本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血幹細胞移植に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ行うこと。
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)
通常、成人及び12歳以上の小児にはベルモスジルとして200mgを1日1回食後に経口投与する。併用薬に応じて、効果不十分な場合に1回200mg1日2回投与に増量できる。
8.1 肺炎等の重篤な感染症や日和見感染が発現又は悪化することがある。また、B型肝炎ウイルス、帯状疱疹等が再活性化するおそれがある。本剤投与に先立って肝炎ウイルス等の感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること。[9.1.1、11.1.1参照]
8.2 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を実施すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症を合併している患者
症状を増悪させるおそれがある。[8.1、11.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害患者
可能な限り投与を避けること。やむを得ず投与する場合には、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。[16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後1週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[9.5参照]
9.4.3 男性に投与する場合には、性腺及び生殖能に対する影響を考慮すること。動物実験(ラット)で回復性のある雄受胎能への影響(授胎率及び妊娠率の低下)が臨床曝露量の約8.4倍で報告されている。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で胚・胎児毒性(ウサギ及びラット)及び催奇形性(ウサギ:短尾、肋骨分岐などの骨格の異常)が臨床曝露量付近で報告されている。[2.2、9.4.1、9.4.2参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおける乳汁中への移行は不明である。
9.7 小児等
12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤は主にCYP3A4により代謝され、CYP3A、P-gp、BCRP及びOATP1B1に対する阻害作用を示す。また、本剤の溶解度はpHの上昇により低下する。[16.4参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強いCYP3A4誘導剤リファンピシンフェニトインカルバマゼピン等[7.2、16.7.1参照] | 本剤の血中濃度が低下する可能性があるため、これらの薬剤を併用する場合は患者の状態に注意し、本剤の効果が不十分な場合には、本剤を1回200mg1日2回投与に増量することを考慮すること。 | これらの薬剤のCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 中程度のCYP3A4誘導剤エファビレンツエトラビリンプリミドン等[16.7.6参照] | 本剤の血中濃度が低下する可能性がある。 | これらの薬剤のCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の血中濃度が低下する可能性があるため、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないように注意すること。 | セイヨウオトギリソウのCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| プロトンポンプ阻害剤ラベプラゾールオメプラゾールエソメプラゾール等[7.2、16.7.2、16.7.3参照] | 本剤の血中濃度が低下する可能性があるため、これらの薬剤を併用する場合は患者の状態に注意し、本剤の効果が不十分な場合には、本剤を1回200mg1日2回投与に増量することを考慮すること。 | これらの薬剤による胃内pHの上昇により、本剤の吸収が抑制されるおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| BCRP及びOATP1B1の基質となる薬剤ロスバスタチン等[16.7.5参照] | これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 | 本剤のBCRP及びOATP1B1阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3Aの基質となる薬剤ミダゾラムシクロスポリンアトルバスタチン等[16.7.7参照] | これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 | 本剤のCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| P-gpの基質となる薬剤ダビガトランエテキシラートタクロリムスシロリムス等[16.7.4参照] | これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 | 本剤のP-gp阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 感染症
肺炎(2.0%)、帯状疱疹(1.3%)等の感染症があらわれることがある。[8.1、9.1.1参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 2.5〜5%未満 | 2.5%未満 | |
| 感染症 | 上気道感染 | ||
| 血液 | 貧血、好中球減少症 | ||
| 内分泌系 | 甲状腺機能低下症 | ||
| 精神神経系 | 頭痛 | 末梢性ニューロパチー | 不眠症、浮動性めまい、味覚不全、神経痛、錯感覚 |
| 血管 | 高血圧 | 深部静脈血栓症 | |
| 呼吸器 | 咳嗽、呼吸困難 | 労作性呼吸困難 | |
| 消化器 | 悪心、下痢 | 嘔吐、便秘 | 腹痛、腹部不快感、腹部膨満、口内乾燥 |
| 心臓 | 頻脈 | ||
| 皮膚 | そう痒症 | ||
| 筋骨格系 | 筋痙縮、関節痛 | 背部痛、筋肉痛 | |
| 腎臓 | 急性腎障害 | ||
| 臨床検査 | AST増加、ALT増加 | γ-GTP増加、血中クレアチニン増加、体重減少、リンパ球数減少、血小板数減少、血中Al-P増加 | 血中CK増加、白血球数減少、血中リン減少 |
| その他 | 疲労(20.3%) | 食欲減退、高血糖、末梢性浮腫、無力症 | 倦怠感、発熱、脱水、高カリウム血症、低アルブミン血症 |
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