本剤投与中に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の重篤な血栓塞栓症があらわれ、死亡に至るおそれがある。本剤の投与開始前に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の合併症及び既往歴の有無等を含めた血栓塞栓症のリスクを評価した上で、本剤の投与の可否を慎重に判断すること。また、本剤投与中は、患者の状態を十分に観察し、血栓塞栓症が疑われる徴候や症状の発現に注意すること。血栓塞栓症が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[11.1.1参照]
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
腎性貧血
赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合
通常、成人には、ロキサデュスタットとして1回50mgを開始用量とし、週3回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回3.0mg/kgを超えないこととする。
赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合
通常、成人には、ロキサデュスタットとして1回70mg又は100mgを開始用量とし、週3回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回3.0mg/kgを超えないこととする。
8.1 本剤投与開始後及び用量変更後には、ヘモグロビン濃度が目標範囲に到達し、安定するまでは週1回から2週に1回程度ヘモグロビン濃度を確認すること。ヘモグロビン濃度が4週以内に2.0g/dLを超えるような急激な上昇を認めた場合は、減量・休薬等の適切な処置をとること。[7.2参照]
8.2 本剤投与中はヘモグロビン濃度等を定期的に確認し、腎性貧血の治療に関する最新の情報を参考にして、必要以上の造血作用があらわれないように十分注意すること。赤血球造血刺激因子製剤の臨床試験においてヘモグロビンの目標値を高く設定した場合に、死亡、心血管系障害及び脳卒中の発現頻度が高くなったとの報告がある
8.3 本剤投与中に中枢性甲状腺機能低下症があらわれることがあり、投与開始後約2週間であらわれたとの報告もある。本剤投与中は定期的に甲状腺機能検査(TSH、遊離T3、遊離T4)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.3参照]
8.4 本剤投与により血圧が上昇する場合があるので、血圧の推移に十分注意しながら投与すること。
8.5 造血には鉄が必要なことから、必要に応じて鉄の補充を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の患者、又はそれらの既往歴のある患者
本剤投与により血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがある。
9.1.2 高血圧症を合併する患者
血圧上昇があらわれるおそれがある。
9.1.3 悪性腫瘍を合併する患者
本剤の血管新生亢進作用により悪性腫瘍を増悪させる可能性がある。
9.1.4 増殖糖尿病網膜症、黄斑浮腫、滲出性加齢黄斑変性症、網膜静脈閉塞症等を合併する患者
本剤の血管新生亢進作用により網膜出血があらわれる可能性がある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度以上の肝機能障害(Child-Pugh分類B及びC)のある患者
本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。
本剤100mgを中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)のある患者に単回投与した際、本剤の血漿中非結合型のCmax及びAUCinfが上昇した
9.4 生殖能を有する者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。母動物(ラット)への投与で、本剤は胎児に移行し、本剤の最大臨床用量における曝露量の0.4倍の曝露量で出生児の発達遅延、0.8倍の曝露量で出生児生存率の低値等が報告されている
9.6 授乳婦
本剤投与中及び最終投与後28日まで授乳を避けさせること。母動物(ラット)への投与で、本剤は乳汁中に移行し、出生児において乳汁による曝露の影響と考えられる発生毒性が報告されている
9.7 小児等
本剤では小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
13.1 症状
本剤を健康成人に5mg/kg(510mg)まで単回投与した際、一過性の心拍数増加が報告されている。本剤の過量投与によりヘモグロビン濃度が必要以上に増加するおそれがある。
13.2 処置
本剤の減量・休薬等の適切な処置を行うこと。本剤は透析で除去されない。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤は、CYP2C8、UGT1A9、BCRP、OATP1B1、OAT1及びOAT3の基質であり、BCRP及びOATP1B1に対して阻害作用を有する
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リン結合性ポリマーセベラマー塩酸塩ビキサロマー[16.7.2参照] | 本剤と併用した場合、本剤の作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、前後1時間以上間隔をあけて本剤を服用すること。 | 本剤をセベラマー炭酸塩と同時投与したところ、本剤のAUCinfが低下した。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 多価陽イオンを含有する経口薬剤(カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム等を含む製剤)[16.7.2参照] | 本剤と併用した場合、本剤の作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、前後1時間以上間隔をあけて本剤を服用すること。 | 本剤を酢酸カルシウムと同時投与したところ、本剤のAUCinfが低下した。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| HMG-CoA還元酵素阻害剤シンバスタチンロスバスタチンアトルバスタチン等[16.7.3参照] | HMG-CoA還元酵素阻害剤による筋障害を増強するおそれがあるため、併用する場合は、患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤をシンバスタチン、ロスバスタチン、アトルバスタチンと併用したところ、これらの薬剤のAUCinfが上昇した。また、本剤投与2時間前、本剤投与の4又は10時間後にシンバスタチンを投与した際も曝露量が上昇した。本剤のOATP1B1/BCRP阻害作用により、これらの薬剤の血漿中濃度を上昇させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| プロベネシド[16.7.2参照] | 本剤の作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤をプロベネシドと併用したところ、本剤のAUCinfが上昇した。プロベネシドのUGT/OAT阻害作用により、本剤の血漿中濃度を上昇させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ゲムフィブロジル(国内未承認)[16.7.2参照] | 本剤の作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤をゲムフィブロジルと併用したところ、本剤のAUCinfが上昇した。ゲムフィブロジルのCYP2C8/OATP1B1阻害作用により、本剤の血漿中濃度を上昇させる可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血栓塞栓症(2.3%)
脳梗塞(0.5%)、急性心筋梗塞(0.1%)、肺塞栓症(0.1%)、シャント閉塞(0.8%)等の血栓塞栓症があらわれることがある。[1.参照]
11.1.2 痙攣発作(頻度不明)
11.1.3 中枢性甲状腺機能低下症(頻度不明)
血中甲状腺刺激ホルモン(TSH)が正常範囲内又は低値を示す中枢性甲状腺機能低下症があらわれることがある。症状や徴候があらわれた場合には、必要に応じて投与の中止、甲状腺ホルモン製剤の投与などの適切な処置を行うこと。[8.3参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 1%以上 | 0.5〜1%未満 | 0.5%未満 | 頻度不明 | |
| 心臓障害 | うっ血性心不全、動悸 | |||
| 内分泌障害 | 甲状腺機能低下症 | |||
| 眼障害 | 網膜出血 | |||
| 胃腸障害 | 嘔吐、下痢、便秘 | 悪心、腹部不快感 | 腹痛、消化不良、胃障害 | |
| 一般・全身障害及び投与部位の状態 | 浮腫、末梢性浮腫、倦怠感 | |||
| 感染症及び寄生虫症 | 結膜炎 | |||
| 傷害、中毒及び処置合併症 | シャント狭窄 | |||
| 臨床検査 | リパーゼ増加 | ALT増加、CK増加 | TSH減少、遊離T3減少、遊離T4減少、血中ビリルビン増加 |
|
| 代謝及び栄養障害 | 高カリウム血症、高リン酸塩血症、鉄欠乏、食欲減退、低アルブミン血症 | |||
| 神経系障害 | 浮動性めまい | |||
| 精神障害 | 不眠症 | |||
| 生殖系及び乳房障害 | 女性化乳房 | |||
| 呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | 咳嗽、間質性肺疾患 | |||
| 皮膚及び皮下組織障害 | そう痒症 | 全身性剥脱性皮膚炎 | ||
| 血管障害 | 高血圧 | |||
| その他 | 医療機器内血栓 |
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