2.1 重篤な腎機能障害のある患者[8.3.2、8.3.3、9.2.1参照]
2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制
通常、成人に1回5mL(エダラボンとして105mg)を空腹時に1日1回経口投与する。
通常、本剤投与期と休薬期を組み合わせた28日間を1クールとし、これを繰り返す。第1クールは14日間連日投与する投与期の後14日間休薬し、第2クール以降は14日間のうち10日間投与する投与期の後14日間休薬する。
8.1 本剤の投与は、本剤に関する十分な知識及びALSの治療経験を持つ医師との連携のもとで行うこと。
8.2 投与に際しては、患者又はそれに代わり得る適切な者に対して、本剤の副作用等について十分な説明を行うとともに、本剤投与期と休薬期を組み合わせた用法及び用量であることを十分に説明すること。
8.3 急性腎障害又は腎機能障害の増悪、重篤な肝障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれ、致命的な経過をたどることがある。注射剤で、腎機能障害、肝機能障害、血液障害等を同時に発現する重篤な症例が報告されている。
8.3.1 投与開始初期に検査値の異常が発現することがあるため、投与前にBUN、クレアチニン、AST、ALT、LDH、CK、赤血球、血小板等の腎機能検査、肝機能検査及び血液検査を実施すること。本剤投与中も、腎機能検査、肝機能検査及び血液検査を定期的に実施すること。投与後も継続して十分な観察を行うこと。[9.1.1-9.1.3、9.2.1、9.2.2、9.3、11.1.1-11.1.4、11.1.6、16.6.2、16.6.3参照]
8.3.2 病勢進展に伴う筋萎縮により血清クレアチニン値の低下を認める可能性があるため、一時点の血清クレアチニン値を基準値と比較するのではなく、血清クレアチニン値の推移を確認し、悪化傾向の有無を確認すること。また、BUN値は体内水分量等により変動するため、一時点のBUN値を基準値と比較するのではなく、BUN値の推移を確認し、悪化傾向の有無を確認すること。[2.1参照]
8.3.3 筋萎縮のある患者では、投与開始前及び投与中定期的に、血清クレアチニン値・BUN値の測定に加えて、血清シスタチンCによる推定糸球体ろ過量の算出や、蓄尿によるクレアチニンクリアランスの算出等、筋肉量による影響を受けにくい腎機能評価を実施すること。[2.1参照]
8.3.4 投与中に感染症等の合併症を発症し、抗生物質を併用した場合には、投与継続の可否を慎重に検討し、投与を継続する場合は特に頻回に検査を実施すること。また、投与終了後も頻回の検査を実施して観察を十分に行うこと。[9.1.2、10.2参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 脱水のある患者
投与に際し全身管理を徹底すること。急性腎障害や腎機能障害の悪化を来すことがある。注射剤で、BUN/クレアチニン比が高いなど脱水状態が認められた患者では致命的な経過をたどる例が多く報告されている。[8.3.1、11.1.1参照]
9.1.2 感染症のある患者
投与に際してはリスクとベネフィットを十分考慮すること。注射剤で、致命的な経過をたどる例が多く報告されており、全身状態の悪化により急性腎障害や腎機能障害の悪化を来すことがある。[8.3.1、8.3.4、11.1.1参照]
9.1.3 心疾患のある患者
心疾患が悪化するおそれがある。また、腎機能障害があらわれるおそれがある。[8.3.1、11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
投与しないこと。腎機能障害が悪化するおそれがある。[2.1、8.3.1参照]
9.2.2 腎機能障害のある患者(重篤な腎機能障害のある患者を除く)
投与に際し全身管理を徹底すること。急性腎障害や腎機能障害の悪化を来すことがある。特に注射剤で、投与前のBUN/クレアチニン比が高い患者では致命的な経過をたどる例が多く報告されている。[8.3.1、11.1.1、16.6.2参照]
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害が悪化するおそれがある。[8.3.1、16.6.3参照]
9.5 妊婦
投与しないことが望ましい。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。エダラボンを単回静脈内投与(2mg/kg)したラットの乳汁中移行性実験において、乳汁中への移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用があらわれた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。一般に高齢者では生理機能が低下しており、注射剤で、致命的な経過をたどる例が多く報告されている。
14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
14.1.1 服用時
・付属の経口投与用シリンジを用いて量り取ること。
・使用前にボトルを振とうし、ボトルの底に固着物の付着がないことを確認してから薬剤を抜き取ること。ボトルの底に固着物の付着が認められた場合、薬液が完全に混ざるまで振とうを繰り返すこと。
・経口投与時は付属の経口投与用シリンジから直接投与し、他の容器に移し替えて投与しないこと。
・経口投与が困難な場合、経鼻胃管又は胃瘻チューブを用いて経管投与することもできる。投与後は、30mL以上の水を流してチューブに付着している薬剤残液を投与すること。
14.1.2 保存時
・ボトル開封前は冷蔵(2〜8℃)で保存し、開封後は密栓して室温で保存すること。
・ボトル開封後15日以内に使用すること。
15.2 非臨床試験に基づく情報
24時間持続静注によるイヌ28日間投与毒性試験において、60mg/kg/日以上の用量で、イヌ39週間反復経口投与毒性試験において、100mg/kg/日以上の用量で、四肢動作の限定、歩行異常等の症状及び病理組織検査における末梢神経及び脊髄(背索)の神経線維変性が観察されたとの報告がある。
ボトル開封前は冷蔵(2〜8℃)で正立保存すること。
キャップをボトル本体に強く押しつけたまま(カチカチ音がしない状態まで)左に回して開けること。
ボトル開封後は使用の都度必ず密栓し室温で正立保存すること。
ボトル開封後15日以内に使用していない本剤は廃棄すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗生物質(セファゾリンナトリウム、セフォチアム塩酸塩、ピペラシリンナトリウム等)[8.3.4参照] | 腎機能障害が増悪するおそれがあるので、併用する場合には頻回に腎機能検査を実施するなど観察を十分に行うこと。 | 機序は不明であるが、本剤は主として腎臓から排泄されるため、腎排泄型の抗生物質との併用により、腎臓への負担が増強する可能性が考えられる。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 急性腎障害(頻度不明)、ネフローゼ症候群(頻度不明)
腎機能低下所見や乏尿等の症状が認められた場合には、直ちに投与を中止し、腎機能不全の治療に十分な知識と経験を有する医師との連携のもとで適切な処置を行うこと。[8.3.1、9.1.1-9.1.3、9.2.2参照]
11.1.2 劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
劇症肝炎等の重篤な肝炎、AST、ALT、ALP、γ-GTP、LDH、ビリルビン等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。[8.3.1参照]
11.1.3 血小板減少(頻度不明)、顆粒球減少(頻度不明)[8.3.1参照]
11.1.4 播種性血管内凝固症候群(DIC)(頻度不明)
播種性血管内凝固症候群を疑う血液所見や症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.3.1参照]
11.1.5 急性肺障害(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常を伴う急性肺障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.6 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.3.1参照]
11.1.7 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、血圧低下、呼吸困難等)があらわれることがある。
注)頻度不明の副作用は、注射剤での副作用報告に基づく。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 0.1〜5%未満 | 頻度不明 | |
| 過敏症 | 発疹、腫脹、紅斑(多形滲出性紅斑等)、発赤、膨疹、そう痒感 | |
| 血液 | 赤血球減少、白血球増多、白血球減少、ヘマトクリット値減少、ヘモグロビン減少、血小板増加、血小板減少 | |
| 肝臓 | ALT上昇、AST上昇 | 総ビリルビン値上昇、LDH上昇、ALP上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン尿、ウロビリノーゲン陽性 |
| 腎臓 | BUN上昇、血清尿酸上昇、血清尿酸低下、蛋白尿、血尿、多尿、クレアチニン上昇 | |
| 消化器 | 下痢 | 嘔気、嘔吐 |
| 全身症状 | 倦怠感 | |
| その他 | 発熱、熱感、頭痛、血圧上昇、血清コレステロール上昇、血清コレステロール低下、トリグリセライド上昇、血清総蛋白減少、CK上昇、CK低下、血清カリウム上昇、血清カリウム低下、血清カルシウム低下、尿中ブドウ糖陽性 |
注)頻度不明の副作用は、注射剤での副作用報告に基づく。
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