1.1 重篤な副作用により致命的な経過をたどることがあるので、本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血幹細胞移植、造血器悪性腫瘍の治療、がん化学療法に関して十分な知識・経験を持つ医師のもとで本剤の投与が適切と判断される症例に対して行うこと。
1.2 本剤の投与により、重篤な出血(脳出血、頭蓋内出血、肺出血、肺胞出血等)が発現するおそれがある。患者の状態を十分に観察し、重篤な出血が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。[9.1.1、11.1.2参照]
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 出血している患者(脳出血、肺出血、血胸、胃腸出血、吐血、重度の血尿等)[出血を助長するおそれがある。]
2.3 血栓溶解剤(ウロキナーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)製剤(アルテプラーゼ(遺伝子組換え)、モンテプラーゼ(遺伝子組換え)))を投与中の患者[10.1参照]
肝類洞閉塞症候群(肝中心静脈閉塞症)
通常、デフィブロチドナトリウムとして1回6.25mg/kgを1日4回、2時間かけて静脈内投与する。
8.1 本剤投与前24時間以内は血栓溶解剤(ウロキナーゼ、t-PA製剤)を投与しないこと。
8.2 本剤投与前12時間以内はヘパリン製剤(未分画ヘパリン製剤又は低分子量ヘパリン製剤)を投与しないことが望ましい。
8.3 本剤投与後24時間以内は血栓溶解剤及びヘパリン製剤を投与しないことが望ましい。
8.4 大量出血リスクを伴う外科的手術又は侵襲的手法を施行する患者に対しては、本剤の投与を一時的に中断すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 出血素因、凝血異常のある患者
副作用が強くあらわれるおそれがある。[1.2、11.1.2参照]
9.1.2 血行動態が不安定な患者
複数の昇圧剤を使用している等の血行動態が不安定な患者では、本剤の投与可否を慎重に判断し、投与中はバイタルサイン(血圧、脈拍等)を慎重にモニタリングすること。[11.1.3参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害患者
血中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
本剤投与後に肝機能が悪化し、肝不全等の重篤な肝機能障害を起こした症例が報告されている。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を器官形成期の妊娠ウサギに投与したとき、体表面積換算で同等となる投与量で着床後死亡率の増加が認められている。[9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
性腺に対する影響を考慮すること。幼若ラットを用いた毒性試験において、臨床曝露量の0.54倍に相当する曝露量で陰茎亀頭包皮分泌腺開裂時期の遅延が認められており、雄の性成熟の遅延が示唆されている。
新生児、低出生体重児は臨床試験には組み入れられていない。
13.1 処置
特異的な解毒薬はない。また、透析によって除去されない。[16.6.1参照]
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤は、無菌的に調製を行うこと。
14.1.2 本剤は、5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液を用いて4〜20倍希釈すること。
14.1.3 本剤のバイアルは1回使い切りである。残液をその後の投与に使用しないこと。
14.1.4 本剤を希釈した液は、常温で保存する場合には4時間以内、冷蔵条件下(2〜8℃)で保存する場合には24時間以内に投与を開始すること。
14.2 薬剤投与時の注意
本剤は、独立したラインにて投与するものとし、5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液以外の輸液や他の注射液等と同一ラインで投与しないことが望ましい。他剤と連続注入する場合には、本剤の投与前後にラインを5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液でフラッシュすることが望ましい。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 血栓溶解剤ウロキナーゼウロナーゼt-PA製剤アルテプラーゼ(遺伝子組換え)アクチバシングルトパモンテプラーゼ(遺伝子組換え)クリアクター[2.3参照] | 出血の危険性が増大するおそれがある。 | マウスの血栓塞栓症モデルにおいて、デフィブロチドナトリウムは組換え型t-PAの抗血栓作用を増強した。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 血液凝固阻止作用を有する薬剤未分画ヘパリン製剤低分子量ヘパリン製剤エノキサパリンナトリウム等ワルファリンカリウム直接トロンビン阻害剤ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等第Xa因子直接阻害剤リバーロキサバン、アピキサバン等トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)乾燥濃縮人活性化プロテインC乾燥濃縮人アンチトロンビンIII | 出血傾向が増大するおそれがあるので、血液凝固能(出血時間、プロトロンビン時間、APTT等)等の検査、臨床症状の観察を頻回に行うこと。異常が認められた場合には本剤の投与中断も検討すること(ただし、中心静脈ラインの維持又は再開のための抗凝固療法を除く)。 | 出血傾向が増大するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 血小板凝集抑制作用を有する薬剤抗血小板剤アスピリン、クロピドグレル硫酸塩、チクロピジン塩酸塩等非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤ジクロフェナクナトリウム等 | 出血傾向が増大するおそれがある。 | 出血傾向が増大するおそれがある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
初期症状としては、蕁麻疹、嘔吐、血圧低下、虚脱、意識消失等がある。
11.1.2 出血
重篤な出血(脳出血(1.7%)、頭蓋内出血(頻度不明)、くも膜下出血(0.8%)、肺出血(5.8%)、肺胞出血(5.8%)、胃腸出血(4.1%)、血胸(1.7%)等)及び血腫(硬膜下血腫(頻度不明)、脊髄血腫(0.8%)等)があらわれることがある。[1.2、9.1.1参照]
11.1.3 低血圧(5.8%)[9.1.2参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 1%以上 | 1%未満 | 頻度不明 | |
| 循環器 | 潮紅 | 心不全、うっ血性心不全、心筋症、心房粗動、心房細動、洞性徐脈、頻脈、心嚢液貯留、静脈閉塞性疾患、出血性梗塞 | |
| 血液凝固系 | 凝血異常 | INR増加 | 播種性血管内凝固(DIC)、APTT延長・短縮、プロトロンビン時間延長 |
| 耳 | 耳閉、鼓膜充血 | ||
| 眼 | 結膜出血 | 霧視、複視 | |
| 消化器 | 悪心、嘔吐、下痢 | 血便排泄、メレナ | 腹痛、口腔障害、腹部不快感、出血性食道炎、口内乾燥、便潜血陽性 |
| 肝臓 | 静脈閉塞性肝疾患、肝不全、血中ビリルビン異常 | ||
| 代謝異常 | アシドーシス | ||
| 筋骨格系 | 四肢痛、筋痙縮 | ||
| 精神神経系 | 頭痛 | 嗜眠、硬膜下ヒグローマ | 脳症、肝性脳症、可逆性後白質脳症、痙攣、浮動性めまい、不安、平衡障害、協調運動異常、不眠症、激越 |
| 腎臓及び尿路系 | 血尿 | 急性腎障害、出血性膀胱炎、腎不全 | |
| 呼吸器 | 鼻出血(8.3%)、呼吸不全、血胸 | 呼吸窮迫、喀血、低酸素症、咳嗽、鼻閉、鼻漏、呼吸音異常 | |
| 皮膚 | 発疹、そう痒症 | 紫斑、全身性そう痒症 | 剥脱性発疹、紅斑性皮疹、皮膚乾燥、水疱、斑状皮疹 |
| その他 | 処置後出血(5.0%)、カテーテル留置部位出血 | 熱感、月経過多 | 血小板減少症、末梢性浮腫、全身性浮腫、肺感染、発熱、多臓器不全、挫傷、悪寒、疼痛、胸痛、粘膜の炎症、注射部位反応 |
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