LH-RH注1)誘導体マイクロカプセル型徐放性製剤注1)LH-RH:黄体形成ホルモン放出ホルモン
| 一般名 |
リュープロレリン酢酸塩
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| 製造/販売 | 武田薬品工業 |
| 剤形/規格 |
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子宮内膜症
子宮筋腫 中枢性思春期早発症 の場合 |
本剤の成分又は合成LH-RH、LH-RH誘導体に対して、過敏症の既往歴のある患者 妊婦又は妊娠している可能性のある患者、授乳中の患者(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照) 診断のつかない異常性器出血の患者[悪性疾患の可能性がある。] |
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閉経前乳癌
の場合 |
本剤の成分又は合成LH-RH、LH-RH誘導体に対して、過敏症の既往歴のある患者 妊婦又は妊娠している可能性のある患者、授乳中の患者(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照) |
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前立腺癌
の場合 |
本剤の成分又は合成LH-RH、LH-RH誘導体に対して、過敏症の既往歴のある患者 |
リュープリン注射用3.75
| リュープリン注射用3.75 |
| 子宮内膜症 |
| 過多月経、下腹痛、腰痛及び貧血等を伴う子宮筋腫における筋腫核の縮小及び症状の改善 |
| 閉経前乳癌 |
| 前立腺癌 |
| 中枢性思春期早発症 |
リュープリン注射用3.75
子宮内膜症の場合
通常、成人には4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に投与する。ただし、体重が50kg未満の患者では1.88mgを投与することができる。なお、初回投与は月経周期1〜5日目に行う。
子宮筋腫の場合
通常、成人には4週に1回リュープロレリン酢酸塩として1.88mgを皮下に投与する。ただし、体重の重い患者、子宮腫大が高度の患者では3.75mgを投与する。なお、初回投与は月経周期1〜5日目に行う。
前立腺癌、閉経前乳癌の場合
通常、成人には4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に投与する。
中枢性思春期早発症の場合
通常、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として30μg/kgを皮下に投与する。なお、症状に応じて180μg/kgまで増量できる。
バイアル品の投与に際しては、1バイアル当たり、添付の懸濁用液1mLで泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる。
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子宮内膜症
の場合 |
投与に際して、類似疾患(悪性腫瘍等)との鑑別に留意し、投与中腫瘤が増大したり、臨床症状の改善がみられない場合は投与を中止すること。 初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体−性腺系刺激作用による血清エストロゲン濃度の一過性の上昇に伴い、臨床所見の一過性の悪化が認められることがあるが、通常治療を継続することにより消失する。 更年期障害様のうつ状態があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。(「重大な副作用」の項参照) |
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子宮筋腫
の場合 |
投与に際して、類似疾患(悪性腫瘍等)との鑑別に留意し、投与中腫瘤が増大したり、臨床症状の改善がみられない場合は投与を中止すること。 粘膜下筋腫の患者に投与する場合は、出血症状が増悪することがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。また、出血症状が増悪した場合には連絡するよう患者に対し注意を与えること。 初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体−性腺系刺激作用による血清エストロゲン濃度の一過性の上昇に伴い、臨床所見の一過性の悪化が認められることがあるが、通常治療を継続することにより消失する。 更年期障害様のうつ状態があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。(「重大な副作用」の項参照) |
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閉経前乳癌
の場合 |
本剤は内分泌療法剤であり、閉経前乳癌に対し使用する場合には、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。 初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体−性腺系刺激作用による血清エストロゲン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪等がみられることがあるが、このような症状があらわれた場合には対症療法を行うこと。 本剤で抗腫瘍効果が得られず進行を認めた場合は、投与を中止すること。 更年期障害様のうつ状態があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。(「重大な副作用」の項参照) |
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前立腺癌
の場合 |
本剤は内分泌療法剤であり、前立腺癌に対し使用する場合には、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。 初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体−性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪がみられることがあるが、このような症状があらわれた場合には対症療法を行うこと。また、尿路閉塞あるいは脊髄圧迫のみられるおそれがあるので慎重に投与し、投与開始1ヵ月間は十分観察を行い、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。 |
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中枢性思春期早発症
の場合 |
初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体−性腺系刺激作用による性腺ホルモン濃度の一過性の上昇に伴い、臨床所見の一過性の悪化が認められることがあるが、通常治療を継続することにより消失する。 治療中は定期的にLH-RHテストを行い、血中LH及びFSHの反応性が抑制されない場合には、投与を中止すること。 |
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子宮内膜症
子宮筋腫 閉経前乳癌 の場合 |
粘膜下筋腫のある患者[出血症状が増悪することがある。](「重要な基本的注意」の項参照) |
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前立腺癌
の場合 |
脊髄圧迫又は尿路閉塞による腎障害を既に呈している患者又は新たに発生するおそれのある患者[初回投与初期の血清テストステロン濃度の上昇に伴い、原疾患の症状が悪化する可能性がある。] |
全効能疾患共通
投与経路
皮下注射のみに使用すること。[静脈注射により血栓症を誘発するおそれがある。]
投与法
注射針は25ゲージ又はそれよりも太いものを用いること(キット品には25ゲージの注射針が装着されている)。
皮下注射にあたっては下記の点に注意すること。
注射部位は上腕部、腹部、臀部の皮下とすること。
注射部位は毎回変更し、同一部位への反復注射は行わないこと。
注射針が血管内に入っていないことを確認すること。
注射部位をもまないように患者に指示すること。
調製法
用時調製し、懸濁後は直ちに使用すること。
バイアル品の懸濁液の粒子が沈降している場合は、泡立てない程度に揺り動かして粒子をよく再懸濁させて使用すること。
全効能疾患共通
ラットにリュープロレリン酢酸塩として本剤0.8、3.6及び16mg/kg/4週を1年間、並びにリュープロレリン酢酸塩水溶液注射剤0.6、1.5及び4mg/kg/日を2年間それぞれ皮下投与した試験で、良性下垂体腺腫が認められたとの報告がある。
子宮内膜症・子宮筋腫の場合
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 性ホルモン剤 エストラジオール誘導体、エストリオール誘導体、結合型エストロゲン製剤、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤、両性混合ホルモン剤等 | 本剤の効果を減弱することがある。 | 本剤は性ホルモンの分泌を低下させることにより薬効を示す。したがって、性ホルモン剤の投与は本剤の治療効果を減弱する可能性がある。 |
各効能疾患別及び調査別の臨床検査値の異常を含む副作用の発現頻度は次表のとおりである。
| 効能疾患 | 承認時までの調査 | 製造販売後の使用成績調査 |
| 子宮内膜症 | 86.3%〔472/547〕 | 31.1%〔803/2,586〕 (再審査終了時点) |
| 子宮筋腫 | 83.5%〔344/412〕 | 19.4%〔485/2,498〕 (再審査終了時点) |
| 閉経前乳癌 | 64.0%〔64/100〕 | 11.6%〔34/292〕 (再審査終了時点) |
| 前立腺癌 | 47.5%〔75/158〕 | 10.3%〔127/1,232〕 (再審査終了時点) |
| 中枢性思春期早発症 | 20.8%〔22/106〕 | 3.5%〔3/85〕 (再審査終了時点) |
以下の副作用は上記の調査あるいは自発報告等で認められたものである。
本剤は徐放性製剤であるので、最終投与後も薬効持続期間中は患者の状態を観察すること。
全効能疾患共通
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎(0.1%未満)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
アナフィラキシー(0.1%未満)があらわれることがあるので、問診を十分に行い、投与後は十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
糖尿病の発症又は増悪(頻度不明)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
下垂体卒中(頻度不明)が下垂体腺腫患者で報告されているので、初回投与直後に頭痛、視力・視野障害等があらわれた場合には、検査のうえ外科的治療等の適切な処置を行うこと。
心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓症、肺塞栓症等の血栓塞栓症(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
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子宮内膜症
子宮筋腫 閉経前乳癌 の場合 |
エストロゲン低下作用に基づく更年期障害様のうつ状態(0.1〜5%未満)があらわれることがあるので患者の状態を十分に観察すること。 |
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前立腺癌
の場合 |
うつ状態(0.1%未満)があらわれることがあるので患者の状態を十分に観察すること。 下垂体−性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪、尿路閉塞あるいは脊髄圧迫(5%以上)がみられることがあるので、このような場合には対症療法等適切な処置を行うこと。 心不全(0.1〜5%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
子宮内膜症・子宮筋腫・閉経前乳癌・中枢性思春期早発症の場合
| 5%以上 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
| 低エストロゲン症状 | ほてり、熱感、のぼせ、肩こり、頭痛、不眠、めまい、発汗 | 性欲減退、冷感、視覚障害、情緒不安定 | |
| 女性生殖器 | 不正出血、腟乾燥、性交痛、腟炎、帯下増加、卵巣過剰刺激症状、乳房の疼痛・緊満感・萎縮 | ||
| 筋・骨格系 | 関節痛、骨疼痛等の疼痛 | 手指等のこわばり、腰痛、筋肉痛、筋痙攣、骨塩量の低下、血清リン上昇、高カルシウム血症 | |
| 皮膚 |
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| 精神神経系 | 眠気、いらいら感、記憶力低下、注意力低下、知覚異常 | ||
| 過敏症 | 発疹、 |
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| 肝臓 注3) | AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-P、LDH、γ-GTP、ビリルビンの上昇 | 黄疸 | |
| 消化器 | 悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、下痢、便秘、口内炎、口渇 | ||
| 循環器 | 心悸亢進、血圧上昇 | ||
| 血液 | 赤血球増多、貧血、白血球減少、血小板減少、部分トロンボプラスチン時間延長 | ||
| 泌尿器系 | 頻尿、排尿困難、BUNの上昇 | ||
| 投与部位 注4) | 疼痛、硬結、発赤等の注射部位反応 | 膿瘍 | |
| その他 | 疲労、倦怠感、脱力感、口唇・四肢のしびれ、手根管症候群、耳鳴、難聴、胸部不快感、浮腫、体重増加、下肢痛、息苦しさ、発熱、総コレステロール上昇、LDLコレステロール上昇、トリグリセライド上昇、高カリウム血症 | 体重減少、味覚異常、甲状腺機能異常 |
注3)観察を十分に行うこと。
注4)中枢性思春期早発症患者において90μg/kgを超えて投与した場合、74例中8例(10.8%)で注射部位反応がみられたとの報告がある。
前立腺癌の場合
| 5%以上 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
| 肝臓 注3) | LDH上昇 | 黄疸、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、AL-Pの上昇 | |
| 内分泌系 | ほてり、熱感 | 頭痛、不眠、顔面潮紅、めまい、発汗、性欲減退、勃起障害、女性化乳房、睾丸萎縮、会陰部不快感 | |
| 筋・骨格系 | 関節痛、骨疼痛、肩・腰・四肢等の疼痛、歩行困難、手指等のこわばり | 筋肉痛、骨塩量の低下 | |
| 皮膚 | 皮膚炎、頭部発毛 | ||
| 泌尿器系 | 頻尿、血尿、BUNの上昇 | ||
| 循環器 | 心電図異常、心胸比増大 | ||
| 血液 | 貧血、血小板減少 | ||
| 消化器 | 悪心、嘔吐、食欲不振、便秘 | 下痢 | |
| 過敏症 | 発疹、 |
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| 投与部位 | 疼痛、硬結、発赤等の注射部位反応 | 膿瘍 | |
| その他 | 浮腫、胸部圧迫感、悪寒、倦怠感、口唇・四肢のしびれ、体重増加、知覚異常、難聴、耳鳴、発熱、総コレステロール上昇、トリグリセライド上昇、尿酸上昇、高カリウム血症、血糖値上昇 | 脱力感 |
注3)観察を十分に行うこと。
リュープリン注射用3.75
リュープリン注射用1.88
リュープリン注射用キット1.88
リュープリン注射用キット3.75
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