ヴィアレブ配合持続皮下注

抗パーキンソン剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 ホスカルビドパ水和物 ホスレボドパ
製造/販売 アッヴィ
剤形/規格
  • ヴィアレブ配合持続皮下注

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禁忌

  • 2.1 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。][8.7、11.1.6参照]

  • 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善

用法・容量

  • 本剤投与前の経口レボドパ量に応じて1時間あたりの注入速度を設定し、24時間持続皮下投与する。患者がオフ状態で本剤の投与を開始する場合には、持続投与開始前に負荷投与を行う。なお、必要に応じて持続投与中に追加投与を行うことができる。

  • 通常、成人には、本剤を0.15〜0.69mL/時間(レボドパ換算量として約26〜117mg/時間)で持続投与する。負荷投与を行う場合は本剤0.6〜2.0mL(レボドパ換算量として約100〜350mg)を投与する。追加投与は本剤を1回あたり0.1〜0.3mL(レボドパ換算量として約17〜51mg)で投与する。
    本剤の投与量は症状により適宜増減するが、1日総投与量は16.67mL(レボドパ換算量として2840mg)を超えないこと。

注意事項

重要な基本的注意

  • 8.1 本剤の投与にあたっては、パーキンソン病治療に精通し、本剤の投与システムについて十分な知識のある医師又はその指導の下で、本投与システムの使用が適切と判断される症例においてのみ使用すること。患者が投与システムについて理解し使用できることを確認すること。

  • 8.2 本剤の投与を受けた患者において、注入部位反応及び注入部位感染が報告されている。本剤を調製及び投与する際は、輸液セット、シリンジ、バイアルアダプタは単回使用とし、清潔操作(投与部位の消毒等)を行うこと。リスク低減のため、投与部位を変えながら、少なくとも3日ごとに新しい輸液セットを使用すること。新たな投与部位は、過去12日間に使用した投与部位から2.5cm以上離すことが望ましい。[5.1、11.1.7、17.1.1、17.1.2参照]

  • 8.3 本剤投与中は幻覚の発現に注意すること。特に本剤とドパミン受容体作動薬を併用した患者では幻覚がより高い頻度で発現する可能性がある。幻覚があらわれた場合は、本剤の減量や中断等を検討すること。[11.1.2、17.1.1、17.1.2参照]

  • 8.4 ニューロパチーがあらわれることがあるため、本剤投与中は、関連症状(感覚障害等)に注意し、必要に応じて神経伝導検査の実施や必要なビタミン等の補充を考慮すること。

  • 8.5 溶血性貧血、血小板減少症があらわれることがあるため、定期的に血液検査を実施すること。[11.1.3参照]

  • 8.6 本剤の急激な減量又は中止により悪性症候群があらわれることがあるため、本剤の減量、中止が必要な場合は、患者の状態を注意深く観察しながら用量を漸減すること。[11.1.1参照]

  • 8.7 閉塞隅角緑内障のおそれのある場合は、隅角検査あるいは眼圧検査を行うことが望ましい。[2.1、11.1.6参照]

  • 8.8 前兆のない突発的睡眠、傾眠、調節障害及び注意力・集中力・反射機能等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。[11.1.4参照]

  • 8.9 レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されている。また、レボドパを投与された患者において、衝動制御障害に加えてレボドパを必要量を超えて求めるドパミン調節障害症候群が報告されている。患者及び家族等にこれらの症状について説明し、これらの症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 8.10 B型モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩等)との併用に際しては、使用前に必ずB型モノアミン酸化酵素阻害剤の電子添文を参照すること。

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 胃潰瘍、十二指腸潰瘍のある患者又はその既往歴のある患者

      • 症状が悪化するおそれがある。

    • 9.1.2 重篤な心疾患のある患者又はその既往歴のある患者

      • 症状が悪化するおそれがある。

    • 9.1.3 肺疾患、気管支喘息又は内分泌系疾患のある患者

      • 症状が悪化するおそれがある。

    • 9.1.4 慢性開放隅角緑内障の患者

      • 眼圧上昇を起こし、緑内障が悪化するおそれがある。

    • 9.1.5 自殺傾向など精神症状のある患者又はその既往歴のある患者

      • 精神症状が悪化するおそれがある。

    • 9.1.6 糖尿病の患者

      • 血糖値の上昇を誘発し、インスリン必要量を増大させるとの報告がある。

  • 9.2 腎機能障害患者

    • 副作用の発現が増加するおそれがある。

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 副作用の発現が増加するおそれがある。

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ウサギ)でレボドパ・カルビドパの催奇形性が報告されている。

  • 9.6 授乳婦

    • 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。乳汁分泌が抑制されるおそれがある。レボドパはヒト乳汁中に分泌される。また、動物実験(ラット)でカルビドパの乳汁移行が報告されている。

  • 9.8 高齢者

    • 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

過量投与

  • 13.1 症状

    • 異常な不随意運動、混乱、不眠、まれに悪心、嘔吐、不整脈等が起こるおそれがある。

  • 13.2 処置

    • 速やかに投与を中止しポンプを外すこと。ピリドキシンは本剤の作用反転に有用でない。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤交付時の注意

    • 14.1.1 本剤の投与は専用の投与システムと組み合わせて行うため、投与システム及びその構成品(輸液ポンプ、輸液セット、シリンジ、バイアルアダプタ)について、電子添文、取扱説明書等を熟読し、これらの指示及び注意に従い適切に投与すること。

    • 14.1.2 室温(30℃以下)での保管は28日間を超えないこと。

  • 14.2 薬剤投与前の注意

    • 誤操作等により、過量投与若しくは不足となる可能性があるため、本剤及び本剤の投与システムについて、投与開始前及び必要に応じて継続的に患者にトレーニングを行うこと。

  • 14.3 薬剤投与時の注意

    • 14.3.1 本剤は皮下にのみ投与すること。本剤は、臍から半径5cmの部位を避け、腹部に皮下投与することが望ましい。腕又は大腿部への投与による長期の安全性及び有効性は確立していない。

    • 14.3.2 本剤は、皮膚に異常(圧痛、あざ、発赤、硬結等)がある部位には投与しないこと。

    • 14.3.3 本剤のバイアルは単回使用とし、バイアルの全量をシリンジに移すこと。24時間後、シリンジ内に残薬があれば廃棄し、新しいバイアル及びシリンジに交換すること。

    • 14.3.4 一時的に投与を中断する場合やポンプの故障や誤作動が生じた場合等に備えて、経口レボドパ・カルビドパ水和物製剤を常に用意しておくこと。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • 抗パーキンソン剤はフェノチアジン系化合物、レセルピン誘導体等による口周部等の不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しない。場合によってはこのような症状を増悪顕性化させることがある。

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • 本剤には、ホスカルビドパの分解物であるヒドラジンが含有されている可能性があり、ヒドラジンは動物試験において遺伝毒性及びがん原性を示すことが報告されている。

その他の説明

  • 本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2024年5月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
血圧降下剤メチルドパ水和物レセルピン節遮断剤 等 起立性低血圧等の症候性低血圧が発現するおそれがある。本剤開始時や増量時には血圧降下剤の減量を考慮すること。 レボドパの血圧降下作用により、相加的に血圧降下作用が増強すると考えられている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
レセルピン製剤テトラベナジン 本剤の作用が減弱するおそれがある。パーキンソン症状の悪化についてモニタリングすること。 左記薬剤の脳内ドパミン減少作用により、パーキンソン症状が悪化する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ドパミンD2受容体遮断作用を有する薬剤(抗精神病薬等)フェノチアジン系薬剤ブチロフェノン系薬剤リスペリドンペロスピロン塩酸塩 等 本剤の作用が減弱するおそれがある。パーキンソン症状の悪化についてモニタリングすること。 ドパミン作動性神経において本剤と作用が拮抗するため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
イソニアジド 本剤の作用が減弱するおそれがある。パーキンソン症状の悪化についてモニタリングすること。 機序不明であるが、イソニアジドによるドパ脱炭酸酵素阻害により脳内でのドパミンへの変換が抑制されるためと考えられている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
パパベリン塩酸塩 本剤の作用が減弱するおそれがある。パーキンソン症状の悪化についてモニタリングすること。 機序不明
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
NMDA受容体拮抗剤メマンチン塩酸塩 等 本剤の作用を増強するおそれがある。 左記薬剤がドパミン遊離を促進する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
他の抗パーキンソン剤抗コリン剤アマンタジン塩酸塩ブロモクリプチンメシル酸塩 精神神経系等の副作用が増強することがある。 併用によりレボドパの効果増強につながるが、同時に精神神経系等の副作用が増強する可能性がある。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 悪性症候群(頻度不明)

    • 急激な減量又は投与中止により、高熱、意識障害、高度の筋強剛、不随意運動、ショック状態、精神状態変化(激越、錯乱、昏睡等)、自律神経症状、CK上昇等があらわれ、まれに横紋筋融解症を続発するおそれがある。本剤の急激な減量又は中止は避けるとともに、このような症状が認められた場合には、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等適切な処置を行うこと。[8.6参照]

  • 11.1.2 幻覚(20.4%)、錯乱(2.2%)、抑うつ(0.3%)[8.3、17.1.1、17.1.2参照]

  • 11.1.3 溶血性貧血(頻度不明)、血小板減少症(頻度不明)[8.5参照]

  • 11.1.4 突発的睡眠(頻度不明)

    • 前兆のない突発的睡眠があらわれることがある。[8.8参照]

  • 11.1.5 悪性黒色腫(頻度不明)

  • 11.1.6 閉塞隅角緑内障(頻度不明)

    • 急激な眼圧上昇を伴う閉塞隅角緑内障を起こすことがあるので、霧視、眼痛、充血、頭痛、嘔気等が認められた場合には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。[2.1、8.7参照]

  • 11.1.7 注入部位感染(32.7%)

    • 注入部位蜂巣炎(22.0%)、注入部位膿瘍(8.5%)等があらわれることがある。[5.1、8.2、17.1.1、17.1.2参照]

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上 1%以上5%未満 1%未満 頻度不明
代謝および栄養障害 食欲減退
精神障害 不眠症、不安、妄想、精神病性障害 妄想症、衝動制御障害、激越、自殺念慮 ドパミン調節障害症候群
神経系障害 ジスキネジア、浮動性めまい、オンオフ現象 傾眠、錯感覚、体位性めまい、頭痛、ジストニア、平衡障害 感覚鈍麻、認知障害
血管障害 起立性低血圧、低血圧 高血圧
胃腸障害 悪心 便秘、口内乾燥 腹痛、嘔吐 下痢
腎および尿路障害 尿失禁 尿閉
一般・全身障害および投与部位の状態 注入部位紅斑(44.7%)、注入部位結節(23.6%)、注入部位浮腫(16.4%)、注入部位疼痛(15.7%)、注入部位反応、注入部位内出血、注入部位血管外漏出、注入部位丘疹、注入部位血腫 注入部位硬結、注入部位炎症、注入部位腫瘤、注入部位出血、注入部位腫脹、注入部位そう痒感、疲労、注入部位発疹、注入部位刺激感、注入部位皮膚剥脱、注入部位蒼白 倦怠感、末梢腫脹、注入部位熱感、無力症、末梢性浮腫
臨床検査 体重減少 ビタミンB6減少
傷害、中毒および処置合併症 転倒
呼吸器、胸郭および縦隔障害 呼吸困難
皮膚および皮下組織障害 そう痒症、発疹
心臓障害 動悸
筋骨格系および結合組織障害 筋痙縮
感染症 尿路感染

薬価

ヴィアレブ配合持続皮下注 13277円/瓶

評価サマリー

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