エポジン注シリンジ1500 他

遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 エポエチンベータ(遺伝子組換え)
製造/販売 中外製薬
剤形/規格
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禁忌

  • 本剤又は他のエリスロポエチン製剤・ダルベポエチン アルファ製剤に過敏症の患者

効能・効果

  • ○透析施行中の腎性貧血

  • ○透析導入前の腎性貧血

  • ○貯血量が800mL以上で1週間以上の貯血期間を予定する手術施行患者の自己血貯血

  • ○未熟児貧血

用法・容量

  • 効能又は効果 透析施行中の腎性貧血
    [皮下投与については、連続携行式腹膜灌流(CAPD)施行中の腎性貧血を対象とする。]
    透析導入前の腎性貧血 貯血量が800mL以上で1週間以上の貯血期間を予定する手術施行患者の自己血貯血 未熟児貧血
    用法及び用量 エポエチン ベータ(遺伝子組換え)として 静脈内投与 成人 通常、投与初期は、1回3000国際単位を週3回、できるだけ緩徐に投与する。 通常、投与初期は、1回6000国際単位を週1回、できるだけ緩徐に投与する。 通常、体重を考慮に入れヘモグロビン濃度が13〜14g/dL以下の患者を対象に、手術前の自己血貯血時期に、1回6000国際単位を隔日週3回、できるだけ緩徐に投与する。投与期間は、予定貯血量が800mLの場合は術前2週間、1200mLの場合は術前3週間を目安とする。なお、自己血採血日の投与は採血終了後に行い、患者のヘモグロビン濃度や予定貯血量等に応じて投与回数や投与期間を適宜増減する。
    通常、貧血改善効果が得られた後は、維持量として、1回1500国際単位を週2〜3回、あるいは1回3000国際単位を週2回投与する。なお、いずれの場合も貧血の程度、年齢等により適宜増減するが、維持量での最高投与量は、1回3000国際単位、週3回投与とする。 通常、貧血改善効果が得られた後は、維持量として、患者の貧血の程度、年齢等により、1週あたり6000国際単位以下の範囲で適宜調整する。
    貧血改善効果の目標値はヘモグロビン濃度で10g/dL(ヘマトクリット値で30%)前後とする。
    皮下投与 成人 通常、投与初期は、1回6000国際単位を週1回投与する。 未熟児 通常、1回200国際単位/kgを週2回投与する。
    ただし、未熟児早期貧血期を脱し、ヘモグロビン濃度が10g/dL(ヘマトクリット値で30%)前後で臨床症状が安定したと考えられる場合は投与を中止すること。
    なお、貧血症状の程度により適宜増減する。
    通常、貧血改善効果が得られた後は、維持量として、1回6000〜12000国際単位を2週に1回投与する。
    小児 通常、投与初期は、1回50〜100国際単位/kgを週1回投与する。
    通常、貧血改善効果が得られた後は、維持量として、1回100〜200国際単位/kgを2週に1回投与する。
    いずれの場合も貧血の程度等により適宜増減する。貧血改善効果の目標値はヘモグロビン濃度で10g/dL(ヘマトクリット値で30%)前後とする。

注意事項

重要な基本的注意

  • <効能共通>

    • 8.1 本剤の効果発現には鉄の存在が重要であり、鉄欠乏時には鉄剤の投与を行うこと。

  • <透析施行中の腎性貧血及び透析導入前の腎性貧血>

    • 8.2 ショック等の反応を予測するため十分な問診をすること。なお、投与開始時あるいは休薬後の初回投与時には、本剤の少量で皮内反応あるいはプリック試験を行い、異常反応の発現しないことを確認後、全量を投与することが望ましい。[9.1.3、9.1.4、11.1.1参照]

    • 8.3 本剤投与中はヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を定期的に観察し、必要以上の造血(ヘモグロビン濃度で12g/dL以上、あるいはヘマトクリット値で36%以上を目安とする)にならないように十分注意すること。必要以上の造血を認めた場合は、休薬するなど適切な処置をとること。

    • 8.4 本剤投与により血圧上昇を認める場合があるので、血圧の状態を十分観察しながら投与すること。また、高血圧性脳症があらわれることがあるので、血圧、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度等の推移に十分注意しながら投与すること。特に、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度は徐々に上昇させるよう注意すること。また、投与中止後もヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度が上昇する場合があるので観察を十分行うこと。[9.1.2、11.1.2参照]

    • 8.5 本剤投与により高カリウム血症を認める場合があるので、食事管理を適切に行うこと。

    • 8.6 抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがあるので、本剤使用中に貧血の改善がない、あるいは悪化する場合等は同疾患を疑うこと。[11.1.5参照]

  • <透析施行中の腎性貧血>

    • 8.7 本剤投与によりシャントの閉塞や血液透析装置内の残血を認める場合があるので、シャントや血液透析装置内の血流量には十分注意すること。このような場合にはシャントの再造設、抗凝固剤の増量等の適切な処置をとること。

  • <透析導入前の腎性貧血>

    • 8.8 透析導入前の腎性貧血患者においては水分の調節が困難であるので、透析施行中の患者と劣らぬ頻度で水分量と電解質の収支及び腎機能並びに血圧等の観察を十分行うこと。

    • 8.9 慢性腎不全の進展に伴い、本剤の貧血改善効果が減弱する可能性があるので、本剤投与中は血清クレアチニン濃度やクレアチニンクリアランス等の経過を適宜観察し、増量あるいは投与中止等の適切な処置をとること。

  • <貯血量が800mL以上で1週間以上の貯血期間を予定する手術施行患者の自己血貯血>

    • 8.10 本剤使用時の注意

      • 8.10.1 本剤投与中はヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を定期的に観察し、過度の上昇(原則としてヘモグロビン濃度で14g/dL以上、ヘマトクリット値で42%以上を目安とする)が起こらないように注意すること。このような症状があらわれた場合には、休薬あるいは採血等適切な処置を施すこと。

      • 8.10.2 ショック等の反応を予測するため十分な問診をすること。なお、投与開始時あるいは休薬後の初回投与時には、本剤の少量で皮内反応あるいはプリック試験を行い、異常反応の発現しないことを確認後、全量を投与することが望ましい。[9.1.3、9.1.4、11.1.1参照]

    • 8.11 貯血式自己血輸血に伴う一般的注意

      • 8.11.1 術前貯血式自己血輸血の対象は、その施設の従来の経験あるいは記録等より輸血を施行することが確実と予想される患者に限ること。

      • 8.11.2 採血に先立って患者に貯血式自己血輸血について十分説明するとともに、その趣旨と採血血液の不使用の際の処分等につき患者の同意を得ること。

      • 8.11.3 自己血採血は、ヘモグロビン濃度が11g/dL(ヘマトクリット値33%)未満では施行しないことが望ましい。

      • 8.11.4 採血は1週間前後の間隔をもって行い、採血量は1回400mLを上限とし、患者の年齢、体重、採血時の血液検査所見及び血圧、脈拍数等を考慮して決定すること。

      • 8.11.5 自己血採血時には採血を行う皮膚部位をポビドンヨード液等で十分に消毒し、無菌性を保つこと。

      • 8.11.6 最終採血は血漿蛋白量の回復期間を考慮し手術前3日以内は避けることが望ましい。

      • 8.11.7 「塩化ビニル樹脂製血液セット基準等について(平成11年3月30日医薬発第399号厚生省医薬安全局長通知)」の規格に適合し、「生物学的製剤基準:人全血液」に規定された所定量の血液保存液(CPD液等)を注入した採血セット等を用いて採血し、閉鎖回路を無菌的に保ちながら保存すること。

      • 8.11.8 血液保存容器には自己血であることを明記するとともに、氏名、採血年月日、ABO式血液型の別等を表示しておくこと。

      • 8.11.9 採血後の保存血液は温度記録計の設置されている保冷庫(血液保存庫)中で4〜6℃で保管し、血液の返血は保存血液の有効期限内に行うこと。

      • 8.11.10 保存血液の返血は、患者本人の血液であることを十分確認してから施行すること。また、外観上異常を認めた場合は使用しないこと。

  • <未熟児貧血>

    • 8.12 ショック等の反応を予測するため親・兄姉のアレルギー歴等について十分な問診をすること。なお、投与開始時には、本剤の少量で皮内反応あるいはプリック試験を行い、異常反応の発現しないことを確認後、投与することが望ましい。[9.1.3、9.1.4、11.1.1参照]

    • 8.13 本剤投与中はヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を定期的に観察し、必要以上の造血(ヘモグロビン濃度で13g/dL以上、あるいはヘマトクリット値で39%以上を目安とする)にならないように十分注意すること。必要以上の造血を認めた場合は、休薬するなど適切な処置をとること。

    • 8.14 本剤投与により血圧上昇を認める場合があるので、血圧、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度等の推移に十分注意しながら投与すること。[9.1.2、9.1.5、11.1.2参照]

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞等の患者、又はそれらの既往歴を有し血栓塞栓症を起こすおそれのある患者

      • 本剤投与により血液粘稠度が上昇するとの報告があり、血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがある。また、特に自己血貯血に使用する場合には、術後は一般に血液凝固能が亢進するおそれがある。[11.1.3参照]

    • 9.1.2 高血圧症の患者

      • 本剤投与により血圧上昇を認める場合があり、高血圧性脳症があらわれるおそれがある。[8.4、8.14、11.1.2参照]

    • 9.1.3 薬物過敏症の既往歴のある患者[8.2、8.10.2、8.12、11.1.1参照]

    • 9.1.4 アレルギー素因のある患者[8.2、8.10.2、8.12、11.1.1参照]

    • 9.1.5 脳室内出血及び脳実質内出血を有する未熟児

      • 本剤投与により脳内出血を増悪するおそれがある。[8.14、11.1.2参照]

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  • 9.6 授乳婦

    • 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトでの乳汁移行に関するデータはない。

  • 9.7 小児等

    • 新生児、乳児に対する臨床試験は実施していない。

  • 9.8 高齢者

    • <透析施行中の腎性貧血及び透析導入前の腎性貧血>

      • 9.8.1 本剤の投与に際しては血圧及びヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値等を頻回に測定し、投与量又は投与回数を適宜調節すること。一般に高齢者では生理機能が低下しており、また高血圧症等の循環器系疾患を合併することが多い。

    • <貯血量が800mL以上で1週間以上の貯血期間を予定する手術施行患者の自己血貯血>

      • 9.8.2 本剤投与に際しては特に循環系機能のモニターを頻回に行い、循環器異常、脳血管異常等に注意すること。一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い。

      • 9.8.3 本剤の投与に際してはヘモグロビン濃度を頻回に測定して投与回数、投与期間及び投与量等を適宜調節すること。一般に高齢者では造血機能の低下が推定される。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤投与時の注意

    • 本剤を投与する場合は他剤との混注を行わないこと。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • 15.1.1 心不全や虚血性心疾患を合併する血液透析患者において、目標ヘモグロビン濃度を14g/dL(ヘマトクリット値42%)に維持した群注)では、10g/dL(ヘマトクリット値30%)前後に維持した群に比べて死亡率が高い傾向が示されたとの報告がある(外国人データ)。

    • 15.1.2 保存期慢性腎臓病患者における腎性貧血に対する赤血球造血刺激因子製剤による治療について、目標ヘモグロビン濃度を13.5g/dLに設定した患者注)では、11.3g/dLに設定した患者に比較して、有意に死亡及び心血管系障害の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある(外国人データ)。

    • 15.1.3 2型糖尿病で腎性貧血を合併している保存期慢性腎臓病患者において、目標ヘモグロビン濃度を13.0g/dLに設定して赤血球造血刺激因子製剤が投与された患者注)とプラセボが投与された患者(ヘモグロビン濃度が9.0g/dLを下回った場合に赤血球造血刺激因子製剤を投与)を比較したところ、赤血球造血刺激因子製剤群ではプラセボ群に比較して有意に脳卒中の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある(外国人データ)。

    • 15.1.4 がん化学療法又は放射線療法による貧血患者注)に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより生存期間の短縮が認められたとの報告がある(外国人データ)。

    • 15.1.5 放射線療法による貧血患者注)に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより、腫瘍進展又は局所再発のリスクが増加したとの報告がある(外国人データ)。

    • 15.1.6 プラセボを投与されたがん化学療法による貧血患者注)に比べて赤血球造血刺激因子製剤の治療を受けた患者で血栓塞栓症の発現頻度が高いことが臨床試験にて示されたとの報告がある(外国人データ)。

    • 15.1.7 がん化学療法又は放射線療法を受けていないがんに伴う貧血患者注)に赤血球造血刺激因子製剤を投与した臨床試験において、プラセボを投与した患者に比べて死亡率が高いことが示されたとの報告がある(外国人データ)。

    • 注)これらの患者への投与は、本邦では承認外である。

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • エリスロポエチン製剤の投与において、未熟児網膜症との関連性は認められていないが、基礎研究において、エリスロポエチンによる血管新生作用が認められ、未熟児網膜症への影響を示唆する報告がある。

取扱上の注意

  • 外箱開封後は遮光して保存すること。

相互作用

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    • ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、咽頭浮腫等)を起こすことがある。[8.2、8.10.2、8.12、9.1.3、9.1.4参照]

  • 11.1.2 高血圧性脳症、脳出血(いずれも頻度不明)

    • 急激な血圧上昇により、頭痛・意識障害・痙攣等を示す高血圧性脳症、高血圧性脳出血があらわれる場合があるので、血圧等の推移に十分注意しながら投与すること。[8.4、8.14、9.1.2、9.1.5参照]

  • 11.1.3 心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞(いずれも頻度不明)[9.1.1参照]

  • 11.1.4 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

    • AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

  • 11.1.5 赤芽球癆(頻度不明)

    • 抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがある。赤芽球癆と診断された場合には本剤の投与を中止すること。また、他のエリスロポエチン製剤・ダルベポエチン アルファ製剤への切り替えは避け、適切な処置を行うこと。[8.6参照]

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

2%以上 0.1〜2%未満 0.1%未満
循環器 血圧上昇 動悸
皮膚 そう痒感、皮疹 ざ瘡
消化器 嘔気、嘔吐 食欲不振、腹痛、下痢
感覚器系 頭痛・頭重感、全身倦怠感、体熱感・ほてり感、発熱 めまい、発汗、不眠、筋肉痛、関節痛
血液 血小板増多 好酸球増多、白血球増多、血中フィブリノゲン増加
腎臓 腎機能障害の増悪(BUN、クレアチニンの上昇等)
その他 血清カリウムの上昇 鼻出血、口内苦味感、眼底出血(網膜動脈血栓症、網膜静脈血栓症等)
  • 注)副作用の発現頻度は製造販売後調査を含む。

薬価

エポジン注シリンジ1500 465円/筒
エポジン注シリンジ3000 835円/筒

評価サマリー

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