が低下するとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アカルボース ミグリトール | 本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合には本剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。 | 併用により本剤の血中濃度の低下が認められたとの報告がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort;セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合には本剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。 | 本剤の排泄が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 |
ジゴキシンにより作用が増強される薬剤
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ブピバカイン塩酸塩水和物 | ブピバカイン塩酸塩水和物の副作用を増強したとの報告がある。 | 薬力学的相互作用によると考えられている。 |
ジゴキシンにより作用が減弱される薬剤
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ヘパリン | ヘパリンの作用を減弱するおそれがある。 | 抗凝血作用に拮抗すると考えられている。 |
ジギタリス中毒の症状を不顕化するおそれのある薬剤
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
制吐作用を有する薬剤スルピリドメトクロプラミドドンペリドン等 | ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、食欲不振等)を不顕化するおそれがある。 | これらの薬剤の制吐作用のため本剤の中毒症状が判別しにくくなる。 |
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
(頻度不明)
ジギタリス中毒
等の不整脈があらわれることがある。また、さらに
重篤な房室ブロック、心室性頻拍症あるいは
心室細動に移行することがある。初期症状として消化器、眼、精神神経系症状(「
その他の副作用」の項参照)があらわれることが多いが、それらの症状に先行して不整脈が出現することもある。このような症状があらわれた場合には、減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。(処置法は「
過量投与」の項参照)
頻度不明 | |
消化器 | 食欲不振、悪心・嘔吐、下痢等 |
眼 | 視覚異常(光がないのにちらちら見える、黄視、緑視、複視等) |
精神神経系 | めまい、頭痛、失見当識、錯乱、譫妄等 |
肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇 |
血液 | 血小板数減少 |
過敏症注) | 発疹、蕁麻疹、紫斑、浮腫等 |
その他 | 女性型乳房、筋力低下 |
注)副作用があらわれた場合には投与を中止すること。
ジゴキシン錠「タイヨー」0.125mg 9.6円/錠
ジゴキシン錠「タイヨー」0.25mg 9.6円/錠
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