本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
通常、成人にはメマンチン塩酸塩として1日1回5mgから開始し、1週間に5mgずつ増量し、維持量として1日1回20mgを経口投与する。
8.1 投与開始初期においてめまい、傾眠が認められることがある。また、これらの症状により転倒等を伴うことがあるため、十分に注意すること。
8.2 通常、中等度及び高度アルツハイマー型認知症では、自動車の運転等危険を伴う機械の操作能力が低下することがある。また、本剤により、めまい、傾眠等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.3 本剤投与により効果が認められない場合、漫然と投与しないこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 てんかん又は痙攣の既往のある患者
発作を誘発又は悪化させることがある。
9.1.2 尿pHを上昇させる因子(尿細管性アシドーシス、重症の尿路感染等)を有する患者
尿のアルカリ化により本剤の尿中排泄率が低下し、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。[10.2、16.5参照]
9.2 腎機能障害患者
本剤は腎排泄型の薬剤であり、排泄が遅延する。[16.6.1参照]
9.2.1 高度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス値:30mL/min未満)のある患者[7.3参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 高度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者
臨床試験では除外されている。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ウサギ)で胎児への移行が認められている。また、動物実験(ラット)で胎児及び出生児の体重増加抑制が認められている。[16.3.3参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が認められている。[16.3.3参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
13.1 症状
メマンチン塩酸塩400mg服用患者において、不穏、幻視、痙攣、傾眠、昏迷、意識消失等があらわれ、また、メマンチン塩酸塩2,000mg服用患者において、昏睡、複視及び激越があらわれ、それぞれ回復したとの報告がある(外国人における報告)。
13.2 処置
尿の酸性化により、僅かに排泄が促進したとの報告がある。
14.1 薬剤交付時の注意
本剤は、服用直前に水に懸濁し速やかに服用するが、粉末のまま水とともに服用することもできる。
15.2 非臨床試験に基づく情報
ラットの高用量投与実験(メマンチン塩酸塩100mg/kg単回経口投与、25mg/kg/日以上14日間反復経口投与、又は100mg/kg/日14日間混餌投与)において、脳梁膨大皮質及び帯状回皮質に神経細胞の空胞化又は壊死が認められた。
分包又はプラスチックボトル開封後は湿気を避けて保存すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ドパミン作動薬レボドパ等 | ドパミン作動薬の作用を増強させるおそれがある。 | 本剤のNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体拮抗作用が、ドパミン遊離を促進させる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ヒドロクロロチアジド[16.7参照] | ヒドロクロロチアジドの血中濃度を低下させる。 | 機序は不明である。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 腎尿細管分泌(カチオン輸送系)により排泄される薬剤シメチジン等 | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 | 本剤は一部が尿細管分泌(カチオン輸送系)により排泄されるため、同じ輸送系を介する薬剤と競合する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 尿アルカリ化を起こす薬剤 アセタゾラミド等[9.1.2、16.5参照] | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 | 尿のアルカリ化により、本剤の尿中排泄率が低下するため。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| NMDA受容体拮抗作用を有する薬剤アマンタジン塩酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物等 | 相互に作用を増強させるおそれがある。 | 両薬剤ともNMDA受容体拮抗作用を有するため。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 痙攣(0.3%)
11.1.2 失神(頻度不明)、意識消失(頻度不明)
11.1.3 精神症状
激越(0.2%)、攻撃性(0.1%)、妄想(0.1%)、幻覚(頻度不明)、錯乱(頻度不明)、せん妄(頻度不明)等があらわれることがある。
11.1.4 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、ALP、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。
11.1.5 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれることがある。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 1〜5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
| 過敏症 | 発疹 | 顔面浮腫、眼瞼浮腫 | |
| 精神神経系 | めまい、頭痛 | 傾眠、不眠、徘徊、不穏、易怒性、不安 | 歩行障害、不随意運動(振戦、チック、ジスキネジー等)、活動性低下、鎮静 |
| 腎臓 | 頻尿、尿失禁、尿潜血、BUN上昇 | ||
| 肝臓 | 肝機能異常 | ||
| 消化器 | 便秘、食欲不振 | 消化管潰瘍、悪心、嘔吐、下痢、便失禁 | |
| 循環器 | 血圧上昇 | 血圧低下、上室性期外収縮 | |
| その他 | 血糖値上昇、転倒、浮腫、体重減少、CK上昇 | 貧血、倦怠感、発熱、コレステロール上昇、トリグリセリド上昇 | 脱力感 |
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