ウインタミン

精神神経用剤

3.0(1件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 クロルプロマジン塩酸塩
製造/販売 塩野義製薬
剤形/規格
  • ウインタミン錠12...
  • ウインタミン錠25mg
  • ウインタミン錠50mg
  • ウインタミン錠100mg

薬剤の評価コメントをご覧いただくにはログインが必要です。

はじめてご利用の方は、新規会員登録
すでにm3.comをご利用の方はログインしてご利用ください

禁忌

  • 昏睡状態,循環虚脱状態にある患者[これらの状態を悪化させるおそれがある。]

  • バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制剤の作用を延長し増強させる。]

  • アドレナリンを投与中の患者[「相互作用」の項参照]

  • フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の患者

効能・効果

  • 統合失調症,躁病,神経症における不安・緊張・抑うつ,悪心・嘔吐,吃逆,破傷風に伴う痙攣,麻酔前投薬,人工冬眠,催眠・鎮静・鎮痛剤の効力増強

用法・容量

  • 通常,成人にはクロルプロマジン塩酸塩として1日30〜100mgを分割経口投与する。
    精神科領域において用いる場合には,クロルプロマジン塩酸塩として,通常1日50〜450mgを分割経口投与する。
    なお,年齢,症状により適宜増減する。
  • 参考

    小児では,発達段階や症状の程度により,個人差が特に著しいが,多くの場合1回体重1kgあたり0.5〜1mgを,1日3〜4回をめどとし,症状の程度により加減する。
    生後6ヵ月未満の乳児への使用は避けることが望ましい。

注意事項

重要な基本的注意

  • 眠気,注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので,本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

  • 制吐作用を有するため,他の薬剤に基づく中毒,腸閉塞,脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。

  • 抗精神病薬において,肺塞栓症,静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので,不動状態,長期臥床,肥満,脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。

慎重投与

  • 肝障害又は血液障害のある患者[肝障害又は血液障害を悪化させるおそれがある。]

  • 褐色細胞腫,動脈硬化症あるいは心疾患の疑いのある患者[血圧の急速な変動がみられることがある。]

  • 重症喘息,肺気腫,呼吸器感染症等の患者[呼吸抑制があらわれることがある。]

  • てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある。]

  • 幼児,小児[「小児等への投与」の項参照]

  • 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

  • 高温環境にある患者[体温調節中枢を抑制するため,環境温度に影響されるおそれがある。]

  • 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者[Syndrome malin(悪性症候群)が起こりやすい。]

過量投与

  • 徴候,症状

    傾眠から昏睡までの中枢神経系の抑制,血圧降下と錐体外路症状である。その他,激越と情緒不安,痙攣,口渇,腸閉塞,心電図変化及び不整脈等があらわれる可能性がある。

  • 処置

    本質的には対症療法かつ補助療法である。早期の胃洗浄は有効である。

適用上の注意

  • 調剤時

    ときに接触皮膚炎等の過敏症状を起こすことがあるので,特に細粒剤を取り扱うときにはゴム手袋等を使用するなど,直接の接触を極力避け,付着のおそれのあるときはよく洗浄すること。

  • 薬剤交付時

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)

  • 投与時

    治療初期に起立性低血圧があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には減量等適切な処置を行うこと。

その他の注意

  • 本剤による治療中,原因不明の突然死が報告されている。

  • 外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において,非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある。また,外国での疫学調査において,定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある。

相互作用

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アドレナリンボスミン 臨床症状:アドレナリンの作用を逆転させ,血圧降下を起こすことがある。 アドレナリンのα作用が遮断され,β作用が優位になることがある。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
中枢神経抑制剤バルビツール酸誘導体,麻酔剤等 相互に中枢神経抑制作用を増強することがあるので,減量するなど慎重に投与すること。なお,バルビツール酸誘導体等の抗痙攣作用は,フェノチアジン系薬剤との併用によっても増強されることはないので,この場合抗痙攣剤は減量してはならない。 共に中枢神経抑制作用を有する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アルコール 相互に中枢神経抑制作用を増強することがある。 共に中枢神経抑制作用を有する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
降圧剤 相互に降圧作用を増強することがあるので,減量するなど慎重に投与すること。 共に降圧作用を有する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アトロピン様作用を有する薬剤 相互に抗コリン作用を増強することがあるので,減量するなど慎重に投与すること。 共に抗コリン作用を有する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リチウム 臨床症状:心電図変化,重症の錐体外路症状,持続性のジスキネジア,突発性のSyndrome malin(悪性症候群),非可逆性の脳障害を起こすとの報告がある。措置方法:観察を十分に行い,慎重に投与すること。なお,このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。 機序は不明
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ドンペリドンメトクロプラミド 臨床症状:内分泌機能調節異常又は錐体外路症状が発現しやすくなることがある。措置方法:観察を十分に行い,慎重に投与すること。 共にドパミン受容体遮断作用を有する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ドパミン作動薬レボドパ製剤,ブロモクリプチンメシル酸塩 相互に作用を減弱することがあるので,投与量を調節するなど慎重に投与すること。 本剤はドパミン受容体遮断作用を有する。

接触注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
有機燐殺虫剤 相互に作用し,有機燐殺虫剤の毒性を増強することがある。 共にコリンエステラーゼ阻害作用を有する。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため,発現頻度については文献,自発報告等を参考に集計した。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • Syndrome malin(悪性症候群)(頻度不明)

    無動緘黙,強度の筋強剛,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それに引き続き発熱がみられる場合は,投与を中止し,体冷却,水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。
    本症発症時には,白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
    なお,高熱が持続し,意識障害,呼吸困難,循環虚脱,脱水症状,急性腎不全へと移行し,死亡した例が報告されている。

  • 突然死,心室頻拍(頻度不明)

    血圧降下,心電図異常(QT間隔の延長,T波の平低化や逆転,二峰性T波ないしU波の出現等)に続く突然死,心室頻拍(Torsades de pointesを含む)が報告されているので,特にQT部分に変化があれば投与を中止すること。
    また,フェノチアジン系化合物投与中の心電図異常は,大量投与されていた例に多いとの報告がある。

  • 再生不良性貧血,溶血性貧血,無顆粒球症,白血球減少(頻度不明)

    再生不良性貧血,溶血性貧血,無顆粒球症,白血球減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,減量又は投与を中止すること。

  • 麻痺性イレウス(0.1%未満)

    腸管麻痺(食欲不振,悪心・嘔吐,著しい便秘,腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し,麻痺性イレウスに移行することがあるので,腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。
    なお,この悪心・嘔吐は,本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。

  • 遅発性ジスキネジア(0.1〜5%未満),遅発性ジストニア(頻度不明)

    長期投与により,遅発性ジスキネジア,遅発性ジストニア等の不随意運動があらわれ,投与中止後も持続することがある。

  • 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(0.1%未満)

    低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。

  • 眼障害(頻度不明)

    長期又は大量投与により,角膜・水晶体の混濁,網膜・角膜の色素沈着があらわれることがある。

  • SLE様症状(頻度不明)

    SLE様症状があらわれることがある。

  • 肝機能障害,黄疸(頻度不明)

    AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 横紋筋融解症(頻度不明)

    横紋筋融解症があらわれることがあるので,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇等に注意すること。

  • 肺塞栓症,深部静脈血栓症(頻度不明)

    抗精神病薬において,肺塞栓症,静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので,観察を十分に行い,息切れ,胸痛,四肢の疼痛,浮腫等が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

5%以上又は頻度不明 0.1〜5%未満
過敏症注1 過敏症状,光線過敏症
血液注2 白血球減少症,顆粒球減少症,血小板減少性紫斑病
循環器注3 血圧降下,頻脈,不整脈,心疾患の悪化
消化器 食欲亢進,食欲不振,舌苔,悪心・嘔吐,下痢,便秘
錐体外路症状 パーキンソン症候群(手指振戦,筋強剛,流涎等),ジスキネジア(口周部,四肢等の不随意運動等),ジストニア(眼球上転,眼瞼痙攣,舌突出,痙性斜頸,頸後屈,体幹側屈,後弓反張等),アカシジア(静坐不能)
縮瞳,眼圧亢進,視覚障害
内分泌系 体重増加,女性化乳房,乳汁分泌,射精不能,月経異常,糖尿
精神神経系 錯乱,不眠,眩暈,頭痛,不安,興奮,易刺激,痙攣
その他 口渇,鼻閉,倦怠感,発熱,浮腫,尿閉,無尿,頻尿,尿失禁,皮膚の色素沈着
  • 注1:症状があらわれた場合には投与を中止すること。

  • 注2:症状(異常)が認められた場合には,減量又は投与を中止すること。

  • 注3:観察を十分に行い,慎重に投与すること。

薬価

ウインタミン錠12.5mg 9.2円/錠
ウインタミン錠25mg 9.2円/錠
ウインタミン錠50mg 9.2円/錠
ウインタミン錠100mg 9.2円/錠
ウインタミン細粒(10%) 6.7円/g

はじめてご利用の方

m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療
専門サイトです。会員登録は無料です。

新規会員登録

m3.comにご登録済の方

ログイン

{"controller":"medicines","action":"show","id":"2660"} false