ヒト化抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤
| 一般名 |
リサンキズマブ(遺伝子組換え)
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|---|---|
| 製造/販売 | アッヴィ |
| 剤形/規格 |
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本剤は結核等の感染症を含む緊急時に十分に対応できる医療施設において,本剤についての十分な知識と乾癬治療の十分な知識・経験をもつ医師のもとで,本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される患者のみに使用すること.本剤は感染症のリスクを増大させる可能性があり,また結核の既往歴を有する患者では結核を活動化させる可能性がある.また,本剤との関連性は明らかではないが,悪性腫瘍の発現が報告されている.治療開始に先立ち,本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め,本剤の有効性及び危険性を患者に十分説明し,患者が理解したことを確認した上で治療を開始すること.
重篤な感染症
ウイルス及び細菌等による重篤な感染症が報告されているため,十分な観察を行うなど感染症の発症に注意し,本剤投与後に感染症の徴候又は症状があらわれた場合には,速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること.
本剤の治療を開始する前に,光線療法を含む既存の全身療法(生物製剤を除く)の適用を十分に勘案すること.
重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある.](「重要な基本的注意」の項参照)
活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある.](「重要な基本的注意」の項参照)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
既存治療で効果不十分な下記疾患
尋常性乾癬,関節症性乾癬,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症
通常,成人にはリサンキズマブ(遺伝子組換え)として,1回150mgを初回,4週後,以降12週間隔で皮下投与する.なお,患者の状態に応じて1回75mgを投与することができる.
本剤は,感染のリスクを増大させる可能性がある.そのため,本剤の投与に際しては,十分な観察を行い,感染症の発症や増悪に注意すること.感染症の徴候又は症状があらわれた場合には,速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること.また,重篤な感染症が発症した場合には,適切な処置を行い,感染症が消失するまで本剤を投与しないこと(「重大な副作用」の項参照).
本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加えインターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い,適宜胸部CT検査等を行うことにより,結核感染の有無を確認すること.結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には,結核の診療経験がある医師に相談すること.以下のいずれかの患者には,原則として抗結核薬を投与した上で,本剤を投与すること.
胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者
インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により,既感染が強く疑われる患者
結核患者との濃厚接触歴を有する患者
また,本剤投与中も,胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し,結核を疑う症状(持続する咳,体重減少,発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること.なお,結核の活動性が確認された場合は結核の治療を優先し,本剤を投与しないこと(「禁忌」及び「慎重投与」の項参照).
本剤投与中は,生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため,生ワクチン接種は行わないこと.
本剤と他の生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること.また他の生物製剤から変更する場合は感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること.
臨床試験において皮膚及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されている.本剤との因果関係は明確ではないが,悪性腫瘍の発現には注意すること(「臨床成績」の項参照).
感染症の患者又は感染症が疑われる患者[感染症が悪化するおそれがある.](「重要な基本的注意」の項参照)
結核の既往歴を有する患者[結核を活動化させるおそれがあるため,胸部X線検査等を定期的に行うなど,結核症の発現に十分に注意すること.](「重要な基本的注意」の項参照)
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
投与経路
皮下にのみ投与すること.
投与方法
150mgを投与するためには,75mgシリンジを2本投与すること.
投与時
投与15〜30分前に冷蔵庫から取り出し,直射日光を避け,室温で静置することが望ましい.
皮膚が敏感な部位,皮膚に異常のある部位(皮膚の圧痛,内出血,傷,紅斑,硬結等の部位),乾癬の部位には注射しないこと.
投与部位は,腹部,大腿部,上腕部又は臀部が望ましい.
本剤は,1回使用の製剤であり,再使用しないこと.
混濁,変色又は大きな粒子がある場合は,使用しないこと.半透明〜白色の製品由来の微粒子を含むことがある.
日本人尋常性乾癬,膿疱性乾癬又は乾癬性紅皮症患者に本剤75mg又は150mgを0週目,4週目及びそれ以降12週毎に52週まで皮下投与したところ,それぞれ15/67例(22.4%)及び31/100例(31.0%)の患者に抗リサンキズマブ抗体が認められ,10/67例(14.9%)及び12/100例(12.0%)の患者に中和抗体が認められた.海外及び国際共同臨床試験において尋常性乾癬患者を対象として,本剤150mgを0週目,4週目及びそれ以降12週毎に52週まで皮下投与したところ,263/1,079例(24.4%)の患者に抗リサンキズマブ抗体が認められ,150/1,079例(13.9%)の患者に中和抗体が認められた.
免疫抑制剤又は光線療法と併用した場合の安全性及び有効性は確立していない.
尋常性乾癬,関節症性乾癬
国内臨床試験(M16-004[1311.38]試験)において,167例中39例(23.4%)に副作用が認められた.主な副作用は,上咽頭炎7例(4.2%),咽頭炎3例(1.8%)等であった.
国際共同臨床試験(M16-008[1311.3]試験)において,401例中71例(17.7%)(日本人では39例中12例(30.8%))に副作用が認められた.主な副作用は,ウイルス性上気道感染12例(3.0%),頭痛6例(1.5%),注射部位紅斑6例(1.5%)等であった.
国際共同臨床試験(M15-992[1311.4]試験)において,500例中77例(15.4%)(日本人では13例中3例(23.1%))に副作用が認められた.主な副作用は,上気道感染10例(2.0%),ウイルス性上気道感染7例(1.4%)等であった.
国際共同臨床試験(M16-002[1311.5]試験)において,143例中27例(18.9%)(日本人では11例中1例(9.1%))に副作用が認められた.主な副作用は,ウイルス性上気道感染7例(4.9%),注射部位紅斑3例(2.1%)等であった.
膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症
国内臨床試験(M15-988[1311.39]試験)において,膿疱性乾癬患者では8例中3例(37.5%)に副作用が認められた.主な副作用は,ウイルス性上気道感染1例(12.5%),アラニンアミノトランスフェラーゼ増加1例(12.5%)等であった.
国内臨床試験(M15-988[1311.39]試験)において,乾癬性紅皮症患者では9例中2例(22.2%)に副作用が認められた.主な副作用は,ウイルス性気管支炎1例(11.1%),血中ビリルビン増加1例(11.1%)であった.(承認時)
重篤な感染症(0.7%)
重篤な感染症(敗血症,骨髄炎,腎盂腎炎,細菌性髄膜炎等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,感染症が疑われた場合には適切な処置を行うこと.
重篤な過敏症(0.1%)
アナフィラキシー等の重篤な過敏症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
次のような症状があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと.
| 5%以上 | 1〜5%未満 | 1%未満 | |
| 感染症及び寄生虫症 | 上気道感染 | 白癬感染 | 毛包炎 |
| 神経系障害 | 頭痛 | ||
| 全身障害及び投与局所様態 | 注射部位反応(紅斑,腫脹,そう痒感,疼痛,出血,硬結等) | 疲労 |
スキリージ皮下注75mgシリンジ0.83mL 243807円/筒
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