2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
2.3 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
2型糖尿病
通常、成人にはテネリグリプチンとして20mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら40mg1日1回に増量することができる。
8.1 本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。[9.1.2、11.1.1参照]
8.2 本剤投与中は、血糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、本剤を3ヵ月投与しても効果が不十分な場合には他の治療法への変更を考慮すること。
8.3 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。[11.1.1参照]
8.4 本剤とGLP-1受容体作動薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確立されていない。
8.5 急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。[11.1.6参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心不全(NYHA分類III〜IV)のある患者
使用経験がなく、安全性が確立していない。
9.1.2 次に掲げる患者又は状態
低血糖を起こすおそれがある。
・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
・栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
・激しい筋肉運動
・過度のアルコール摂取者
[8.1、11.1.1参照]
9.1.3 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者
腸閉塞を起こすおそれがある。[11.1.2参照]
9.1.4 QT延長を起こしやすい患者(先天性QT延長症候群等QT延長の既往歴又はTorsades de pointesの既往歴のある患者、重度の徐脈等の不整脈又はその既往歴のある患者、うっ血性心不全等の心疾患のある患者、低カリウム血症の患者等)
QT延長を起こすおそれがある。海外臨床試験において本剤160mgを1日1回投与したときにQT延長が報告されている。[17.3.1参照]
本剤の承認用量は通常、20mg/日であり、最大用量は40mg/日である。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 高度の肝機能障害のある患者
これらの患者(Child-Pugh分類で合計スコア9超)を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
13.1 処置
末期腎不全患者では、血液透析によってテネリグリプチンは投与量の15.6%が除去されたとの報告がある。[16.6.1参照]
14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。
14.1.3 本剤は寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。
15.2 非臨床試験に基づく情報
カニクイザルを用いた52週間反復経口投与毒性試験において、75mg/kg/日投与で尾、四肢及び耳介等に表皮剥脱・痂皮・潰瘍等の皮膚症状が認められた。このときのAUC0-24hrは、1日40mgをヒトに投与したときの約45倍に達していた。なお、同様の毒性所見は、他の動物種(ラット、マウス及びウサギ)及びヒトでは報告されていない。
本剤は、主としてCYP3A4及びフラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO1及びFMO3)により代謝される。[16.4.2参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 糖尿病用薬スルホニルウレア系薬剤速効型インスリン分泌促進剤α-グルコシダーゼ阻害剤ビグアナイド系薬剤チアゾリジン系薬剤GLP-1受容体作動薬SGLT2阻害剤インスリン製剤等[11.1.1参照] | 低血糖症状が起こるおそれがあるので、患者の状態を十分観察しながら投与すること。特に、スルホニルウレア系薬剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するため、これらの薬剤の減量を検討すること。 | 血糖降下作用が増強される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 血糖降下作用を増強する薬剤β-遮断剤サリチル酸剤モノアミン酸化酵素阻害剤等 | 更に血糖が低下する可能性があるため、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | 血糖降下作用が増強される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 血糖降下作用を減弱する薬剤アドレナリン副腎皮質ホルモン甲状腺ホルモン等 | 血糖が上昇する可能性があるため、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | 血糖降下作用が減弱される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| QT延長を起こすことが知られている薬剤クラスIA抗不整脈薬キニジン硫酸塩水和物、プロカインアミド塩酸塩等クラスIII抗不整脈薬アミオダロン塩酸塩、ソタロール塩酸塩等 | QT延長等が起こるおそれがある。 | これらの薬剤では単独投与でもQT延長がみられている。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 低血糖(1.1〜8.9%)
低血糖があらわれることがある。特に、インスリン製剤又はスルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来たす例も報告されている。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用時にはブドウ糖を投与すること。[8.1、8.3、9.1.2、10.2、17.1.2、17.1.3、17.2.1参照]
11.1.2 腸閉塞(0.1%)
高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.1.3参照]
11.1.3 肝機能障害(頻度不明)
AST、ALTの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
11.1.4 間質性肺炎(頻度不明)
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.5 類天疱瘡(頻度不明)
水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.6 急性膵炎(頻度不明)
持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.5参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 0.1〜1%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
| 精神・神経系 | 浮動性めまい | ||
| 消化器 | 便秘、腹部膨満、腹部不快感、悪心、腹痛、鼓腸、口内炎、胃ポリープ、結腸ポリープ、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、下痢、食欲減退、アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇 | ||
| 肝臓 | AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇 | ALP上昇 | |
| 腎臓・泌尿器系 | 蛋白尿、尿ケトン体陽性、尿潜血 | ||
| 皮膚 | 湿疹、発疹、そう痒、アレルギー性皮膚炎 | ||
| その他 | CK上昇、血清カリウム上昇、倦怠感、アレルギー性鼻炎、血清尿酸上昇 | 末梢性浮腫 |
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