エリスロシンW顆粒20%

マクロライド系抗生物質製剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 エリスロマイシンエチルコハク酸エステル
製造/販売 マイランEPD
剤形/規格
  • エリスロシンW顆粒20%

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禁忌

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • エルゴタミン含有製剤,ピモジド,アスナプレビルを投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕

効能・効果

  • <適応菌種>

    • エリスロマイシンに感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,淋菌,髄膜炎菌,ジフテリア菌,百日咳菌,梅毒トレポネーマ,トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス),マイコプラズマ属

  • <適応症>

    • 表在性皮膚感染症,深在性皮膚感染症,リンパ管・リンパ節炎,外傷・熱傷及び手術創等の二次感染,乳腺炎,骨髄炎,咽頭・喉頭炎,扁桃炎,急性気管支炎,肺炎,肺膿瘍,膿胸,慢性呼吸器病変の二次感染,腎盂腎炎,尿道炎,淋菌感染症,梅毒,子宮内感染,中耳炎,猩紅熱,ジフテリア,百日咳

用法・容量

  • 通常,成人にはエリスロマイシンとして1日800〜1,200mg(力価)を4〜6回に分割経口投与する.

  • 小児には1日体重1kgあたり25〜50mg(力価)を4〜6回に分割経口投与する.

  • なお,年齢,症状により適宜増減する.ただし,小児用量は成人量を上限とする.

注意事項

慎重投与

  • 肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある.〕

  • 心疾患のある患者〔QT延長,心室頻拍(Torsades de pointesを含む)を起こすことがある.「副作用」の項参照〕

過量投与

  • 症状

    胃腸症状がみられる.また,可逆性の難聴や一過性かつ軽症の急性膵炎があらわれたとの報告がある.

  • 処置

    胃洗浄等により,未吸収の薬物を速やかに体外に排出させる.なお,エリスロマイシンは腹膜透析,血液透析では除去されない.

その他の注意

  • 大量投与により,可逆性の難聴があらわれたとの報告がある.

  • 外国で重症筋無力症が悪化したとの報告がある.

相互作用

相互作用序文

  • 本剤は薬物代謝酵素CYP3Aで代謝される.また,CYP3Aと結合し,複合体を形成する.これにより,CYP3Aを阻害することから,CYP3Aで代謝される薬剤と併用したとき,併用薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある.また,本剤はP-糖蛋白阻害作用を有することから,P-糖蛋白質を介して排出される薬剤と併用したとき,併用薬剤の排出が阻害され血中濃度が上昇する可能性がある.

薬物代謝酵素用語

CYP3A

薬物代謝酵素用語

P-糖蛋白質

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エルゴタミン(エルゴタミン酒石酸塩,ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩)含有製剤 [クリアミンジヒデルゴット等] これらの薬剤の血中濃度が上昇し,四肢の虚血,血管攣縮等が報告されている. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ピモジド [オーラップ] 類薬クラリスロマイシンとの併用により,ピモジドの血中濃度が上昇し,QT延長,心室性不整脈(Torsades de pointesを含む)等が報告されている. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アスナプレビル [スンベプラ] アスナプレビルの血中濃度が上昇し,肝臓に関連した副作用が発現,重症化するおそれがある. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジソピラミド キニジン硫酸塩水和物 血中濃度上昇に伴うQT延長,心室性不整脈(Torsades de pointesを含む)等が報告されているので,減量するなど慎重に投与すること. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
テオフィリン アミノフィリン水和物 テオフィリンの血中濃度上昇に伴う悪心・嘔吐,不整脈,痙攣等が報告されているので,減量するなど慎重に投与すること. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シクロスポリン タクロリムス水和物 血中濃度上昇に伴う腎障害等が報告されているので,減量するなど慎重に投与すること. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ワルファリンカリウム 血中濃度上昇に伴う出血傾向,プロトロンビン時間延長等が報告されているので,減量するなど慎重に投与すること. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
イリノテカン塩酸塩水和物 活性代謝物の血中濃度上昇に伴う骨髄機能抑制,下痢等の副作用を増強するおそれがあるため,減量するなど慎重に投与すること. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ビンブラスチン硫酸塩 血中濃度上昇に伴う好中球減少,筋肉痛等が報告されているので,減量するなど慎重に投与すること. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
バルプロ酸ナトリウム 血中濃度上昇に伴う傾眠,運動失調等が報告されているので,減量するなど慎重に投与すること. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フェロジピン 血中濃度上昇に伴う降圧作用の増強が報告されているので,減量するなど慎重に投与すること. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ベラパミル塩酸塩 血圧低下,徐脈性不整脈,乳酸アシドーシス等が報告されているので,減量するなど慎重に投与すること. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ミダゾラム トリアゾラム 血中濃度上昇に伴う鎮静作用の増強が報告されているので,減量するなど慎重に投与すること. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カルバマゼピン 血中濃度上昇に伴うめまい,運動失調等が報告されているので,減量するなど慎重に投与すること. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
コルヒチン 血中濃度上昇に伴う下痢,腹痛,発熱,筋肉痛,汎血球減少,呼吸困難等が報告されているので,減量するなど慎重に投与すること. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シンバスタチン アトルバスタチンカルシウム水和物 これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある.また,シンバスタチン,アトルバスタチンカルシウム水和物との併用により,筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中および尿中ミオグロビン上昇を特徴とし,急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれたとの報告がある. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ピタバスタチンカルシウム これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある.また,シンバスタチン,アトルバスタチンカルシウム水和物との併用により,筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中および尿中ミオグロビン上昇を特徴とし,急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれたとの報告がある. 本剤がピタバスタチンの肝臓への取り込みを阻害するためと考えられる.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ブロモクリプチンメシル酸塩 ドセタキセル水和物 パクリタキセル セレギリン塩酸塩 シルデナフィルクエン酸塩 バルデナフィル塩酸塩水和物 タダラフィル シロスタゾール これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがあるので,減量するなど慎重に投与すること. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ブロナンセリン ブロナンセリンの血中濃度が上昇し,作用が増強するおそれがある. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エプレレノン エプレレノンの血中濃度が上昇し,作用が増強するおそれがある. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エレトリプタン臭化水素酸塩 エレトリプタンの血中濃度が上昇し,作用が増強するおそれがある. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エベロリムス エベロリムスの血中濃度が上昇し,作用が増強するおそれがある. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
サキナビルメシル酸塩 サキナビルの血中濃度が上昇し,作用が増強するおそれがある. 本剤はCYP3Aと結合し,複合体を形成するため,これらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
副腎皮質ホルモン剤 メチルプレドニゾロン等 これらの薬剤の消失半減期が延長するとの報告があるので,減量するなど慎重に投与すること. 本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エバスチン エバスチンの代謝物カレバスチンの血中濃度が上昇するとの報告がある. 本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制することがある.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エドキサバントシル酸塩水和物 エドキサバンの血中濃度を上昇させ,出血のリスクを増大させるおそれがある.併用する場合,エドキサバントシル酸塩水和物の用量は,エドキサバントシル酸塩水和物の添付文書を参照すること. 本剤がP-糖蛋白質を阻害するためと考えられる.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジゴキシン ジゴキシンの作用増強による嘔気,嘔吐,不整脈等の中毒症状が報告されているので,減量するなど慎重に投与すること. 本剤の腸内細菌叢への影響により,ジゴキシンの代謝が抑制される.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ザフィルルカスト ザフィルルカストの血中濃度が低下するとの報告がある. 機序は不明である.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シメチジン 本剤の血中濃度上昇に伴う難聴が報告されているので,減量するなど慎重に投与すること. これらの薬剤のCYP3A阻害作用により,本剤の代謝が抑制されると考えられる.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リトナビル 本剤のAUCが上昇することが予想される. これらの薬剤のCYP3A阻害作用により,本剤の代謝が抑制されると考えられる.

副作用

副作用発現状況の概要

  • 3,487例中138例(4.0%)に副作用がみられ,主なものは悪心・嘔吐(1.2%),下痢(1.0%),食欲不振(0.8%)等の消化器症状であった.(再評価結果)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)

    偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある.腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には,直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと.

  • 心室頻拍,QT延長(頻度不明)

    心室頻拍(Torsades de pointesを含む),QT延長があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.〔「慎重投与」の項参照〕

  • ショック,アナフィラキシー(0.03%)

    ショック,アナフィラキシーがあらわれることがあるので,呼吸困難,胸内苦悶,血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.

  • 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)

    中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.

  • 急性腎障害(急性間質性腎炎)(頻度不明)

    急性腎障害(急性間質性腎炎)があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.

  • 肝機能障害,黄疸(頻度不明)

    AST(GOT),ALT(GPT),ALPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.

その他の副作用

0.1〜5%未満 0.1%未満 頻度不明
過敏症(注) 発疹 蕁麻疹
消化器 食欲不振,悪心・嘔吐,胃部不快感,下痢 胃痛,腹部痙攣 鼓腸,便秘,膵炎
視力低下,霧視
  • 注:これらの症状があらわれた場合には,投与を中止すること.

薬価

エリスロシンW顆粒20% 23円/g

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