リンヴォック錠30mg 他

ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 ウパダシチニブ水和物
製造/販売 アッヴィ
剤形/規格
  • リンヴォック錠30mg
  • リンヴォック錠15mg
  • リンヴォック錠7.5mg

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警告

  • <効能共通>

    • 1.1 本剤投与により、結核、肺炎、敗血症、ウイルス感染等による重篤な感染症の新たな発現もしくは悪化等や悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
      また、本剤投与により重篤な副作用が発現し、致死的な経過をたどった症例が報告されているので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師が使用すること。また、本剤投与後に有害事象が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。[1.2.1、1.2.2、2.2、2.3、8.1、8.2、8.7、8.8、9.1.1-9.1.3、9.8、11.1.1、15.1.1-15.1.9参照]

    • 1.2 感染症

      • 1.2.1 重篤な感染症

        • 肺炎、敗血症、真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること。[1.1、2.2、8.1、9.1.1、9.1.3、9.8、11.1.1、15.1.1、15.1.3、15.1.5、15.1.7参照]

      • 1.2.2 結核

        • 肺外結核(泌尿生殖器、リンパ節等)を含む結核が報告されている。結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する患者及び結核の感染が疑われる患者には、結核等の感染症について診療経験を有する医師と連携の下、原則として本剤投与前に適切な抗結核薬を投与すること。ツベルクリン反応検査等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められた例も報告されている。[1.1、2.3、8.2、9.1.2、11.1.1参照]

    • 1.3 本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験をもつ医師が使用すること。

  • <関節リウマチ>

    • 1.4 本剤の治療を行う前に、少なくとも1剤の抗リウマチ薬等の使用を十分勘案すること。[5.1参照]

  • <関節症性乾癬>

    • 1.5 本剤の治療を開始する前に、既存の全身治療の適用を十分に勘案すること。[5.2参照]

  • <強直性脊椎炎>

    • 1.6 本剤の治療を開始する前に、適応疾患の既存治療の適用を十分に勘案すること。[5.3参照]

禁忌

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[11.1.7参照]

  • 2.2 重篤な感染症(敗血症等)の患者[症状が悪化するおそれがある。][1.1、1.2.1、8.1、9.1.1、9.1.3、9.8、11.1.1、15.1.1、15.1.3、15.1.5、15.1.7参照]

  • 2.3 活動性結核の患者[症状が悪化するおそれがある。][1.1、1.2.2、8.2、9.1.2、11.1.1参照]

  • 2.4 重度の肝機能障害を有する患者[9.3.1、16.6.2参照]

  • 2.5 好中球数が1000/mm3未満の患者[8.3、9.1.9、11.1.3参照]

  • 2.6 リンパ球数が500/mm3未満の患者[8.3、9.1.10、11.1.3参照]

  • 2.7 ヘモグロビン値が8g/dL未満の患者[8.3、9.1.11、11.1.3参照]

  • 2.8 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

効能・効果

  • 既存治療で効果不十分な下記疾患

    • ○関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)

    • ○関節症性乾癬

    • ○強直性脊椎炎

    • ○アトピー性皮膚炎注)

    • 注)最適使用推進ガイドライン対象

用法・容量

  • <関節リウマチ>

    • 通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて7.5mgを1日1回投与することができる。

  • <関節症性乾癬、強直性脊椎炎

    • 通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。

  • <アトピー性皮膚炎>

    • 通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて30mgを1日1回投与することができる。

    • 通常、12歳以上かつ体重30kg以上の小児にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。

注意事項

重要な基本的注意

  • <効能共通>

    • 8.1 本剤は、免疫反応に関与するJAKファミリーを阻害するので、感染症に対する宿主免疫能に影響を及ぼす可能性がある。本剤の投与に際しては十分な観察を行い、感染症の発現や増悪に注意すること。また、患者に対し、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指導すること。[1.1、1.2.1、2.2、7.1、9.1.1、9.1.3、9.8、11.1.1参照]

    • 8.2 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。本剤投与中は胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意すること。患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに主治医に連絡するよう説明すること。[1.1、1.2.2、2.3、9.1.2、11.1.1参照]

    • 8.3 好中球減少、リンパ球減少及びヘモグロビン減少があらわれることがあるので、投与前の検査値を測定するとともに本剤投与開始後は定期的に好中球数、リンパ球数及びヘモグロビン値を確認すること。[2.5-2.7、9.1.9-9.1.11、11.1.3参照]

    • 8.4 播種性を含む帯状疱疹等のウイルスの再活性化が報告されていることから、ヘルペスウイルス等の再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。徴候や症状の発現が認められた場合には、患者に受診するよう説明し、本剤の投与を中断し速やかに適切な処置を行うこと。また、ヘルペスウイルス以外のウイルスの再活性化にも注意すること。[11.1.1参照]

    • 8.5 本剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されているので、投与に先立ってB型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。[9.1.5参照]

    • 8.6 感染症発現のリスクを否定できないので、本剤開始直前及び投与中の生ワクチン接種は行わないこと。

    • 8.7非黒色腫皮膚癌を除く、悪性リンパ腫、固形癌の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明らかではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること。[1.1、8.8、15.1.2、15.1.4、15.1.6、15.1.8、15.1.9参照]

    • 8.8 皮膚有棘細胞癌、基底細胞癌等の非黒色腫皮膚癌があらわれることがあるので、定期的に皮膚の状態を確認すること。また、皮膚の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。臨床試験において本剤15mgと比較して本剤30mgで非黒色腫皮膚癌の発現率が高いことが報告されている。[1.1、8.7、15.1.2、15.1.4、15.1.6、15.1.8、15.1.9参照]

    • 8.9 総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール及びトリグリセリドの上昇等の脂質検査値異常があらわれることがある。本剤投与開始後は定期的に脂質検査値を確認すること。臨床上必要と認められた場合には、脂質異常症治療薬の投与等の適切な処置を考慮すること。

    • 8.10 トランスアミナーゼ値の上昇があらわれることがあるので、ベースラインを測定するとともに、本剤投与中は観察を十分に行うこと。トランスアミナーゼ値が基準値上限の3倍以上に上昇した症例も報告されている。[11.1.4参照]

  • <アトピー性皮膚炎>

    • 8.11 本剤が疾病を完治させる薬剤でなく、本剤投与中も保湿外用剤等を併用する必要があることを患者に対して説明し、患者が理解したことを確認したうえで投与すること。

    • 8.12 本剤は免疫抑制作用を有することから、皮膚バリア機能が低下しているアトピー性皮膚炎患者への投与に際しては十分な観察を行い、皮膚感染症の発現に注意すること。アトピー性皮膚炎患者を対象とした臨床試験において重篤な皮膚感染症が報告されている。

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者[1.1、1.2.1、2.2、8.1、11.1.1参照]

    • 9.1.2 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者

      • (1)結核の既感染者では、結核を活動化させるおそれがある。[1.1、1.2.2、2.3、8.2、11.1.1参照]

      • (2)結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として本剤投与前に適切な抗結核薬を投与すること。[1.1、1.2.2、2.3、8.2、11.1.1参照]

        • ・胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者

        • ・結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者

        • ・インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者

        • ・結核患者との濃厚接触歴を有する患者

    • 9.1.3 易感染性の状態にある患者

      • 感染症を発現するリスクが高い。[1.1、1.2.1、2.2、8.1、11.1.1参照]

    • 9.1.4 静脈血栓塞栓症のリスクを有する患者[11.1.6参照]

    • 9.1.5 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)

      • 肝機能検査値やHBV DNAのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。なお、HBs抗原又はHBV DNA陽性の患者は臨床試験では除外されている。[8.5参照]

    • 9.1.6 C型肝炎患者

      • HCV抗体陽性、HCV RNA陽性の患者は臨床試験から除外されている。

    • 9.1.7 腸管憩室のある患者

      • 消化管穿孔があらわれるおそれがある。[11.1.2参照]

    • 9.1.8 間質性肺炎の既往歴のある患者

      • 定期的に問診を行うなど、注意すること。間質性肺炎があらわれるおそれがある。[11.1.5参照]

    • 9.1.9 好中球減少(好中球数1000/mm3未満を除く)のある患者

      • 好中球減少が更に悪化するおそれがある。[2.5、8.3参照]

    • 9.1.10 リンパ球減少(リンパ球数500/mm3未満を除く)のある患者

      • リンパ球減少が更に悪化するおそれがある。[2.6、8.3参照]

    • 9.1.11 ヘモグロビン値減少(ヘモグロビン値8g/dL未満を除く)のある患者

      • ヘモグロビン減少が更に悪化するおそれがある。[2.7、8.3参照]

  • 9.2 腎機能障害患者

    • 腎機能が正常な患者に比べ、本剤の曝露量が増加し、副作用が強くあらわれるおそれがある。[7.5、16.6.1参照]

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者

      • 投与しないこと。臨床試験において除外されている。[2.4、16.6.2参照]

    • 9.3.2 軽度又は中等度の肝機能障害のある患者

      • 肝機能が正常な患者に比べ、本剤の曝露量が増加し、副作用が強くあらわれるおそれがある。[16.6.2参照]

  • 9.4 生殖能を有する者

    • 妊娠可能な女性には、本剤投与中及び本剤投与終了後少なくとも一定の期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラット及びウサギでヒト臨床用量15mg、30mg(母体経口投与量は4mg/kg/日及び25mg/kg/日)のそれぞれ1.2倍、0.7倍及び11倍、6.6倍に相当する用量で催奇形性が確認されている。[2.8、9.4参照]

  • 9.6 授乳婦

    • 本剤投与中は授乳しないことが望ましい。ラットで乳汁中へ移行することが報告されている。本剤のヒト乳汁中への移行は不明である。

  • 9.7 小児等

    • <関節リウマチ、関節症性乾癬、強直性脊椎炎>

      • 9.7.1 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

    • <アトピー性皮膚炎>

      • 9.7.2 体重30kg以上40kg未満の小児に投与する場合には、観察を十分に行い、慎重に投与すること。12歳未満、又は体重40kg未満の小児等を対象とした臨床試験は実施されていない。[17.1.11、17.1.12参照]

  • 9.8 高齢者

    • 患者の状態を観察しながら、用量に留意して慎重に投与すること。臨床試験では非高齢者と比較して重篤な感染症等の有害事象の発現率の上昇が認められている。また、アトピー性皮膚炎を対象とした臨床試験では、65歳以上の患者において、15mg1日1回投与と比較して、30mg1日1回投与で重篤な有害事象の発現率の上昇が認められている。[1.1、1.2.1、2.2、8.1、11.1.1参照]

適用上の注意

  • 14.1 薬剤調製時の注意

    • 粉砕して使用しないこと。

  • 14.2 薬剤交付時の注意

    • 14.2.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    • 14.2.2 かみ砕いて服用しないように患者に指導すること。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • <関節リウマチ>

      • 15.1.1 関節リウマチ患者を対象とした第III相試験における本剤15mg併合解析(長期、5試験)において、重篤な感染症の発現率は3.8件/100人・年であった。[1.1、1.2.1、2.2、11.1.1参照]

      • 15.1.2 関節リウマチ患者を対象とした第III相試験における本剤15mg併合解析(長期、5試験)において、非黒色腫皮膚癌を除く悪性腫瘍の発現率は0.9件/100人・年であった。また投与期間別の発現状況は下表のとおりであった。[1.1、8.7、8.8参照]

        • 表1:投与期間別の発現状況

          投与期間 15mgQD投与群(2630例)
          例数/曝露期間 発現率(/100人・年)[95%信頼区間]
          0〜6ヵ月 10/1226.3人・年 0.8[0.4,1.5]
          6〜12ヵ月 6/903.4人・年 0.7[0.2,1.4]
          12ヵ月〜 6/522.9人・年 1.1[0.4,2.5]

    • <関節症性乾癬>

      • 15.1.3 関節症性乾癬患者を対象とした第III相試験における本剤15mg併合解析(長期、2試験)において、重篤な感染症の発現率は2.3件/100人・年であった。[1.1、1.2.1、2.2、11.1.1参照]

      • 15.1.4 関節症性乾癬患者を対象とした第III相試験における本剤15mg併合解析(長期、2試験)において、非黒色腫皮膚癌を除く悪性腫瘍の発現率は0.7例/100人・年であった。[1.1、8.7、8.8参照]

    • <強直性脊椎炎>

      • 15.1.5 強直性脊椎炎患者を対象とした第II/III相試験及び第III相試験における本剤15mgの解析(長期)において重篤な感染症の発現はそれぞれ0件及び6.0件/100人・年(うち、COVID-19関連のものは3.7件/100人・年)であった。[1.1、1.2.1、2.2、11.1.1参照]

      • 15.1.6 強直性脊椎炎患者を対象とした第II/III相試験及び第III相試験における本剤15mgの解析(長期)では、非黒色腫皮膚癌を除く悪性腫瘍の発現率はそれぞれ0.4例/100人・年及び0例/100人・年であった。[1.1、8.7、8.8参照]

    • <アトピー性皮膚炎>

      • 15.1.7 アトピー性皮膚炎患者を対象とした第III相試験における本剤15mg及び30mg併合解析(長期、3試験)において、重篤な感染症の発現率は15mg群で2.4件/100人・年、30mg群で3.3件/100人・年であった。[1.1、1.2.1、2.2、11.1.1参照]

      • 15.1.8 アトピー性皮膚炎患者を対象とした第III相試験における本剤15mg及び30mg併合解析(長期、3試験)において、非黒色腫皮膚癌を除く悪性腫瘍の発現率は15mg群で0.2例/100人・年、30mg群で0.3例/100人・年であった。[1.1、8.7、8.8参照]

    • <効能共通>

      • 15.1.9 心血管系事象のリスク因子を有する関節リウマチ患者を対象としたJAK阻害剤トファシチニブクエン酸塩の海外臨床試験の結果、主要評価項目である主要な心血管系事象(Major Adverse Cardiovascular Events:MACE)及び悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率について、TNF阻害剤群に対するハザード比(95%信頼区間)はそれぞれ1.33(0.91,1.94)及び1.48(1.04,2.09)であり、95%信頼区間上限は予め設定していた非劣性マージン1.8を超え、TNF阻害剤群に対する非劣性が検証されなかったことが報告されている。また、本剤でも、国内市販後の自発報告において、心血管系事象の発現が認められている。[1.1、8.7、8.8参照]

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • 本剤はJAK阻害作用を有することから免疫系及び造血系へ影響を及ぼす可能性があり、非臨床試験ではリンパ球数及び赤血球数の減少等に加え、免疫抑制に起因する二次的な作用(毛包虫症(疥癬)など)がみられた。

相互作用

相互作用序文

  • 本剤は主としてCYP3Aで代謝される。[16.4参照]

薬物代謝酵素用語

CYP3A

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3Aを強く阻害する薬剤イトラコナゾールリトナビルクラリスロマイシン等 グレープフルーツ [7.4、16.7.1参照] 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。これらを長期間併用する場合は副作用の発現等に注意すること。 CYP3A阻害作用により本剤のクリアランスが低下するため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3Aを強く誘導する薬剤リファンピシンカルバマゼピンフェニトイン等セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品[16.7.1参照] 本剤の血中濃度が低下し、効果減弱のおそれがある。併用する場合は疾患活動性の変化をモニタリングすること。 CYP3A誘導作用により本剤のクリアランスが増加するため。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 感染症

    • 肺炎(1.1%)、帯状疱疹(3.9%)、結核(頻度不明)等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)があらわれ、致死的な経過をたどるおそれがある。本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合は、感染症がコントロールできるようになるまでは投与を中止すること。[1.1、1.2.1、1.2.2、2.2、2.3、8.1、8.2、8.4、9.1.1-9.1.3、9.8、15.1.1、15.1.3、15.1.5、15.1.7参照]

  • 11.1.2 消化管穿孔(0.1%未満)

    • 異常が認められた場合には投与を中止するとともに、腹部X線、CT等の検査を実施するなど十分に観察し、適切な処置を行うこと。[9.1.7参照]

  • 11.1.3 好中球減少(1.8%)、リンパ球減少0.9%)、ヘモグロビン減少0.4%

    • 好中球数

      • 本剤投与開始後、1000/mm3未満になった場合には、1000/mm3以上となるまで本剤の投与を中断すること。

    • リンパ球数

      • 本剤投与開始後、500/mm3未満になった場合には、500/mm3以上となるまで本剤の投与を中断すること。

    • ヘモグロビン値

      • 本剤投与開始後、8g/dL未満になった場合には、8g/dL以上となるまで本剤の投与を中断すること。

    • [2.5-2.7、8.3参照]

  • 11.1.4 肝機能障害

    • ALT上昇(3.0%)、AST上昇(2.3%)等の肝機能障害があらわれるおそれがある。[8.10参照]

  • 11.1.5 間質性肺炎(頻度不明)

    • 発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線検査、胸部CT検査及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスチス肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。[9.1.8参照]

  • 11.1.6 静脈血栓塞栓症

    • 肺塞栓症(0.1%)及び深部静脈血栓症(0.1%未満)があらわれることがある。[9.1.4参照]

  • 11.1.7 重篤な過敏症

    • アナフィラキシー(頻度不明)及び血管浮腫(頻度不明)があらわれるおそれがある。[2.1参照]

  • 副作用の発現頻度は、関節リウマチ(投与期間1.36年(中央値)の安全性データ)、関節症性乾癬(投与期間1.32年(中央値)の安全性データ)、強直性脊椎炎(投与期間0.82年(中央値)の安全性データ)及びアトピー性皮膚炎(投与期間1.19年(中央値)の安全性データ)を対象とし、本剤との関連性が否定できない事象につき、当該臨床試験の統合データに基づいて算出した。

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

10%以上 1%〜10%未満 1%未満
消化器 悪心、腹痛(上腹部痛を含む)
呼吸器 咳嗽
感染症 上気道感染(急性副鼻腔炎、喉頭炎、ウイルス性喉頭炎、鼻咽頭炎、口腔咽頭痛、咽頭膿瘍、咽頭炎、レンサ球菌性咽頭炎、咽頭扁桃炎、気道感染、ウイルス性気道感染、鼻炎、鼻喉頭炎、副鼻腔炎、扁桃炎、細菌性扁桃炎、ウイルス性咽頭炎、ウイルス性上気道感染を含む) 気管支炎(ウイルス性気管支炎、細菌性気管支炎、気管気管支炎を含む)、単純ヘルペス(陰部ヘルペス、陰部単純ヘルペス、ヘルペス性皮膚炎、ヘルペス眼感染、鼻ヘルペス、眼部単純ヘルペス、ヘルペスウイルス感染、口腔ヘルペスを含む)、インフルエンザ 口腔カンジダ、毛包炎
皮膚及び皮下組織 ざ瘡 蕁麻疹、皮膚有棘細胞癌、基底細胞癌
神経系障害 頭痛
一般・全身障害及び投与部位の状態 発熱、疲労
臨床検査値 CK上昇、体重増加 高脂血症
  • 副作用の発現頻度は、関節リウマチ(投与期間1.36年(中央値)の安全性データ)、関節症性乾癬(投与期間1.32年(中央値)の安全性データ)、強直性脊椎炎(投与期間0.82年(中央値)の安全性データ)及びアトピー性皮膚炎(投与期間1.19年(中央値)の安全性データ)を対象とし、本剤との関連性が否定できない事象につき、当該臨床試験の統合データに基づいて算出した。

薬価

リンヴォック錠30mg 7351.8円/錠
リンヴォック錠15mg 5089.2円/錠
リンヴォック錠7.5mg 2594.6円/錠

評価サマリー

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