重篤な出血性脳梗塞の発現が報告されている。出血性脳梗塞を起こしやすい脳塞栓の患者に投与することのないよう、脳血栓の患者であることを十分確認すること。
止血処置が困難な患者(頭蓋内出血、喀血、後腹膜出血等)[出血が助長されることがある。]
頭蓋内あるいは脊髄の手術又は損傷を受けた患者(2ヵ月以内)[出血を惹起し、止血が困難になるおそれがある。]
動脈瘤のある患者[出血を惹起し、止血が困難になるおそれがある。]
重篤な意識障害を伴う患者[脳内出血を発症している可能性が高い。]
脳塞栓又はその疑いのある患者[出血性脳梗塞を起こすことがある。]
次の血栓・閉塞性疾患の治療
脳血栓症(発症後5日以内でコンピューター断層撮影において出血の認められないもの)
末梢動・静脈閉塞症(発症後10日以内)
本剤を10mLの日本薬局方生理食塩液に用時溶解し、静脈内に注射する。なお、日本薬局方生理食塩液又は日本薬局方ブドウ糖注射液に混じて点滴注射することが望ましい。
血栓・閉塞性疾患
【脳血栓症】
1日1回60,000単位を約7日間投与する。
【末梢動・静脈閉塞症】
初期1日量60,000〜240,000単位、以後は漸減し約7日間投与する。
本剤の投与により出血性脳梗塞があらわれることがあるので、発症の状況、臨床症状等のほか、コンピューター断層撮影による観察を十分に行い、脳塞栓が疑われる場合及び出血の危険性のある場合には投与しないこと。
本剤の投与並びに本剤と血液凝固阻止作用を有する薬剤、血小板凝集抑制作用を有する薬剤又は他の血栓溶解剤との併用により出血の危険性が増大するので、あらかじめ出血の有無を十分確認すると共に、血液凝固能(出血時間、プロトロンビン時間等)等の血液検査、臨床症状の観察を頻回に行うこと。
脳内出血が疑われる場合には、直ちに投与を中止すること。
脳内出血の有無については、コンピューター断層撮影により確認することが原則であるが、やむを得ない理由によりコンピューター断層撮影によることができない場合には髄液検査と臨床症状の観察により出血部位がないと判定できる場合にのみ本剤を投与すること。
出血している患者
手術等外科的処置時(肝、腎生検等を含む)、糖尿病性出血性網膜症等の出血性眼疾患、消化管出血、尿路出血、流早産、分娩直後、月経期間中等[出血を助長し、止血が困難になるおそれがある。]
出血の可能性のある患者
消化管潰瘍、消化管の憩室炎、大腸炎、重症高血圧症、活動性結核、頭蓋内出血の既往等[出血を惹起するおそれがある。]
治療困難な凝固能低下状態の患者
凝固因子欠乏症、血小板減少症等[出血を惹起するおそれがある。]
血液凝固阻止作用を有する薬剤、血小板凝集抑制作用を有する薬剤又は他の血栓溶解剤を投与している患者[「3.相互作用」の項参照]
重篤な肝障害、腎障害のある患者[代謝、排泄能の低下により、本剤の作用が増強することがある。]
高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]
本剤又は組織培養ウロキナーゼに対して過敏症の既往歴のある患者
調製時
溶解後は速やかに使用すること。
本剤にヘパリンナトリウムを同時混合する場合は、液のpHを5.0よりアルカリ性側で使用すること。また、ヘパリンカルシウムと同時混合する場合は、液のpHを5.0〜7.0の範囲内で使用すること。[本剤中には添加物として人血清アルブミンが加えられており、pH5.0より酸性側ではアルブミン−ヘパリン結合物の沈殿を生成する場合があり、また、pH7.0よりアルカリ性側でヘパリンカルシウムを配合するとリン酸カルシウムの沈殿を生成する場合がある。]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 血液凝固阻止作用を有する薬剤(ヘパリン、ワルファリン、アルガトロバン水和物等) 血小板凝集抑制作用を有する薬剤(アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン塩酸塩等) 血栓溶解剤(t-PA製剤、ナサルプラーゼ等) | 出血の危険性が増大するので、血液凝固能(出血時間、プロトロンビン時間等)等の血液検査、臨床症状の観察を頻回に行うこと。 | 血液凝固阻止作用を有する薬剤、血小板凝集抑制作用を有する薬剤あるいは血栓溶解剤との併用により相加的に出血傾向が増大すると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アプロチニン製剤 | ウロキナーゼの線維素溶解作用を減弱するおそれがある。 | アプロチニンはプラスミノーゲンアクチベーターやプラスミン活性を抑制する。 |
総症例10,568例中、63例(0.60%)に副作用が認められた。主な副作用として出血性脳梗塞、消化管出血等の出血38例(0.36%)、発疹等の過敏症状7例(0.07%)、AST(GOT)・ALT(GPT)の上昇等の肝機能異常6例(0.06%)等が認められた。(再審査終了時)
なお、本項には頻度が算出できない副作用報告を含む。
出血性脳梗塞(0.1〜5%未満)、脳出血(0.1%未満)、消化管出血(0.1%未満)等の重篤な出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、t-PA製剤において、出血の増大に伴い出血性ショックに至ることが報告されているので注意すること。
ショック(頻度不明)を起こすことがあるので観察を十分に行い、血圧低下、呼吸困難、胸内苦悶、脈拍の異常、発汗等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | 0.1%未満 | |
| 過敏症* | 蕁麻疹 | 発疹 |
| 出血傾向 | 血尿、歯肉出血 | |
| 肝臓 | AST(GOT)・ALT(GPT)の上昇 | |
| 消化器 | 悪心、嘔吐、食欲不振 | |
| その他 | 倦怠感 | 発熱、悪寒、頭痛 |
*このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
ウロキナーゼ注「フジ」60,000 1030円/瓶
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