妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)[動物(ラット)を用いた生殖・発生毒性試験で、出生児体重の低下及び胎児体重の低下が認められている。]
本剤の成分又はクロニジン塩酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者
パーキンソン病
通常、成人にはタリペキソール塩酸塩として1日1回0.2mg又は0.4mgを夕食後に経口投与から始め、経過を観察しながら1週間毎に1日量として0.4mgずつ漸増し、維持量(標準1日1.2mg〜3.6mg)を定める。1日量がタリペキソール塩酸塩として0.8mgの場合は2回に分けて朝食後及び夕食後に、1.2mg以上の場合は3回に分けて毎食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤の投与は、少量(1日0.2mg又は0.4mg)から開始し、観察を十分に行い、特に幻覚、妄想等の精神神経系の副作用(「副作用」の項参照)に注意し、慎重に維持量(標準1日1.2mg〜3.6mg)まで増量すること。
臨床試験においては、幻覚、妄想等の副作用が発現し易いことが認められている(「副作用」の項参照)。
また、以下の患者では幻覚、妄想等の副作用の発現率が高い傾向にあるので、投与に際しては十分注意すること。
幻覚、妄想等の既往歴のある患者(「慎重投与」の項参照)
高齢者(「慎重投与」及び「高齢者への投与」の項参照)
Yahr重症度が高い患者(IV度以上)(「慎重投与」の項参照)
他の抗パーキンソン剤(レボドパ、抗コリン剤、塩酸アマンタジン、ドロキシドパ)を使用している患者(「相互作用」の項参照)
幻覚、妄想等の副作用(「副作用」の項参照)があらわれた場合には、減量又は投与を中止するとともに、必要に応じ抗精神病薬を使用する等適切な処置を行うこと。
本剤の減量・中止が必要な場合は、漸減すること。[急激な減量又は中止により、発熱、意識障害、無動無言、高度の筋硬直、不随意運動、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、血清CK(CPK)の上昇等を症状とするSyndrome malin(悪性症候群)があらわれることがある。]
前兆のない突発的睡眠、傾眠、注意力・集中力・反射機能等の低下、ふらつき、めまい及び起立性低血圧がみられることがあり、突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されている。突発的睡眠を起こした症例の中には、傾眠や過度の眠気のような前兆を認めなかった例が報告されている。患者には本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。
レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。
低血圧症の患者[血圧低下がみられることがある。]
てんかん又はその既往歴のある患者[発作を誘発又は悪化させるおそれがある。]
アルコール依存又はその既往歴のある患者[アルコールとの相互作用で鎮静作用が増強されるおそれがある。]
薬物依存又はその既往歴のある患者[依存性薬物の作用を増強するおそれがある。]
レイノー病の患者[末梢血管障害を悪化させるおそれがある。]
幻覚、妄想、せん妄、興奮、イライラ感、不安、悪夢(以下、幻覚、妄想等)の精神症状又はそれらの既往歴のある患者[幻覚、妄想等が増悪又は発現し易くなることがある。臨床試験における発現率:37.1%(23例/62例)]
重篤な心疾患、腎疾患、肝疾患、肺疾患及び内分泌機能障害又はそれらの既往歴のある患者[副作用が発現し易くなるおそれがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
Yahr重症度が高い患者(IV度以上)[Yahr重症度が高くなるに従い、他の抗パーキンソン剤を併用することが多くなるため、幻覚、妄想等の副作用が発現し易くなることがある。臨床試験における発現率:19.5%(23例/118例)]
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 降圧作用を有する薬剤 | 血圧低下がみられることがある。 | 機序は明らかではないが、本剤との併用により降圧作用増強の可能性が考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アルコール | 鎮静作用が増強されるおそれがある。 | 機序は明らかではないが、本剤との併用により鎮静作用増強の可能性が考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤 | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | 本剤との併用により両薬剤の作用が拮抗するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗パーキンソン剤(レボドパ、抗コリン剤、塩酸アマンタジン、ドロキシドパ) | 幻覚、妄想等の副作用が増強されることがある。 | 臨床試験における発現率は16.8%(66例/392例)であった。 |
臨床試験
調査症例490例中、副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が報告されたのは257例(52.45%)であった。主な副作用は傾眠96件(19.59%)、幻覚58件(11.84%)、悪心48件(9.80%)、胃部不快感41件(8.37%)等であった。
使用成績調査
調査症例3,212例中、副作用が報告されたのは1,041例(32.41%)であった。主な副作用は傾眠468件(14.57%)、悪心150件(4.67%)、幻覚136件(4.23%)、嘔吐73件(2.27%)等であった。(再審査終了時)
突発的睡眠(0.1%未満)
前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので、このような場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
Syndrome malin(悪性症候群)(0.1%未満)
本剤の急激な減量又は中止により、悪性症候群があらわれることがある。観察を十分に行い、発熱、意識障害、無動無言、高度の筋硬直、不随意運動、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、血清CK(CPK)の上昇等があらわれた場合には悪性症候群の症状である可能性があるため、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。
幻覚(5%以上)、妄想(0.1〜5%未満)、せん妄(0.1〜5%未満)
幻覚、妄想、せん妄があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量又は投与を中止するとともに、必要に応じ抗精神病薬を使用する等適切な処置を行うこと。
以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
| 消化器 | 悪心 | 食欲不振、胃部不快感、嘔吐、口渇、便秘、心窩部痛、胸やけ | 口内炎 | |
| 精神神経系注) | 傾眠 | 興奮、不安、イライラ感、悪夢、ジスキネジア、不眠、倦怠感、疲労感、頭痛、頭重感、ぼんやり、下肢の異常感覚 | 四肢倦怠感 | 病的性欲亢進 |
| 循環器 | ふらつき、めまい、起立性低血圧、ほてり、胸部不快感、動悸、立ちくらみ | 指先冷感、顔面蒼白 | ||
| 肝臓 | GOT上昇、GPT上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇 | |||
| 腎臓 | クレアチニン上昇 | |||
| 血液 | 赤血球数減少 | 白血球数減少、血色素量減少 | ||
| 皮膚 | 発疹 | 発赤、網状皮斑 | ||
| その他 | プロラクチン分泌抑制、成長ホルモン分泌異常、浮腫、CK(CPK)上昇、冷汗、視力異常、四肢のふるえ | 寒気、眼瞼痙攣、目の乾燥感、背痛、舌がヒリヒリする |
注)興奮、不安、イライラ感、悪夢が発現した場合には、減量又は投与を中止する等適切な処置を行うこと。
ドミン錠0.4 110.8円/錠
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