持効型溶解インスリンアナログ/ヒトGLP-1アナログ 配合注射液
| 一般名 |
インスリンデグルデク(遺伝子組換え) リラグルチド(遺伝子組換え)
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|---|---|
| 製造/販売 | ノボノルディスクファーマ |
| 剤形/規格 |
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2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 低血糖症状を呈している患者[11.1.1参照]
2.3 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病患者[インスリンのみを含有する製剤による速やかな治療が必須となるので、本剤を投与すべきでない]
2.4 重症感染症、手術等の緊急の場合[インスリンのみを含有する製剤による血糖管理が望まれるので、本剤の投与は適さない]
インスリン療法が適応となる2型糖尿病
通常、成人では、初期は1日1回10ドーズ(インスリン デグルデク/リラグルチドとして10単位/0.36mg)を皮下注射する。投与量は患者の状態に応じて適宜増減するが、1日50ドーズ(インスリン デグルデク/リラグルチドとして50単位/1.8mg)を超えないこと。注射時刻は原則として毎日一定とする。なお、本剤の用量単位である1ドーズには、インスリン デグルデク1単位及びリラグルチド0.036mgが含まれる。
8.1 投与する場合には、血糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、3〜4ヵ月間投与して効果が不十分な場合には、速やかに他の治療薬への切り替えを行うこと。
8.2 本剤の投与開始時及びその後数週間は血糖コントロールのモニタリングを十分に行うこと。特に、高用量のインスリン製剤(Basalインスリン又は混合型/配合溶解インスリン)を投与している患者が本剤に切り替える場合は、血糖コントロールが一時的に悪化する可能性があることから、注意すること。
8.3 低血糖に関する注意について、その対処法も含め患者及びその家族に十分徹底させること。[9.1.4、11.1.1参照]
8.4 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。[11.1.1参照]
8.5 急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)があらわれた場合は、使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導すること。[9.1.2、11.1.3参照]
8.6 胃腸障害が発現した場合、急性膵炎の可能性を考慮し、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮する等、慎重に対応すること。[9.1.2、11.1.3参照]
8.7 肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合は適切な処置を行うこと。
8.8 本剤投与中は、甲状腺関連の症候の有無を確認し、異常が認められた場合には、専門医を受診するよう指導すること。[15.2.1参照]
8.9 胆石症、胆嚢炎、胆管炎又は胆汁うっ滞性黄疸が発現するおそれがあるので、腹痛等の腹部症状がみられた場合には、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮するなど、適切に対応すること。[11.1.5参照]
8.10 急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。
8.11 本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。
・投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
・全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
・添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導すること。
8.12 本剤の有効成分の一つであるリラグルチドとDPP-4阻害薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。リラグルチドとDPP-4阻害薬を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。
8.13 本剤と他の糖尿病用注射剤を取り違えないよう、毎回注射する前に本剤のラベル等を確認するよう患者に十分指導すること。
8.14 同一箇所への繰り返し投与により、注射箇所に皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれることがあるので、定期的に注射箇所を観察するとともに、以下の点を患者に指導すること。
・本剤の注射箇所は、少なくとも前回の注射箇所から2〜3cm離すこと。[14.1.2参照]
・注射箇所の腫瘤や硬結が認められた場合には、当該箇所への投与を避けること。
8.15 皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれた箇所に本剤を投与した場合、本剤の吸収が妨げられ十分な血糖コントロールが得られなくなることがある。血糖コントロールの不良が認められた場合には、注射箇所の腫瘤や硬結の有無を確認し、注射箇所の変更とともに投与量の調整を行うなどの適切な処置を行うこと。血糖コントロールの不良に伴い、過度に増量されたインスリン製剤が正常な箇所に投与されたことにより、低血糖に至った例が報告されている。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者
腸閉塞を起こすおそれがある。[11.1.4参照]
9.1.2 膵炎の既往歴のある患者[8.5、8.6、11.1.3参照]
9.1.3 糖尿病胃不全麻痺、炎症性腸疾患等の胃腸障害のある患者
十分な使用経験がなく胃腸障害の症状が悪化するおそれがある。
9.1.4 低血糖を起こすおそれがある以下の患者又は状態
・下痢、嘔吐等の胃腸障害
・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
・栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
・激しい筋肉運動
・過度のアルコール摂取者
[7.2、8.3、11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害患者
低血糖を起こすおそれがある。[7.2、11.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害患者
低血糖を起こすおそれがある。[7.2、11.1.1参照]
9.5 妊婦
妊娠又は妊娠している可能性のある女性には本剤を投与せず、インスリン製剤を使用すること。
リラグルチドの生殖発生毒性試験で、ラットにおいてリラグルチドの最大推奨臨床用量である1.8mgの約18.3倍の曝露量に相当する1.0mg/kg/日で早期胚死亡の増加、ウサギにおいてリラグルチドの最大推奨臨床用量である1.8mgの約0.76倍の曝露量に相当する0.05mg/kg/日で母動物の摂餌量減少に起因するものと推測される胎児の軽度の骨格異常が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
ラットでは乳汁中への移行がインスリン デグルデク及びリラグルチドにて報告されている。ヒトでの乳汁移行に関するデータ及びヒトの哺乳中の児への影響に関するデータはない。
9.7 小児等
18歳未満の患者を対象とした臨床試験は本剤では実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、胃腸障害及び低血糖が発現しやすい。[7.2、11.1.1参照]
14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 投与時
(1)本剤はJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。
本剤はA型専用注射針との適合性の確認をペンニードルで行っている。
(2)本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導すること。
(3)1本の本剤を複数の患者に使用しないこと。
14.1.2 投与部位
皮下注射は、腹部、大腿、上腕に行う。同じ部位に注射を行う場合は、その中で注射箇所を毎回変えること。前回の注射箇所より2〜3cm離して注射すること。[8.14参照]
14.1.3 投与経路
静脈内及び筋肉内に投与しないこと。皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。
14.1.4 その他
(1)本剤と他の薬剤を混合しないこと。本剤は他の薬剤との混合により、成分が分解するおそれがある。
(2)注射後注射針を廃棄すること。注射針は毎回新しいものを、必ず注射直前に取り付けること。
(3)カートリッジに薬液を補充してはならない。
(4)カートリッジにひびが入っている場合は使用しないこと。
(5)液に濁りが生じたり、変色している場合は、使用しないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 インスリン製剤又は経口糖尿病薬の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある
15.1.2 本剤とピオグリタゾンを併用する場合には、浮腫及び心不全の徴候を十分観察しながら投与すること。ピオグリタゾンをインスリンと併用した場合、浮腫が多く報告されている。
15.1.3 本剤とワルファリンを併用する場合には、PT-INR等のモニタリングの実施等を考慮すること。GLP-1受容体作動薬とワルファリンとの併用時にPT-INR増加の報告がある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 リラグルチドのラット及びマウスにおける2年間がん原性試験において、非致死性の甲状腺C細胞腫瘍が認められた。甲状腺髄様癌の既往のある患者及び甲状腺髄様癌又は多発性内分泌腫瘍症2型の家族歴のある患者に対する、リラグルチドの安全性は確立していない。[8.8参照]
使用中は室温(30℃以下)にキャップ等により遮光して保管し、3週間以内に使用すること。ただし、25℃以下の保管であれば、4週間以内に使用すること。冷蔵庫保管(2〜8℃)も可能であるが、凍結を避け、4週間以内に使用すること。
残った場合は廃棄すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 糖尿病用薬ビグアナイド薬スルホニルウレア薬速効型インスリン分泌促進薬α-グルコシダーゼ阻害薬チアゾリジン薬DPP-4阻害薬SGLT2阻害薬等 | 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量を検討すること。 | 血糖降下作用が増強される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤 | 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量を検討すること。 | インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 三環系抗うつ剤ノルトリプチリン塩酸塩等 | 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量を検討すること。 | 機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| サリチル酸誘導体アスピリンエテンザミド | 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量を検討すること。 | 糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有する。また、末梢で弱いインスリン様作用を有する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗腫瘍剤シクロホスファミド水和物 | 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量を検討すること。 | インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| β-遮断剤プロプラノロール塩酸塩アテノロールピンドロール | 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量を検討すること。 | アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クマリン系薬剤ワルファリンカリウム | 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量を検討すること。 | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クロラムフェニコール | 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量を検討すること。 | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ベザフィブラート | 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量を検討すること。 | インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| サルファ剤 | 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量を検討すること。 | 膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シベンゾリンコハク酸塩ジソピラミドピルメノール塩酸塩水和物 | 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量を検討すること。 | インスリン分泌作用を認めたとの報告がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| チアジド系利尿剤トリクロルメチアジド | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 副腎皮質ステロイドプレドニゾロントリアムシノロン | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | 糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ACTHテトラコサクチド酢酸塩 | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | 副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加する。糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アドレナリン | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | 糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| グルカゴン | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | 糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 甲状腺ホルモンレボチロキシンナトリウム水和物 | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | 糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 成長ホルモンソマトロピン | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | 抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 卵胞ホルモンエチニルエストラジオール結合型エストロゲン | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | 末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 経口避妊薬 | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | 末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ニコチン酸 | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | 末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 濃グリセリン | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | 代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| イソニアジド | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | 炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ダナゾール | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | インスリン抵抗性を増強するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フェニトイン | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | インスリン分泌抑制作用を有する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 蛋白同化ステロイドメテノロン | 血糖降下作用の増強による低血糖症状[11.1.1参照]、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ソマトスタチンアナログ製剤オクトレオチド酢酸塩ランレオチド酢酸塩 | 血糖降下作用の増強による低血糖症状[11.1.1参照]、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 | インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 低血糖(頻度不明)
脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。無処置の状態で続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。
また、長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取する等、適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時にはブドウ糖を投与すること。経口摂取が不可能な場合はブドウ糖を静脈内に、グルカゴンを筋肉内に投与する等適切な処置を行うこと。
本剤の作用は持続的であるため、回復が遅延するおそれがある。低血糖は臨床的に回復した場合にも再発することがあるので継続的に観察すること。[2.2、8.3、8.4、9.1.4、9.2.1、9.3.1、9.8、10.2、17.1参照]
11.1.2 アナフィラキシーショック(頻度不明)
呼吸困難、血圧低下、頻脈、発汗、全身の発疹、血管神経性浮腫等が認められた場合には投与を中止すること。
11.1.3 膵炎(頻度不明)
嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導すること。また、急性膵炎と診断された場合は、本剤の投与を中止し、再投与は行わないこと。なおリラグルチドでは、海外にて、非常にまれであるが壊死性膵炎の報告がある。[8.5、8.6、9.1.2参照]
11.1.4 腸閉塞(頻度不明)
高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止すること。[9.1.1参照]
11.1.5 胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸(いずれも頻度不明)[8.9参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 0.8〜5%未満 | 頻度不明 | |
| 血液及びリンパ系障害 | 貧血 | ||
| 免疫系障害 | 過敏症 | ||
| 内分泌障害 | 甲状腺腫瘤 | ||
| 代謝及び栄養障害 | 食欲減退 | 脱水、高脂血症、抗インスリン抗体産生に伴う血糖コントロール不良 | |
| 神経系障害 | 頭痛、浮動性めまい、感覚鈍麻、味覚異常 | ||
| 眼障害 | 糖尿病性網膜症 | ||
| 心臓障害 | 心拍数増加注)、心室性期外収縮 | ||
| 血管障害 | 高血圧 | ||
| 呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | 咳嗽 | ||
| 胃腸障害 | 便秘 | 悪心、下痢、腹部不快感、嘔吐、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、胃炎、消化不良 | 腹痛、鼓腸、おくび |
| 肝胆道系障害 | 肝機能異常(AST、ALTの上昇 等)、胆石症 | ||
| 皮膚及び皮下組織障害 | じん麻疹、そう痒症、発疹、リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚 等)、皮膚アミロイドーシス | ||
| 全身障害及び投与部位の状態 | 注射部位反応 | 倦怠感、胸痛、浮腫、疲労 | |
| 臨床検査 | 体重増加、膵酵素(リパーゼ、アミラーゼ)増加、遊離脂肪酸減少、血中プロインスリン減少、インスリンCペプチド減少 | 体重減少、血中ケトン体増加 |
注)心拍数の増加が持続的にみられた場合には患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
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